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私が異世界に流されて…  作者: カルバリン
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第87話 弱点


「…本当に申し訳ありませんでした」


日本の伝統奥義…土下座をして謝るリン。それをジンは苦笑いしながら頬を掻く。


「いや、俺は別に良いんだけど…」


俺からしてみたら色々と得した位なんだよなぁ。


ビンタは物凄く痛かったけどあれは勘違いされても仕方なかったし…見るものは見てしまったからな。


ただやっぱり気になるのは…身体に刻まれた無数の傷か。下着しか着てなかったから分かったけどリンは俺とは別の種類の修羅場を潜ってきたんだな。


「まぁリンに飲ませ過ぎた私も悪いし…」


だけど今までどれだけ飲んでも酔っぱらった事なんてなかったのに…なんでかしら??


リンが内心首を傾げているとレリックが今度から飲み過ぎないようにしたらいいだろ?と言って場を纏める。


「とりあえず…まずはこれを渡しておく」


レリックは懐から袋を取り出すとテーブルに置く。

置いた袋からジャラっと重い音が響いた。


リンが受けとって中身を見ると金貨が10枚以上入っている…


「なぁにこれ?…家賃ならいらないって言ったでしょ?」


「そうなんだが…それじゃ俺達の償いにならん。もしリンが受け取らないならそれはカオリさんに渡してくれ」


返しても受けとる気はないみたいね。


「……分かった、だけどカオリも受け取らないだろうからギルドでカオリの口座を作って入れとくわ」


その内必要になる事もあるだろうし。


「それは任せる。それと…さきほど渡しそびれたこれも」


そういって床に置いてあった袋をリンに渡すレリック


「酒の肴として有名なんだ。ただかなり希少で王都なら少なくとも金貨5枚はするんだが…偶然捕まえた」


へぇ…なんだろ?酒の肴ならまぁ皆酒は呑むしあって困るような……事も…


袋を開けたリンはソレ(・・)を見た瞬間…ヒッと声を出して固まった。


"ゲコッ"


「…ん?どうした?」


不思議に思ったレリックが声をかけるが返事が無い。

近くで座っていたベアトリクスが肩をトントンっと叩いても反応しないリンの顔を覗き込むと……


「って!リン?!……これ、気絶してるわ。一体何を見て……ってまさかこれで??」


袋に手を入れて取り出そうとした瞬間…意識を取り戻したリンがベアトリクスから袋を奪って物凄い勢いで窓へ向かって放り投げた。


ガシャンと音を立てて窓を破壊し夜の闇に消えた袋……


「ちょっと!なんて事すんのよ!?あれって高級な……」


言いかけたベアトリクスの口を塞ぐとリンはとても切羽詰まった表情で口を開く。


「駄目。それ以上言ったら駄目よ!あれは駄目。良い?口にしたら私はベアトを消すかも知れない…」


にこぉっと無機質な笑みを浮かべるリンにベアトリクスの背筋が凍る。


何度も頷くベアトリクスを見て口を塞いでいた手をどけてレリックとその後ろに隠れているスレイに視線を向ける。


「ヒィィィ!?せ、先輩!俺達もしかしてとんでもない事をしでかしたっすか?!」


「お、落ち着いてくれ!まさかリンがフロッ…」


バキッ!!


言いかけたレリック…だがそれはリンが拳を叩きつけて破砕されたテーブルによって強制的に遮られた。


「言うな…って言ったわよ?なぁに?死にたいの?」


ユラリと椅子から立ち上がるリンに慌てて首を振るレリックとスレイ。


「ま、まぁまぁ!落ち着いてくれリン。皆わざとじゃないんだからさ」


間に割って入ったジンによってリンもまぁ、そうよね。と言って笑う。


「そうさ、そもそもレッドフロッグ(・・・・・・・)を見つけて捕まえたのは俺……あっ…」


しまった!と思ったジン。


だが時すでに遅し…次の瞬間にはリンの拳が先程ビンタを食らったのと同じ場所に炸裂してまた宙を舞う。


「おぉまぁぁえぇぇがぁ元凶かぁぁぁぁぁぁ!!!」


宙を舞いながらジンは思う…余計な事を言うんじゃなかった…と。


ちなみに次の日……朝からレンが満面の笑みでリンが投げ捨てたレッドフロッグを捕獲し、リンに見せに来て卒倒したのはまた別の話。

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