7.自分だけのスキル。そして・・・?
ほんわかとした感覚にとらわれて、《ボー》としていたら。
「はい、ユウマさん。【真理眼】のスキルをお渡ししました。確認してみてください」
フィーナ様に言われたので確認することにした。
「ステータスチェック」
腕輪の水晶部分に触れてそう唱えた。
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~ステータス~
・ネーム:ユウマ
・性別:男
・種族:人族(かもしれない?)
・レベル:Lv.1
・クラス:―
・職業ジョブ:なし
・状態:すっごい健康
・身体能力値
HP(生命力) :950/950
MP(魔力) :800/800
SP(能力値) :‐‐‐
STR(強さ) :68
VIT(丈夫さ) :45
DEX(器用さ) :57
AGI(素早さ) :45
INT(賢さ) :82
MND(精神力) :58
LUK(運) :100
・装備品
防具:魔法衣のコート(魔法・物理防御50%UP)、神官の旅人服(全ステータス20%UP)、アミュレット(状態異常無効)
・アイテムボックス:(3/10)
・スキルストレージ:(12/30)
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・
スキルストレージが(12/30)と表示が変わっているが、内容が分からないので解析を使用してみたが。
『【超級解析】解析を実行します。スキルストレージの説明、使用できる個人のスキルを保持できる。保有できる数は、現在30個、現在保持、使用しているスキル数は、11個である』
首をかかげ不思議に思っていると、
「あっ!ごめんなさい。ステータスを開いたら、もう一度水晶にふれスキルチェックと唱えてください。アイテムも同様の動作で確認できますので」
フィーナ様が伝え忘れていたのに気が付きを操作方法を教えてくれた。
教えて貰った通り水晶に触れて「スキルチェック」と唱えた。
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~スキル~ (12/30)
・ユニークスキル:【真理眼】、【超加速】、【運命変換】、【時空魔法】
・レアスキル:【超級解析】、【念話術】、【能力覚醒】、【創生魔法】
・ノーマルスキル:【言語理解】、【魔力操作】、【身体強化】、【調理・料理】
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スキルを確認してみたら、確かに先程の【真理眼】はユニークスキルの中にあるのだが、他にも2つユニークスキルがあり、レアスキルとノーマルスキルにも何かとんでもないスキルがあった。なので、フィーナ様に尋ねてみた。
「あのぉ、フィーナ様、頂いたスキルなんですが、特にユニークスキルを3つも頂いてよろしいのですか? 見ただけで何か非常にすごいように思えるのですけど」
フィーナ様がユウマのそばに来てスキルを確認した。そして、驚いた表情をしていた。
「うわぁ、なんですかこれ、すごいですね、ユウマさん。 【真理眼】 以外は、私が差し上げたユニークスキルでは無いですね。 恐らく過去にユウマさんが、何らかの方法で取得していたスキルじゃないですかね? 【運命変換】は、召喚前に行った行為の影響がありますね。 他に関してもなんらかの方法で取得していますね。 心当たりありませんか?」
「いえ、何にも覚えが・・・!?あっ、そう言えば」
ユウマは、今回ここに来た時に、時間が止まったような感覚を体験したのを思い出した。
「何か心当たりがありましたか?」
「あっ、いえ、おそらく勘違いだと思います」
あの時の感覚が関係あるかどうかは解らない、それになぜこのような能力を授かったのかは、今考えても仕方ないので深く考えない様にした。
この能力に関しては、フィーナ様曰く、どうやら俺の地球での行いが関係しているらしい。そのことが解ったので、もう一度スキルをみて、個々の能力を確認しようとしていると。
「まってください!確認はまた後で行ってください。 まだ魔法を授けてませんので、それと他にも差し上げる物がありますから?それに他のスキルに関しては、いずれ解ると思いますから」
フィーナ様にそう言われたので、姿勢を正してから続きを聞くようにした。
「まずは魔法ですが、ユウマさんの基本属性は聖属性と風属性なので、その二つを基本に初期魔法を差し上げます。それと無属性の初期魔法と生活魔法も差し上げますね」
「えっ! そんなに貰って良いのですか?」
「はい、不思議とユウマさんの基本属性の他にも複数の属性をお持ちになっていますので、それにすごい魔力を多量に保持していますから、通常ならLv.1の初期値ではMP:100前後なのですが・・・。異常に高い魔力を持っています。それに他の数値もハッキリ言って異常に高い数値になっています」
おっと、ここに来て俺って結構すごいステータス数値のようだ。 ただ、基本が今のところMP以外は、ハッキリ言って解らないし、どれだけすごいのかは解らない。
「それでは、とりあえず初期魔法を、まずは無属性の【能力向上】と聖属性の【軽度治療】、風属性の【風斬】と【風盾】を授けます。 あと生活魔法の【清浄】も差し上げます。 そして、この魔道書をお持ち下さい。 今は、まだ中身を確認できませんが、そのうち中を確認できるようになりますから」
魔法の伝授と一冊の魔道書を手渡してくれた。
魔道書は辞書みたいな本で、表紙にはなんて書いているのかまったく解らない。それに開かないときた。 なるほど、これはまだ俺には読む事が出来ないと言う事みたいだ。
それには納得でき、本を触りながら確認していると、魔道書が勝手にアイテムボックス内に収納された。
それと同時くらいにフィーナ様がこっちらに来てと、手を引きながら個室の扉を開け・・・!?
てっ、そこに扉があったのか?
その扉をくぐるとそこには、広い空間の中央の一箇所に、魔法陣の書かれた床があり、その魔法陣の上までフィーナ様に手を引かれてその場所につれていかれた。
そして、その魔法陣の中心に立たされてから、そこで待機してくださいと言われた。
なので、じっと立った状態でフィーナ様が、今から行うであろう儀式をじっと見てまった。
「魔法の伝授はすべて終わりましたので、そんなに畏まらないでいいですよ」
くるりと、振り返りながらフィーナ様が笑顔を見せて語りかけてきた。
「え!いつ伝授が終ったんですか?」
疑問に思い確かめるために尋ねた。
「はい、ユウマさんの手を引いてこちらの魔法陣に来るまでに、すべての伝授は終わりましたよ」
??ならこの魔法陣は、なんだろう?
そう思っていると、
「あれ!ユウ兄」
未菜ちゃんに声をかけられてから、次々と別々の個室にいたであろう5人が、次々と5人のフィーナさま?に連れ出されてきた。
「あっ!先輩だー」
「あっ、ミナ姉、リン姉、ユウ兄」
「ユウ兄様、みんなぁ」
「あっ!みなさん、ここはどこですか?」
みんな思い思い声をかけて魔法陣の中央に集まった。
「それでは、皆様最後の魔法の伝授が終わりました。それでは、そこに書かれている転移門の魔法陣のうえに集まってください。あっ、それとですね、皆様のお名前の件ですが無効では漢字での表現はありません。なのでステータスで表示されていた名前をしようしてください」
そう説明している間に6人いたフィーナさまが、1人に融合してみんなに魔法陣の上に集まる様に指示をだし、そして今後の俺達の名前についての説明をした。
それから全員がフィーナ様の指示を聞き、魔法陣の上に集まったのを確認してから、
「転移が終わってアーストリアに着いてたら、もう一度ステータス確認を行ってください。 それと、何かと必要と思いますので多少のお金とアイテムも転移と同時に与えます。 あと、転移が完了したら冒険者ギルドで冒険者登録を忘れずに、そして職業ジョブを選んでくださいね。 色々と役に立つと思いますので」
最後に、色々と教えて貰い、フィーナ様がみんなに笑顔で手を振りながら。
「それでは、皆様の今後の人生の安息と良い未来を願いまして、私からの最後の挨拶と加護を授けてお別れとなります。 そして、今後のアーストリアをよろしくお願いします」
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床の上の魔法陣が、まばゆく光だし体に浮遊感を覚えた。その次の瞬間俺たち6人は、魔法陣の上 から消えていなくなった。
それを確認した女神フィーナ様は、もの思いにふけて誰に語るでもなく独り言を漏らした。
「桜花 ユウマさん。彼はとても不思議な方でしたね。 私の与えたもの以外にも、すごい能力がありました。 もともと素質があったのかは解りませんでしたけど、いろんな能力を持っているようですね。 まだ、発現はしていませんでしたけど・・・。 でも今後色々楽しい事と嬉しい事がおきるかも知れませんね。 また、お話したいですね♪」
そうフィーナ様の、この言葉が違う意味で直ぐに叶うとは、女神フィーナ様本人でも解らなかったと思う。
そして、ユウマ達、転移者達の冒険が始まる?・・・かどうかは、本人達しだいである