8.異世界転移・・・ここ何所?
転移の魔法陣のうえにのり、フィーナ様がなにかしらの呪文を詠唱した。その詠唱が終わったと同時くらいに《ブォーーーン》と、音を立てながら魔法陣が淡く光り輝き出し俺たち6人の身体が浮かび上がりだした。
そして、女神フィーナ様が俺達みんなに向けて言葉をかけてきた。
「・・・・・・アーストリアをよろしくお願いします」
最初の方が聞き取り難かったが、今から転移するであろう異世界を、よろしくと言っていたのを聞き取った。 それと同時くらいに《フォン・・シュンッッ!?》と、一瞬のうちに光に包まれて、魔法陣の上から姿を消した。
魔法陣の上から消え去り、光と闇の空間を浮遊し流され移動中に、突然みんなの身体が薄く光に包まれてその場から消えた。
しかし、一番後ろにいたユウマの身体の回りにだけは、青白い光が纏わり付きその光に包まれていた。 そしてみんなが消えたと同時ぐらいに・・・目の前が一瞬のうちに光に包まれそのまぶしさに耐えられず目を閉じてしまっていた。 ・・・・・・《すたっ》と大地に足を下ろし、恐る恐る目を開けた先には・・・雲ひとつない青い空が頭上に開けていた。
が?
「あれ、みんなは? てかっ、ここどこだ?・・・・」
大地に足を付き、空を見てから周りを見渡したところ・・・・周りには人っ子ひとりいないと思ったら未菜ちゃんが必死に、俺に抱きついたいた。
この子は、いつの間に・・・・。
それで改めて周りを見渡したが、やはり俺達いがい誰もいない場所で、それに一緒に転移したはずの他の子達の姿も見えない状態だった。
そして、ユウマの降り立った場所は、後方には森が広がり、目の前には草原と丘があるだけの場所だった。
「どうなってんの?それに未菜ちゃん。そろそろ離れない動けないんだけど?」
「ふへっ、あっ、ごめんユウ兄。あれっ、みんなは?」
「いや、俺達以外誰もいない。それにここどこだろうね?」
「へっ、あれ、なにここ?」
2人で不思議に思っていると、どこからか音が鳴っていた。
《ピロピロリン、・・・ピロピロリン》
その音はどうもフィーナ様から貰った腕輪と俺の頭の中で鳴っているようで、しかも腕輪の水晶部分が青く点滅している事にも気が付いた。不思議に思いその水晶部分に触れてみた。
すると、目の前にステータスを確認した時のような、半透明の薄青色のスクリーンが目の前に映しだされた。そしてそこにはフィーナ様より【遠心通話】の持ち主であるフィーナ様の声が頭の中で響いた。
『あっ、ユウマさん、私です。わたし。フィーナです。女神フィーナです。えっと、なんていいますか? その、なぜだかあなただけが違う場所に転移されたみたいなんです』
何故かすごく慌てていた様で、今の状況を教えてくれた。
「えっ、どう言うことですか、俺達だけ違う場所って?」
今の状況は良く解らないが声に出して聞いてみた。
「ねえ、どうしたのユウ兄。何かあったの誰かと喋ってるみたいだけど?」
あれ、でもここには未菜ちゃんもいるのに、今のフィーナ様の言葉だと・・・?
「あの、フィーナ様。どういう事ですか? それに実は俺だけじゃないみたいなのですけど」
未菜ちゃんの声で、冷静になりとりあえず状況を説明した。
『えっ、ホントですか、でも、どうして?・・・なぜ、未菜さんまで、それじゃあますます、不思議ですね。あのですね、先程も言いましたが、どうもあなたたちだけ違う場所に転移されたみたいなんです』
「えっ、なんで俺達だけが、違う場所に・・・?」
「ねぇ、ねぇ、ユウ兄ぃ。フィーナ様となに話してるの?私も聴きたい」
『あっ、すいません。このことを説明するのを忘れてました。これは【遠心通話】と言いまして、まあ、【念話】のスキルと同じ要領で会話してもらえれば通話可能です。それに【聴取】を使用して頂ければ聴きとれます。それを試してみて下さい』
『なるほど、【念話】のスキルと同じ要領ですね。それと【聴取】を使えばか、それじゃあそのように・・・じゃ無くてどういう状況で、俺だけ違う場所に転移なんですか?』
『えっと、とりあえず未菜さんにも聞いてもらいたいのでスキルを2人とも使用して下さい。すいませんがユウマさん未菜さんにも教えてやって下さい。そうしないと聞き取れないと思いますので』
なるほど、とりあえず未菜ちゃんにも教えてやらないといけないのか・・・。
「未菜ちゃん、スキルの中に【念話】ってある?」
「ふえっ、【念話】?ちょっとまって・・・・!?おおっ、うん、あるよユウ兄」
「その【念話】で今度は【聴取】ってあるかな?」
「うん、あるよこれがどうしたの?・・・あっ、ユウ兄の名前が点滅してる。これを選ぶんだね」
ありゃま、全部説明する前に、もう把握してるよこの子・・・。まあ、いっかっ、細かく説明する必要がなくなったから。
『フィーナ様、準備できましたよ。説明をお願いします』
『およよっ、すごい!喋ってないのによく聞こえるよ。ユウ兄』
『あの、未菜ちゃん。ちょっと黙ってようね』
「あっ」と言葉を出した後、ごめんなさいと謝ってきたので頭を撫でて再びフィーナ様の話を聞くようにした。
『ふふふっふ、えっと、ですね。あなたたちを魔法陣から転移する際に、なぜかユウマさんにだけ何らかの力が働きまして、あなたたちだけが何故かシルフォード領域の外れにある。深緑の森付近に転移してしまったみたいです。ユウマさんは転移の時に何か感じませんでしたか?』
どうやら転移のときに、何らかの力の干渉があったようで、その事をフィーナ様が尋ねてきた。
そこでユウマは、いったん考えてから何も無かったと思っていたが?
『あっ、そういえば・・・。変な空間を移動してる時に、みんなの違って俺だけが青白い光に包まれた、くらいですかね』
『うん、うん、あの時ユウ兄の身体が青白く光ってたよ。私も見たもん。で、私はそんなユウ兄抱きついたの」
『・・・あっ、そっ、それですねきっと、おそらくその光が原因ですね、精霊かそれなりに力のある者の仕業だと思うのですが。もしかしたらあなたに助けを求めたか、なにかをお願いをするつもりだったのだと思います。でも、なぜですかねっ?まだ、アーストリアの大地に足も下ろしていない相手に救いを求めるなんて?』
どうやら違う場所に転移されたのは、力のある他の者が何らかの事情によるものだと教えてくれた。 だが、見ず知らずの者に助けを求めるはずが無いとも答えていた。
まあ、下り立つ場所が違う場所になったのはしかたないと思う。 なので元々下り立つ場所にもう一度転移してもうことにした。
『まあ、ここに転移してしまったのなら仕方無いですね。それじゃあ、すいません。みんなと同じ場所に再度転移してもらえますか?』
とりあえず、みんなのところに戻れればいいやと思い。そこに戻してもらえるようにお願いした。
『すみません、ユウマさん。そこには転移のための魔法陣が無いので、再度特定の位置に転移させることができません。ただ、あなたのいるその場所から、えっと、そうですね地球で言うところの、約一週間ほど西に行ったところに街があります。それで、そこには今はもう使われていない転移門の跡があるはずなので、そこに触れて私に連絡してください。そしたら、みなさまのいますシルフォードの城下町の転移門に転移させますので』
なるほど、一週間ほど西に・・・へっ、そこまで行かないと駄目なのか? どうしよう・・・俺達、大丈夫かな生きていけるかな? 何より西ってどっちの方角だ。目印とかないし、おまけに異世界だし地球での常識は通用するのか?
俺が色々考え悩んでいると、不意にフィーナ様が語りかけてきた。
『あのー、ユウマさん悩んでいるところ悪いのですが、もうすこし私の話を聞いてもらえないでしょうか?』
どうやら考えに夢中で、フィーナ様の話をスルーしていた。
さすがにそのユウマの様子を見ていた未菜ちゃんが呆れていた。




