帰宅して
……セント町を出て、ラーダ村への帰り道。行きと同じように、何匹かモンスターが襲ってきた。
やはり、空腹にはどんなおとなしい生き物も抗えないのか、よだれを垂らして襲ってきたものだ。全部、ヨルガが返り討ちにしていたが。
この辺りにいるモンスター相手であれば、ヨルガの実力でも充分に対処できる。コア系列のモンスターもいないし、魔物ももちろんいない。
「ヨッちゃん、お疲れ様ー」
「ヨッちゃんお疲れ」
「ヨッちゃん言うな!」
ラーダ村にたどり着き、変わらずにボディガードを務めてくれたヨルガを労う。本人は、どこか得意げだ。
帰ってきたことを、まずはヤタラさんに報告。一人で店番をしてくれていたんだからな。
「お帰り二人とも。どうじゃった?」
「うん、とっても楽しかったよ!」
「そうかいそうかい」
「アーロも、楽しかったかい?」
「楽しかった、ですけど……いいんですかそれで」
「いいんじゃよ」
楽しむことも今回の仕事のうち、だとヤタラさんは言う。そういうことであれば、間違いなく楽しかった。
俺であれば、道中のモンスターも問題ないし……一人で行き来も、可能だろうな。まあ、それほど自由に使える時間がいつあるかは、わからないが。
俺たちが留守にしている間、特に忙しいことはなかったらしい。ヤタラさんがそう言っているだけで、ベテランだから本人がそう言っているだけかもしれないが。
「はい、これがダガさんとこで貰ってきたものだよ」
「おぉ、なかなかに多くあるのぅ」
ダガさんのところで、貰ってきたもの。野菜の種などだ。代わりにこちらからもダガさんのところにあげたものもあり、それぞれ必要なものを交換していった形だ。
こうした、隣同士の交流……昔を思い出すな。ディアのいた隣村との交流。
もっとも、俺は隣村に行ったことはないし、ディアがちょくちょく来ていただけなんだが。
「それにしても、ヨルガは頼りになりますね」
「ほほ、あれくらいしか役に立たんからのぅ」
なかなかに辛辣なお言葉だ。孫娘のボディガードとして毎回お付きを頼んでいるというのに、容赦がない。
言われて、考えてみるが……ヨルガは、武術に長けてはいるようだが、商売事は向いてなさそうだもんな。それに、ヨルガが村でなにをやっているのかも、実は知らないし。
まあ、興味ないっちゃあないんだけど。
「ヨッちゃんは、実家が薬屋さんなので、そこを手伝っているみたいですよ」
「薬屋か……似合わないな」
薬を作り、もしくは売っているヨルガ……想像してみたが、なるほど似合わない。なんか、笑顔を浮かべても嘘くさく見えてしまう。
そのヨルガは、実家に戻っている。いつも、エフィを送り届けるだけしてさっさと帰ってしまうのだという。
まったく、紳士ぶりよってからに。
「アーロも、家で少し休んできていいんじゃぞ?」
「いえ、俺は大丈夫です」
道中モンスターを追い払ってくれたのはヨルガだし、ポニーに乗っていただけなのであまり疲れてはいない。
今回俺は文字通りついていっただけなので、むしろエフィの方こそ休んでもらっていいと思う。一人でも、店番ができるくらいにはなったし。
しかし、エフィもエフィで自分は大丈夫だと、答える。
「私も、元気だから。おじいちゃんこそ休んで。一日任せちゃってごめんね」
「いいんじゃよこれくらいは。じゃ、少し休ませてもらおうかの」
ヤタラさんは見た目は元気だが、それでも一人で一日店番は堪えたようだ。一人での店番はなかなかキツいところがあるからな。
その後、ダガさんたちから貰ったものを整理し、一段落ついたところで店番に。少し時間が空けば、早速貰った種を植えてみようと話した。
ここの土地は植物や野菜が育つのにいいらしいし……なにができるのか、楽しみだ。
ここまで読んで下さり、ありがとうございます!
もし面白い、続きが見たいと感じてもらえたなら、下の評価やブックマークを貰えるとテンション上がります!




