表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/10

死にやがりの俺、奇跡を起こして

──これは、100の願いを叶えた少女の人生の記録である。


暑い日差しが主張される、夏のある日。

俺は、小鳥遊 樹(たかなしいつき)

後に”ルイナ”と呼ばれる。


そんな俺は─病室のベットの上。

別に慣れっこだ。誰かを羨む真似も、気力ももうない。

少し前に思い立って、俺みたいなヤツが出てくる小説には、()()()()()()()()()を作っていたから、作ってみたはいいのだが。


「なるほどな、で...この量はどうなってんだよ!?」

見舞いに来てくれた親友に酷く驚かれた。それも必然、思いつく限りで書いたはずなのだが、気づいた時には100個書いていたのだ。


「正直俺も、そんな書けるとは思ってなかったんだよ。」

「まぁ、いいんじゃね?これからやってけばいいしな!」

親友は、太陽のように眩しい笑顔をする。

俺なんて幽霊の真似事のみたいな顔しか出来ない。


本当は、親友が羨ましかったかもしれない。


──結論から言うと、間もなく俺は死にやがった。

容態が急変した。抗う術もない不治の病。

絶望的な不運、としか今の俺には言えない。


俺の最後に見たのは、雨に濡れる親友の顔。

最後くらい、弱音を吐いたっていいと思った。


俺は まだ 、


死にたくない、死にたくない、死にたくない!!


やりたいことリスト(希望)一つも叶わず。


終われない、終われない、終われない!!


何が、神様だ?何が、希望だ?


「また、やり直せばいいじゃないか。」

聞き覚えがない声だった。世間的に言えば、萌え声。

きゅるきゅるのマスコットキャラクターの声優さんが、

近くにいるんじゃないかと錯覚する程に。


目を閉じて、よく聞こうとしたけれど。

──先に俺の人生が、ここで終わったんだ。



はずだった。




異世界転生しない限りは。


「おはよう、いい夢は見れたかな?」

目を開けた先には...黒い、変な奴がいた。


俺は、目を白黒させながら5度見くらいしてしまった。

「え?あ?へ?ふ?ん??」

──「誰だお前!!!!!」


咄嗟に立ち上がって、距離を置いた。心臓がうるさい程に、鼓動している。黒猫は、不思議そうに見つめてきた。

何かを思い出したのか、声をあげる。


「人間の間では、自己紹介が基本だったね。」

「すっかり忘れていたよ、ごめんね?」

「いやそう言う意味じゃねーよ!」


死ぬ前に、「魔法少女にならないか?」とか言ってくるマスコットアニメを見ていたのだ。

ビジュアルから、そう容易に想像してしまう。

それでも、黒猫はお構いなしに。


「ボクはキセキ。君の生きる渇望で、長い眠りから復活を果たしたんだ。」

「君の言うところの、やりたいことリスト(希望)さ。」

悪寒が走り、声が詰まる。声が、出ない。


そうだ、何も出来ずに死んだ。

死にやがりの、俺。


「正直キセキは、君に感謝してるんだ。」

「だからこうやって、チャンスをあげた。」

「もう一度、やり直さないかい?」

その言葉で、我に返った。


柔らかく香る花の数々、肌で感じるそよ風。

花園の上に、俺はいる。

もう狭い病室の上じゃない。

体が尋常じゃない程、軽い。

どこまでだって、飛んで行けそうだった。


「...俺は、やり直したい。」

自然と、口に言葉に出ていた。もし、やり直せたなら?

もし、それが異世界だったら。

こんなのロマンしか、ないだろう。


「いいね、その選択。”逃げない選択”。」

「キセキは、君の案内人になるよ。」

黒猫は両目を閉じ、静かに笑う。

まるでこうなることが分かってた口ぶりだ。


「その前に、君の名前も教えてよ。」

「呼び名がないと、キセキ困るしさ。」

「俺はイツキ...」

「それは君の前世の名前、”やり直す”でしょ?」

俺の唯一の呼び名に、ダメ出しを喰らった。

キセキが言うことにも一理あるのだが、新しい名前をいきなり考えろというのも中々難しい。


──ネーミングセンスにおいては絶望的だった。

人に名付けできる両親は、俺にとっては尊敬対象。

小さな頃に飼っていたカブトムシに

ベイクドモチョチョ2世と名付けようとしたことがある。

全員に却下された苦い思い出だ。


キセキは、退屈そうに毛繕いしている。


どうにかいい名前はないだろうかと頭をフル活用する。

「こーゆーのは、先駆者から習えってやつだな」

ゲーム、アニメなどから取るのが1番後悔しないと結論づけた。俺が、最後に遊んだゲーム。


──「俺の名前は、”ルイナ”だ。」

「ルイナ、新たな旅路にピッタリだね!」

答えをきいたキセキは、ゆっくりと先導しながら歩き出した。


慌ててルイナも追いかけるが、歩くのも久々な故に足元がおぼついてしまう。幸いなことに靴は履いていて。

地面を踏み込む感覚が、こうなんとも言えないのだ。


「ちなみに、魔法少女になったりだとかは..?」

「魔法少女にはならないよ??」

即答、少し被害妄想が過ぎたと反省した瞬間。






──「てか君もう、少女じゃないか。」


異世界にいつも俺は、驚かされる。






まずは、クリックしていただきありがとうございました!


一つだけ伝えたいことがあります。

異世界とは、現実の日常とかけ離れた別世界。

チートを駆使し、勇者となるもよし。

地道に成り上がり、名声を浴びるのもまた趣があると思います。

この世界はどうなのか、あなた様の目で見届けてくれると嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ