10話② 暑くね?
「あさひちゃん!どこだ!…」
「あ」
遠くからルミシア様の叫び声が聞こえた。
推しの声を聞くと、安心感が出てくるな。あさひは、手を挙げて遠い空に、
「ルミシア様!ここでーす!」
こう叫んだ。
そしたら、ルミシア様がすぐにあさひの前に来ました。
「大丈夫か!?」
「大丈夫ですー!知らない風が、強い!でもあさひは無事よ!」
「そうか。無事ってなによりだ。なんなんだこの風、急に怖い天災?…あ」
ルミシアはボロボロになった大地と山に気づいた。
こんな風に吹き飛ばされてまだ生きてるなんて、奇跡だな。これからはあさひちゃんをもっと守らなくちゃ。こう決めて、ルミシアはあさひの頭をなでなでして、
「悪い人らもこの風に飛ばされたようだ。一緒に戻ろうか」
「はい!…えへへ」
「ほらー」
あさひは可愛い笑顔をしてルミシアを抱き締めた。
この世界に着いてエルフの身体を入手したあさひが知ってる、巨乳同士って互い抱き合うことが大変。それでも、あさひは全力でルミシアと抱き合っている。両方が露出度の高い鎧を着ていているので、人肌の暖かさを強烈に感じられる。柔しいね。暖かいね。幸せだね。ずっとこのままでいいな。
いや。
足りない。
ルミシア様をもっと抱きたい。もっともっと仲良くしたい。全てをあげたい。全てをもらいたい。放したくない。一つになりたい。こう考えていて、あさひはルミシアの体温に夢中になっている。
もちろん、ルミシアにとってあさひはただの子供で、可愛くてなにもわからない子。このなにもわからない子と抱きしめられて、ルミシアは心から家族のような愛が芽生えた。
お役に立てないが、こんな可愛い家族がいても悪くない。
「…あのさ、お前ら」
赤髪のドラゴン、ルナがここに来たが、抱き合っている二人にはどうしようもなかった。
「暑くね?」
露出狂みたいな服を着てる女子二人がここまで抱き合うなんて、さすがにちょっとあれだな。言おうとしたが、あさひはなかなか幸せなので、ルナはこう聞いただけ。
「大丈夫、もんなない。私はこの子の保護者だからな。抱きはいつでも構わない」
「わかった、好きにしよう」
破壊された森と大地を見て、ルナはすぐに「あさひがここで戦っていた」と判断した。
どうやらあさひも強い力を入手したようだ。ならば自分も光の城砦を見守る必要はない。
「帝国軍も消えたし、みんな無事ならあたしも他の場所に行く。ただ」
エルフの騎士団長が自分の警告を注意するかとうかわからないが、ルナはちょっとマジメな態度で、
「帝国もあたし以外のドラゴンも、王国を侵攻したいやつはまだたくさんいる。戦意を出せ、それと頭で戦え。さもないと、負けるぞ」
「大丈夫、わたしがみんなを守ります!」
「あさひちゃん偉いね。期待するぞ」
あさひがこう叫んで、ルミシアもあさひのあさひをなでなでしました。
全然聞いてない。まぁ、あさひがいるから大丈夫だろう。
「それじゃ」
ルナは翼を展開して空へ飛んだ。
「まだな、ドラゴン!」
「まだねー」
ルミシアとあさひもルナにこう叫んだ。
これからは毎日王国のことに気を遣う気がする。困るな。と思いつつ、ルナは空を飛んでいる。




