Heading for growth!
2つの世界が繋がった翌日。夏休みも終わりに近づいてきた頃。
「どう?着心地は悪くない?」
「むしろ良いです!ありがとうございます!」
カルデはミナたちが休憩を取っている間にミナ、フリスタ、ヘルの装備の点検に加え、ヘルの防備を完成させていた。
「それならよかったわ!」
「じゃあ早速行ってきます!」
「うん、気を付けてねー。」
ヘルは第二層の森、ミナたちとユギンが出会った場所に向かうとステータス上げを始めた。
「そういえば2人でクエストは久しぶりだね!」
「そうだね。あの時はこのクエストも苦戦してたけど今はなんか作業だね……」
ミナたちが受けていたクエストはお金集めだった。目的はミナのスキル確保だった。基本的に今のミナに一対一で勝てるプレイヤーは少ない。ただミナには大きな弱点がある。それは連戦だった。天闇龍の装備ではスキルは強力であるが1日1回しか使用できない上に代償もでかい。多少の時間経過の連戦ならまだしも、次から次にやってくるような連戦の場合ミナは耐えようがない。そのためミナは、もう一つの装備でもある程度戦えるようにするために励んでいるのだ。フリスタはその手伝いをしていた。
「ふぅ、これだけ集まれば基本的なやつは買えると思うよ。」
「ありがとう、お礼は今度絶対にするから!」
「うん、待ってるね。」
ある程度の金額に達したところでミナはスキルショップへと向かう。
「うーん、いっぱいあってどれが基本なのか分からないなー…」
こんなことなら同じ役職のユギンかレヴンにも付き添ってもらえばよかったとミナは思う。
「出直そうかなー、でもどうせなら早く使いたいし……ん?」
ミナの目に留まったスキル。それを手に取り詳細を確認すると迷わずそれを購入する。
「うーん、どうしよう。」
フリスタは第三層であるダンジョンを見つけていた。ある程度のスキルが集まった自分に必要なのはスキルを使いこなす実力と考え、練習を積みに来ていたのだが、気がつくとダンジョンの前に到達していたのだ。
「せっかくだし入ってみようかな。」
フリスタは足を踏み入れる。モンスターは少ないが一体一体が強力で苦戦する。それから10体ほど倒したところでボス部屋と思われる扉が見える。
「MPは切れないけど火力が出ない分きついな。ボス戦集中力持てばいいけど…」
扉を開け中に入る。
「え?」
中にいたのは完全に杖を持った人の形をしたものでモンスターと呼べるものではなかった。しかし今は考え込む余裕はない。その杖から放たれる謎の黒い煙はフリスタに向かう。
「ワープゲート!幻影!」
相手の背後へと回り込み、分身する。
「「グラビティ!キャノン!」」
2人のフリスタによる超重量の拘束と高火力の閃光。白い光が収まるとそこに人の形をした何かは見えなくなっていた。




