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分身の術
篠部との出会いは新入生登校日だった。
俺は篠崎、あいつは篠部、席が前後だったのだ。
その日は制服を着ていたような……。
まあ気のせいだろう。
「おはよう」
篠部の声だ。足音が聞こえないのでいつも突然聞こえる声にびっくりする。
「おはよう」
びっくりしているのを気づかれないように冷静なふりをする。
「おはよう」
「おはよう」
篠部がまたドアから入ってくる。
「おはよう」
「おはよう」
篠部がまたまたドアから入ってくる。
「おはよう」
「おはよう」
篠部が現れる。
「おはよう……って何回挨拶すんだよ!」
振り返った先にはなんと篠部が何体もいた。
自分の目が信じられず目をこするが目の前の光景は変わらない。
「分身の術です」
自慢げに胸を張る篠部。
授業前にしっかりもとに戻させました。




