18話 動かないでね
地下一階には大きくない大理石浴場がある。王国の代表としてこの帝国の町に来たルミシアは、まずはここに入浴して、入浴が終わったら帝国の宰相と晩餐会を行う。
服を脱いで、ルミシアが静かな浴場に入った。
もちろん、あさひは後ろでついてる。
「お風呂だー!」
「ほら、暴れないで」
二匹の美しいエルフが浴場にいる。保護者なので、ルミシアは当たり前のようにあさひの手を繋いで、
「そこに座りなさい。身体を洗ってあげるわよ」
あさひにこう言った。
「…」
こう命令されたあさひは呆然としてルミシアに目を向けた。そして、
「はい!」
あさひはこう返事した。
こうして、ルミシアはあさひの身体をゴシゴシ洗い始めた。
エルフに転生したあさひは、自分の可愛さとセクシーさに自信がある。今日は、ここで、この華奢な身体に美しくて強いルミシア様を捧げたい。
「よし、いい子だ。このまま動かないでね」
椅子に座って、後ろにいるルミシアの優しい手が自分の身体をゴシゴシ洗っている。
柔らかい泡が体を包み込んで、温かい。
女の子は自分の身体をちゃんと守らなきゃならないが、あさひにとって正しい人がいれば身体を任せてもいい。ルミシアは、その正しい人でした。
深呼吸して、肌の隅々までルミシア様に洗わせる。ルミシア様の手の触感を感じて、あさひはこの幸せな時間を味わっている。
(大事な部位を初めて人に触せるドキドキは、こんな感じね)
10分かかって、ルミシアは赤ちゃんを洗うようにあさひの全身をゴシゴシ洗った。
足りない。
あさひは、大きな声で足りないと叫びたい。あさひは、ルミシアとさらに一つになりたい。「わたしもルミシア様の身体を洗いたい」と言いたい。身体をゴシゴシ洗うよりもっと親密な行為がやりたい。しかし、自分の手でルミシア様の聖なる身体を洗うなんて、恐縮しすぎて、あさひはそうする勇気がない。
「よし、終わりね。お風呂に入ろうか」
「ん!」
暖かい水の中に、二匹のエルフがいる。
ルミシア様の身体は相変わらず美しいねー。こう思って、あさひは今のうちにルミシアの身体を見つめながら様々なことを聞くことにした。
「ルミシア様ー」
「なに?」
「エルフって、どれくらい生きるの?」
「ずっとずっと生きていけるわ」
「じゃあわたしはみんなとずっとずっと一緒?」
「そう。ずっと一緒よ」
この底辺ゲームの世界観はボロボロで、矛盾だらけだ。数十回クリアしたことあるあさひでも理解できない点がたくさんある。
たった一人の考察班として、あさひは色んなことを確認したくなった。
「王国と帝国以外の場所はなにー?」
「海だよ」
「海の外は?」
「海流…まぁ、説明してあげても理解できないよね」
この矛盾だらけの世界観、女を嬲る物語を作るために用意された世界観について、できる限り情報を質問する。
「外で戦う兵士たちはなにを食べる?お弁当持つ?」
「戦わない人は美味しい料理を作るよー」
このように、たくさんの、ゲーム文字には書いてない情報を入手している。
もちろん、ルミシアが話した情報は半分が子供をあやすみたいな言葉。
それでも、あさひはルミシアに感謝しています。
楽しい時間が15分経った。
あさひもっともっと聞きたい、ですが、
「…?」
変な匂いがした。
「ルミシア様、なんか匂いが」
「…」
あさひは反射的に呼吸を止めたが、ルミシアは意識が朦朧した。
「ルミシア様!?」
「なんか、疲れた。すまん、目を細くするわ…」
そういえば、この浴場は帝国が自分とルミシアを捕獲するために用意した罠であるな。
こう思い出したあさひは、楽しい気持ちで戦闘準備を始めた。




