Large-scale capture!part.1
「一応確認するね。ミナちゃんとフリスタちゃんは仮ミカエルと仮サタン、残りは周囲のやつらって感じ。あとミナちゃんは合図するまで天闇龍関係は使わないようにね。」
「はい!」
因みに仮ミカエルというのはフリスタたちの世界で発見されたミカエルのような姿をしたリーダー格のNPCのことである。反対にミナたちの世界にも同じようなリーダー格のNPCを仮サタンと呼ぶことにした。
「それじゃあ今日でクリアできるように、レッツゴー!」
メルの合図でそれぞれが行動に移る。まずはミナとフリスタ。フリスタは【グラビティ】によって仮ミカエルを地に落とす。そして残り一本の杖で別の【グラビティ】を発生させ仮サタンも地に落とす。ミナは装備を切り替え【断頭】でその二体にダメージを蓄積させる。その間残るメンバーは周囲のNPCたちを2人に近づけさせないために戦う。
「【崩壊ノ閃光】が使えないのは厳しいな。もう一つの装備にしたいところでもあるけど大人数相手にはまだ使えないからな。その点ユギンはやりやすそうだな。」
レヴンの予想通りユギンは【霧刃】によってかなりの数を同時に相手にしていた。とは言えその間自身は生身で攻撃を躱し続ける必要があるため楽ではなかった。残るメンバーも順調に作業を進める。唯一キサラだけは珍しく苦戦していた。理由は簡単で、彼は今まで一度も攻撃を避けたことがないからである。しかし、今回ばかりは避けなくてはならない理由があるため今まで一番苦戦していたのだ。そのまま90分ほど経過する。
「あとどれくらいかかるかな?」
「このままのペースならあと10分くらい。」
「私のMPもそろそろ切れそうだし、これ以上は効率悪くなるな……」
ミナは初めてMPの不便を感じていた。今この場にいるプレイヤーは代償が無いと同然だったりMPではなかったりと特殊なプレイヤーが集まるが、ほとんどのスキルは代償にMPを必要とする。にも関わらず、今までMPを必要とするスキルとはあまり接点がなかったミナにとって今の状況は辛いものだった。
「ミナ、ちょっと片方解くから上手く引き付けて。」
「えっ!?わ、分かった!」
急な言葉に動揺するが何か考えがある顔をするフリスタを見て、引きつけることに意識を向ける。
「よし、解除。ターン!」
その瞬間、ミナのMPが半分ほどにまで回復した。
「えっ?フリスタ今何したの!?」
突然のMPの回復にミナは驚きを隠せない。フリスタが使用した【ターン】は、対象のステータスを過去10分以内の好きな地点に戻すスキル。強力な効果を持つ反面、代償は半分のHPとMPの全てを費やす。しかしフリスタにMPの代償は通用しない。HP半分は防ぎようがないが、それだけでこれだけのスキルが使えるのなら文句はなかった。どちらかというと相手のステータスに対するバフを無効化するために使われるのが一般的だが、味方の回復にもよく使われる。
「話は後で、グラビティ!」
自由になっていた仮サタンの動きが再び封じられる。流されるままではあるもののミナは再び作業に取り掛かる。満タンではないとは言えそれなりに楽になり20分後、ひとまずの目標を達成する。




