序章 0-14.監視 in モニタールーム2
9月1日 AM01:00
「グリフォン3体がなんの役に立たなかったですね」
「大型兵装がスタートした現状ではかなり強すぎるじゃろ」
「博士、今後の対応はどうしますか?」
「しばらく特別監視しかないじゃろ。
意図的に大きいモンスターの出るミッションを作って割り当てて、他のプレーヤーとぶつからないようにするしかないな」
特別監視……
ゲームを運営するにあたって特に影響を及ぼしそうなプレーヤーを監視する体制のこと。
ちょっとしたところでは最上位プレーヤーやパーティーは特別監視となっているが、余程素行が悪いとかでもない限り厳しい監視体制は敷かれない。監視のみ。
それ以外に何をするか分からないような素行の悪いプレーヤーやチートを疑われるプレーヤー、レベルにかなり合わないような装備を運良く手に入れて調子に乗っているようなプレーヤーも対象となるが、こちらもあまり多くはない。
時々監視者が抹殺するので。
今回のような普通にあり得ないような状況での特別監視は初めてで、サポートチームやシステム管理のかなりの人数を割り当てなければならないような大事になることが決定された。
「いやぁ、誰も好き好んで手を出しませんよ、バカか大威力スキルでも持っているような上位プレーヤーでもないと」
「そうだな、それでもあまりふらふらされても困るから手綱は握っておかないと」
「わっかりました
そうだ、先輩から監視業務期間の豪勢な飯の要求が出てますけど」
「いいよ、経理の方にも伝えておいて。
ダメなら私のポケットマネーから出すから」
「これでいくらかやる気を出してくれますかね。
面白い状況になればあの人はいくらでも残業してくれるんですけどね」
一番割を食うのが監視担当の「影さん」だと決まっているので、このような忙しくなるときは周りが優しくしてくれるのが常である。
意外に影さんはスタッフ内で人気はあるのである、かといって人生をともにしてくれるような人は見つからないけど。
「先輩先輩、聞こえてます?」
『何?』
「ご飯はいいのが食べられますよ、頑張って下さいね」
『頑張れって言われても、あんなに簡単にグリフォン3体無力化できるようなのに何が出来るってんだっ』
「その辺はあまり変な方向に行かないようにこっちでもフォローを入れますから。
それでどうにかコントロールできるかは不明ですけど」
『まぁいいか。何かったらそっちの性にするから』
「編くん、あと神田くんにもモニタールームに顔を出すように言っておいてくれる?」
「でてきてくれるんですか? 神田さん」
「彼が設計からプログラミングからほとんど何から何までやってるんだから、見てもらわないと困るでしょ、こんな珍事件」
「分かりました、来てくれることを祈りましょう」




