7話 わたしも、全力で王国を守る!
「勝手に危ない魔物に近づいて」
「…」
「勝手に視界から消えて」
「…ごめんなさい」
ルミシアは正座しているあさひを見てる。
「今回は許してあげるわ。でも次があったらお仕置きするね」
「はい」
「私の目をちゃんと見てなさい」
と、手のひらであさひの顔を挟んで、あさひを自分に注視させられて、
「一人で行動しないで。初めて見たものは大人に任せて、勝手に近づいちゃダメ。わかった?約束できる?」
そして、優しい保護者みたいな真剣な態度であさひにこう質問する。
「…わかりました。ごめんなさい」
「よろし」
お尻丸出し露出狂みたいな鎧を着てる女のくせに偉い大人の口調で喋ってるね。目の前のビキニ鎧エルフたちを見て、ルナは強い不協和感を感じた。
「じゃあ次は、そこのドラゴン」
「ルナだ」
「ドラゴンがあさひちゃんに会いに来る理由はなんだ?あさひちゃんは貴様のことがなかなか好きそうだが、敵意があれば私は貴様を倒すね」
「敵意なんてねぇよ。見ればわかるだろう?あたしはあさひの仲間だぞ」
「仲間だと?貴様、王国に危害しないよね?」
「しねぇ。あたしは王国側寄りのドラゴンんだ」
「わかった、貴様を信じよう。だが王国は自分で自分を守れる。帝国を撃退する力があるから、ドラゴンの力なんて要らないわ」
「ルミシア団長だっけ?」
ルナはルミシアを説得するつもりがない。
「あたしは王国の噂を色々覚えてる。だからこそ、お前に警告を出したい」
ただ、平然とした口調でルミシアに、
「帝国は危ないんだ。帝国は良識がねぇんだ。帝国は命を賭けないと倒せない相手だ。帝国をなめるな。さもないと、亡国するぞ」
「最強の私を含めて王国の領主たちは全員優秀だ。心配ではいらない。貴様こそ、王国をなめないでな」
「…」
予想通りだが、話にならない。王国の女はいつか自分の愚かによって自滅する、これは運命だね。
ルナは帝國の悪意に負けたくない。なるべくなら王国を守ってみたい。しかし警告まで無視された以上、ルナは王国と共闘できない。
「…わかった。離れる。あたしが住める岩盤山を探しに行く」
「ああ。王国に敵意がないのなら、王国はいつでも貴様のことを受け入れる。覚えてなさいな、ドラゴン」
とにかく帝国を観測できる場所に行こう。と思って、ルナは翼を開けて空へ行った。
「ドラゴンさんまたねー!」
あさひは、子供みたいな元気な口調でルナに、
「わたしも、全力で王国を守る!」
ルナにこう叫んだが、ルミシアにも聞こえる。
この無邪気な子がかわいいなー、ルミシアはこんな気持ちが芽生えた。
ドラゴンの警告を気にしない。ルミシアは、あさひ頭をなでなでしました。




