閑話:とある男女と海と水着
「「あつ………」」
季節は8月。
紅葉と付き合い始めて数か月経った。
2人で買い物に出かけたものの、外が暑すぎて2人ともダウン寸前。
名古屋の夏は暑い。
気温も高いが、湿度も高いため、ジメジメとした暑さが体力を奪う。
スーパー近いけど、やっぱり真夏に外を出歩くと地獄ね…。
「やっぱり車買おうかな…」
「無駄遣い反対…って言いたけど、こうも暑いと考えるわね…」
昨日のうちに買い物済ませておけばよかったわね…。
それくらい暑い。
日が沈んだ夜なら幾分か暑さも和らぐ。
なんで土曜日の日中に行くことにしちゃったかな。
昨日の紅葉と私に伝えてあげたいよ…。
「こう暑いと食欲もね…」
「それね…。お昼どうしようか…?」
「さっぱり希望…」
「そうしますかねぇ…」
紅葉とぐったりしながらスーパーで買い物して帰宅した。
クーラーつけっぱでよかったわぁ…。
スーパー行くだけで汗だらけよ…。
その暑さのせいで紅葉がおかしいことを言い出したけど…。
おかしいのはいつもかな?
エロ魔人紅葉め…。
「本当に着るの…?」
「Yeah!」
翌週の恒例になったお泊り。
紅葉が先週お願いしてきた。
愛海の水着姿が見たいと。
最初は暑いから海に行こうという話になった。
だけど、スタイルに不安がある私はそれを拒否した。
お腹のお肉が…。胸はどうしようもないわ…。
私の水着姿を見たい紅葉とスタイルが不安だから絶対に海に行きたくない私。
行く!行かない!の話は平行線。
変態紅葉に私の水着は退けない理由みたいで、変態に疲れた私はとんでもないことを口にしてしまった。
家で着るだけならいいよ、と…。
「………」
「そんなに目を輝かせても…。うう~!」
紅葉はすでに水着に着替えて正座している。
家で水着ってどうなのよ…。
正座して目を輝かせて待っている紅葉。
バスタオルを外せば…。
それにしても紅葉は贅肉なんてない体してるわね。
なんかムカつく。
私はこんなに悩んでるのに!
「わくわく」
「なにがわくわくよ…。あー!もー!女は度胸よ!」
私は羽織っていたバスタオルを投げ捨てた。
「………」
「紅葉?」
私の水着姿を見た紅葉は何も喋らない。
何?私の醜い体に言葉もでないわけ?
ちゃんと処理したし!
贅肉以外は問題ないはず!
昔の水着だから今年の流行りとかじゃないけど…。
そもそも何も着てない私の姿何度も見てるよね?
「ええ…」
紅葉が正座から片足を立て、胸の前で手を組んだ。
何よ…。
「おお、神よ。神に感謝致します。私の愛海が人間から女神に昇華致しました。おお!神よ!このように美しい美の化身を現世に降臨なされたことを―――」
「ハウス」
「わふっ…」
いつもの紅葉でした。
いや、いつものってよりエロ魔人紅葉かな。
この変態…。
「満足した?それじゃ着替えるから」
「待てよ」
「ひゃっ!!?」
私が着替えるために紅葉に背を向けたら、紅葉が後ろから囁いてきた。
こんな時に低い声で耳元で囁かないで!
エロ紅葉の声はマズイんだからぁ…。
ちょっと!私はもう着替えるの!寝室に行かせてよ!
「どこ行くの?」
「ん…寝室…っ!」
「もう脱ぐの?」
「も…う…見たで…しょ…んっ」
「まだ見足りないな」
「んん~っ!」
このエロ魔人紅葉!
私の体をまさぐりながら耳元で囁いて…!
も~!キスしないでよ!
まだお昼にもなってないのに…。
「…やぁ」
「ホントに嫌?」
紅葉の手が私の体から離れる。
「………」
「愛海?」
「…嫌じゃない」
「なら大丈夫だね」
「ん~!!!」
エロ紅葉。
エロ魔人。
その後は言わなくてもわかるよね…。
これなら海に行った方がましだった…。
紅葉のエロスイッチ入っちゃうとダメ…。
流される私も悪いんだけどね…。
紅葉のバカ!!!




