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8話 全ての始まり 凛の場合②

みんなと楽しくお喋りしながら登校していると、いつのまにか学校の門近くまで来ていた。




………ん?………あれは………もしかして………。



門の近くに肥満体型で眼鏡をしていて髪が長くて顔が少し隠れている人がいた。


(最悪……………よりにもよって今日の門番があいつだなんて…………。)


あいつは……………気萌井眼鏡(きもいめがね)先生。


最近、やたらと触ろうとしてきたり、2人きりになるように誘導させたり、めちゃくちゃよく見られたりして私にちょっかいをかけてくる大変迷惑な人だ。


はっきり言って……………気持ち悪い…………そして怖い。


(人を見た目で決めるのは悪いことだと言われているけれど………あの人は見た目は愚か、性格もなかなかにきもい…………間違えた………きつい。)




そう思っていたとき、ちょうど気萌井先生と目が合ってしまった。


気萌井先生は私と目が合うと


「どぅふどぅふどぅふふふふ」


と笑った。




思わず肩をビクッと揺らしてしまう。


き、気持ち悪い…………。


あの笑い声を聞くだけで鳥肌が出てしまうほど恐怖を感じてしまう。


すると、りょーちゃんが私が怯えていたことに気づき目で「大丈夫?」とアイコンタクトで聞いてきた。


私はこの前、りょーちゃんと千冬に気萌井先生のことについて相談したのでそうしてくれたのだろう。


ちなみに正樹と蓮季はなんでも他の人に喋ってしまうので教えていない。


私はあまり心配させたくなかったので、少し笑ってこくりと頷いた。


だけど正直、大丈夫とは言い難い。なぜなら体がまだ震えているからだ。


そして気萌井先生は変わらずずっと私だけを見ている。


この状況は流石に震えるなという方が無理な話だ。


こういう時はみんなといれば少しは楽になる。なのでみんなに離れないように歩こうとしたが………正樹と蓮季がクラス表を見に何も言わずに走っていってしまった。


(ええ〜!なんで先に行っちゃうのよ!こうなったら私も走って行くしか…………ん?。)


私も走って蓮季たちとクラス表のところに行こうと考えていたら突然りょーちゃんが私の隣に移動して来た。


そして気萌井先生の視線から私が入らないように動いてくれた。


………………りょーちゃん…………。



りょーちゃんは私が大丈夫ではないと思って隣に来てくれたのだろう。



付き合いが長いからこそ分かったのかもしれない。



すると気萌井先生が不機嫌そうに「チッ」と舌打ちしたのがわかった。


いやいや、そんなわかりやすく舌打ちって…………これ完全に狙われてるわね…………。


私はりょーちゃんにお礼を伝えようとりょーちゃんの方に視線を動かすと…………なんか周りをキョロキョロしていた。


……………ああ、これは蓮季たちがいないことに今気づいて探してるのかしら。




「あの2人ならクラス表を見に行ったわよ」


「え、まじ?………あ、本当だ」


やっぱりあの2人がどこに行ったか気づいてなかったのね。



「涼くんが凛ちゃんの隣に来たときにはもう言ってましたよ」


「まじか、全く気づかなかった」


どうやらちーちゃんも気づいてたらしい。 


「てかりっちゃん、俺が正樹と蓮季ちゃんのこと探してたの言ったっけ?」


「いや喋ってなかったわよ」


「何りっちゃんはエスパーなの?」


「そんなわけないでしょう?りょーちゃんの考えならなんでもお見通しなだけよ」


「それはそれでなんかすごいな」


「りょーちゃんだって私のこと私のことよくわかってるでしょ?そんな感じよ」


「ああ、なんだそんな感じか」


「いやそれで納得しちゃうのもなんかおかしくないですか?」


千冬は「相変わらずですね」と言って苦笑いした。


…………なにがおかしいのかしら?



それはそうと、ついに気萌井先生のところまで来てしまった…………するとりょーちゃんが気萌井先生にあいさつした。


「先生おはようございます」


「………………………。」




え、無視?


いやいや、先生なんだからあいさつぐらいしなさいよ。


りょーちゃんだって「え?無視?」って顔に出てるもん。


すると気萌井先生が私を見ていきなりにっこりと笑うと……………。


「おや?凛ちゃんではないですか!どぅふどぅふどぅふふふふ!おはようございます!」

 

(うっっっわ…………………………。)


あいさつをされた……………ただ当たり前のことをされただけなのに私は自分の体が震えているがわかる。


(きもい怖いきもい怖いきもい怖いきもい怖いきもい怖いきもい怖いきもい怖いきもい怖いきもい怖いきもい怖いきもい怖いきもい怖いきもい怖い………………。)





なんでりょーちゃんには無視だったのに私にはあいさつするの?


なんで私をちゃん呼びで言うの?


なんでそんなに気持ち悪い笑い方をするの?





この時感じた素直な思いだった。


だが私はあいさつを返してないことに気づいてすぐさま気萌井先生にあいさつをする……………若干顔が引き攣ったけれど。



「お、おはようございます」



あいさつして私たちはすぐさまクラス表のところへ向かう……………早くこの先生から離れたかったから。




………………………………………。



………………………………………。



………………………………………。



………………………………………。




……………………ん?…………………。




…………なんか気萌井先生がつけて来てるんだけど………………。



…………………うん。



…………………うん。





………………………いやなんでよ!!!???









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