~氷嬢の計画と土ノ国~
ライミラは行くところがなくとりあえず旅に同行することになった。
ただ、飛翔の中に疑惑が残ったまま旅を進めることとなってしまった。
そして、次の街【土ノ国】に着くとリオンとライが異変に気づいた。
「あれ?弓咲・・・・・は?」
「さっきまで後ろに居たはず・・・・」
その2人の言葉を聞き飛翔は弓咲が裏切り者だったことをようやく理解した。
「やっぱり・・・・・」
「飛翔・・・・」
「信じたくわないが、真実みたいだな。次、あいつと出会うときは【敵】だ」
「ですね・・・・・」
そう飛翔は悲しそうに神怜と弓咲について話した。
それを後ろから飛翔と神怜の話を聞いていたリオン達は飛翔に聞いた。
「どういうことだ?」
「弓咲のことか?」
「師匠が裏切り者なわけ・・・・・」
ライが真実に目を向けれずに膝から崩れ落ちた。
「ライ!!」
リオンが崩れ落ちたライを抱え込んだ。
ライはリオンに抱え込まれるとそのまま意識を失った。
「本当にコイツは弓咲のことを慕っていたんだな・・・・・で?飛翔お前は根拠なく弓咲を疑ったわけじゃないんだろ?」
「もちろんだ」
「根拠は?」
「ライミラの中に今、心臓が【ある】ということだ」
リオンはライミラに近づき左胸に手を当てた。
「こいつは元々人とは反対の胸に心の蔵を持つ者だっただから俺が左ではなく右の胸を刺しただが心臓には刺さらず胸から血だけが溢れ出してきたその血も血糊で偽物だった・・・・・。そして本当に心臓を元の位置に戻せるのは俺が治療を頼んだ【弓咲】ただ一人そういう結論だ。だからといって俺は追いかけない・・・・・・・弓咲が決めた結論だからもう変えられない」
そういった飛翔の目は何かを決意し何か大切なものをもう一つ失ったような哀愁漂う雰囲気が出ていた。
「飛翔・・・・・・・」
「それじゃ行こうぜ・・・・」
「そうですね・・・・・」
飛翔は先頭に立ち神怜はライミラを背負い、リオンはライを抱え【土ノ国】に入国した。
入国して少し歩いたところでイカツイ男達に止められた。
「お前たち・・・・・この街のものではないな?」
「えぇ・・・・そうですが」
「では、早急に立ち去れ!!姫が腹を空かし皆を喰うてしまわぬ前に・・・・・・」
「く・・・・・喰う?」
その言葉を聞き飛翔たちは互いに顔を見合わせまた新たな事件に巻き込まれてしまったと勘付いた。
一方その頃、妃叶は宝生と音無と大量の本と共に資料室にある見知らぬ地下室に落ちてしまっていた。
「いてててててて・・・・・・・ここは?」
「大丈夫ですか妃叶様?ここは地下のようですね・・・・流石に私もここには来たことはありません・・・・・」
「ここは実験室ですよ。あなたたちが知りたがっていたシャドーナンバーが作られた場所というのがこの場所なのです」
そこは、どこかの地下トンネルのようでとてもいい部屋とは言えないがとても詳しくはないが触ってはいけないであろう機材が数え切れないくらい置いてあることぐらいは宝生と妃叶には一目見てわかった。
「で?そのシャドーナンバーは?」
「見せるはずないでしょう?本物の王に見せるならまだしも、コピーになんか見せるはず無いでしょ?」
そう音無は妃叶に言うと妃叶は驚いた顔を見せた。
「あんた・・・・・知ってたわけ?」
「知ってるもなにも・・・・僕は第一帝王ですよ?王の裏の家系に生まれ王を支え続けた者ですよ?王は知らなくても僕はこの件に関して全て知っています、あなたはただ単なる囮の王であなたはただの大藤飛翔の妹だと・・・・・知っていますよ?」
それを初めて聞いた宝生は驚きの顔を隠せなかった。
「えっ!でも文献はこいつが王と書いていたけど・・・・・文献まで塗り替えられてるのか?」
「そこまで出来るのが大財閥の力だよ~宝生ちゃん?」
「くっ・・・・・・私は所詮囮・・・・・・なのよ・・・・・」
「妃叶様・・・・・」
すると、地上からなんだか音無を呼ぶ声がした。
「ん?誰か私を呼ばなかったか?」
「何でこんな時に呼ばなあかんのよ・・・・・」
すると、上から彩架と一緒に見覚えのない短い着物の女が降りてきた。
「なら・・・・うちならいいんですか?第一帝王はん?」
「あなたは!!」
「申し遅れました・・・・シャドーナンバーの時はお世話になりました。ちゃんと逢うのは初めてですね?私こそが・・・・・許嫁No.5弓咲改め、許嫁No.100氷澪ですよろしゅう。」
「初めまして・・・・あなたが許嫁の王でしたか・・・・」
弓咲は改めて自分の本当の名前氷澪を名乗ると音無が会いたかったかのような顔をした。
「で?教えてくれんのか?」
「もちろん・・・・・あなたを支えるのがわたくし音無家の役目ですから・・・」
そう言い実験室のさらに奥の部屋へ音無は急いで何かを取りに行った。
そして何分かすると何かをとって戻ってきた。
「シャドーナンバーの取り扱い説明書です。大藤飛翔・・・・・いや闘神ガガリオスの力を受け継ぐ者に勝つにはこいつを使うか君が倒すかしかないんですよ・・・・・」
「神?そんなん知りまへんわー神がついてようがうちは闘うよ?飛翔と・・・・うちな、飛翔の思うてること反対なんや」
「反対?」
「そう、飛翔はな【世界がみんな仲良しになって戦いがなくなればいい・・・・・】なんて思ってる」
「そんなこと・・・・・」
「でもうちはな・・・・【世界が戦争で荒れ狂う世界でありますように・・・・・】なんか思うてる・・・・そんなうちには闘神は降りてこうへんかった・・・・・・」
(ドンッ!!)
「どういうことやねん!!」
そう言って周りにあるものをどんどん叩き氷澪は荒れ始めた。
「うちと・・・・飛翔の・・・・・何が・・・・違うねん・・・・・」
暴れまわった氷澪を見て宝生は飛翔と氷澪の違いを見抜いていた。
氷澪に入れ込んでいるほかの人たちにはわからない第三者としての目を持つ宝生だけが見抜いていたのかもしれない・・・・・・・・。
だが今確かに言えるのは氷澪にも闘神ではない別の禍々しい雰囲気を醸し出す神様が憑いていることだけ宝生には見えていた。




