19/19
エピローグ 約束は果たされず
何時間そこに居ただろう。
凛が去った後も、美代はその場を動けずにいた。
しゃがみ込んでは泣いてみたり、立ち上がって凛を追おうとしてみたり。
でも結局、この場所から去れなかった。
そう。
約束したから。またここで会おうと。
約束は果たされなかった。
凛はここには来ていない。まだ、来ていないんだと、美代は思った。
次第に夕焼けが美代を包み、夜の帳が下り、夜が白み始めた。
美代の頬を涙が撫でる。
もうそれを掬ってくれる人はいない。
そう、居ないのだ。
あの日以来の朝焼けに包まれながら、空虚な気持ちで美代は帰路についた。
結局、死ねなかったな、と思いながら。




