第1章 大型&中型モンスター掃討作戦 1-11 次の町に到着
加熱している機体をしばらく休め、もう一度一気に排熱し機体の冷却に努める。
少し落ち着いてきたので街道まで戻ることにした。
来たときよりゆっくり移動させ街道にディスプくん達がいるのが確認出来たが、そこから誰かが突っ走ってくるのが見て取れた。
『……アスカさんか……
誰かアスカさん止めて。今飛びつくと肉が焼けるよ』
とスピーカーから大音量で伝えたら、護衛役の人たちが大慌てで飛び出してくるのが見えた。
『あはははは』
5分ほどしてようやく合流し、しっかり排熱後、町に向け移動を開始、夕暮れになる頃町に着いた。
ギルドに一旦報告を入れに行くと、ディスプくん達が一斉に声をかける冒険者がいた。
「「「「お疲れ様です、影さん」」」」
誰?
「運営のサポートスタッフの影さんっす」
「サポートスタッフがなんで居るの?」
「あああ……プレーヤーのチェックとかおかしいところの確認のためにゲーム内に何人か居るらしいです。
特に影さんはあまりにひどいパーティーを壊滅させたりの武勇伝があって、プレーヤーに人気があるんです」
「へぇぇ」
「結構、相談にも乗ってくれるからみんな慕ってますよ。
始めた頃に世話になったりしましたから」
その「影さん」とやらがこちらに気付き、近寄ってきた。
所謂アサシンというか忍者に近い装備で、顔は隠していないがサングラスをしている。
にこやかな表情で声をかけてきた……
「君たちが外の大型兵装の関係者?」
「「「そうです」」」
「ちょっと話があるんだけどいいかな?」
「何でしょう?」
「今、地球が狙われている!!」
「「「は?」」」
何なんだろう?
さっさとギルドに報告して休みたいのに。
流石にディスプくん達も影さんをスルーすることに決め、報告するため受付の方へ移動を始めた。
「冗談だって……ちょっと待って……今受けてるクエストのことだから……嘘じゃないから話を聞いて?
お願い!! そうしないと編くんに怒られる……」
「「「「……分かりました……ちょっと待ってて下さい」」」」
「ありがとう」
受付嬢に受けているクエストの話をし、ストーンゴーレム2体を討伐したことを伝え、ギルドカードも渡した。
ギルドカードに討伐したモンスターが登録されているので確認出来るだろう。
受付嬢はカードを確認し問題がなかったことをこちらに伝え、クエストについての情報提供をしてくれた。
曰く、後ろの影さんが教えてくれるとのこと。
そうですか……
そうしているとアスカさんが挨拶に来て
「この後どうしますか? まだ別れ難いので食事でもどうでしょう?」
「いいですね」
「ちょっと支店まで行かなければならないので、しばらく待っていてもらえますか?」
「こっちはちょっと影さんと話があるので、そこでしばらく話し込んでます」
「分かりました。手短に済ませて戻ってきます。
ナムさん、逃げないで下さいね?」
「……ん?」
「大丈夫ですよ、私の方で押さえておきますから」
「よろしくね、プリンさん」
仕方がないので影さんの方に近付き、話を始める
「さっきのは冗談だからね?……今度のは本当だから」
「「「「で?」」」」
「んんっ……クエストの話だけど、グリフォンとヒポグリフを見つけたって情報が来てるんで、そちらを頼めないかと。
数は合わせて10頭ほど。もしかしたらもうちょっといるかもって」
「多いっすね? ナムさん行けます?」
「やるしかないけど、ちょっと装備を追加しておきたいから少し時間をもらう」
「大丈夫っすか?」
「大丈夫じゃない? 集落のあるような所を飛んでるって話じゃないから時間的な余裕はあると思うよ」
「じゃあ次はそこに向かいますか」
「「「おう」」」
「装備の追加ってフライトユニットですか?」
「いや、こちらはフライトユニットは使ってない。あまり好きじゃないし、弱点があるから使いたくない」
「へぇぇ、そうなんすか。色々善し悪しがあるんですね」
「そう、それを見極めないといい装備の組み合わせが出来ず勝てない」
「「ほうほう」」
そうこうするとアスカが戻ってきて、食事の店に案内された。
ついでに影さんもという事でこちらと同行することとなった。
案内された店はかなり高級そうな店構えで、こちらの身なりで入店拒否されそうな感じだった。
「店毎借り切りましたから、あるだけ飲み食いしていいですよ。
その代わりナムさん攻略の手伝いをよろしくお願いしますね?」
「「「おう」」」
「えっ?? 帰る」
「ダメですよ。協力するったって最終的にはナムさんが拒否してくれればいいんすよ」
「いいの? そんなんで?」
「所詮、冒険者家業はそんなもんですって。アスカさんもそれほど本気にしてませんって」
酒やソフトドリンクが供され、まずは手早く作れるつまみのような料理が出され、皆が飲み食いし始めた。
自分もちょこちょことつまみ、酒ではなくソフトドリンクを飲んだ……酔っ払って正体なくしたらどうなるか分からないし。
大分時間が経ち、皆の腹がかなり満たされた頃……
「今日の特別映像があるんだけど観るかい?」
と影さんが言ってきたので、皆が「観たーーーい」というので上映会が始まった。
影さんは「他の人には内緒だよ?」と言って流し始めた映像は……
ストーンゴーレム2体との一戦だった。
かなり近距離からの映像で様々な角度からの見栄えの良い映像にまとめられ、映画のワンシーンを観ているような物だった。
「あの短時間でこんなことをしてたんだ……すげぇ」
「あの最初のターンはどうなってんですか? Gで気絶しませんか?」
「耐圧服と慣れでどうにか。最初は気絶してたけど」
「うひゃあ、そうなんだ」
「ターンの遠心力を乗せたあの袈裟切り……凄まじい。絶妙なタイミングだし」
「絶妙なタイミングでの近接射撃もかっけぇ!!」
「最後に突き刺してるとこなんか映画のワンシーン並の映像美って感じ」
すごく絶賛されてるのが、かなり恥ずかしい。
短期決戦のつもりだったから余計なことなしで突っ切ったんだけど、あそこまできれいに決まるとはこっちも思わなかった……
「すごーーーい、なんて素敵なの!! やっぱりお婿さんに迎えないと!!」
アスカさんが暴走しかけてるのが気が気ではなかった。
次回予告
一旦ログアウトして休憩を取るナム。
次のグリフォン・ヒポグリフ戦に向け装備に頭を悩ませることに・・・・
次回 1-12 第2戦への準備




