0話 炎牙の火竜
この石の城の中の会議室で、ドラゴンたちは今日も人間狩りのことを話し合ってる。
ドラゴン3匹がいて、2匹は女性の形で、1匹は男性の形。頭には角があるが、見るからに全員人間みたいな形。
「この町の人間は、30分で全部殺せるんだ」
大柄なオスは地図を見てこう言ってる。
「だから、この町の人間は全部俺の獲物。お前らは手を出すな、これが警告だ」
オスドラゴンは2匹のメスドラゴンに町の所有権を宣示した。俺の食べものを奪うな、というセリフでした。
「いじわるー。一人で大きな狩場を独占する気かしら?」
白髪のメスドラゴンは淡然としてこう言った。
「別にいいわ。この町には人間がたくさんいるけど、警戒も高いから面倒くさいと思う。ほしいならあげる、ね」
「あたしは納得できないんだ。お前、一人でそっちの人間を全部食べるつもりかい?」
一方、赤髪赤瞳のメスドラゴンは兇悪な目でオスドラゴンに、
「このあたしが許可すると思う?食料狩りの場所を占めるな。ぶっ殺すぞ?」
譲らない顔つきをして、オスドラゴンに警告を出す。
オスドラゴンは数秒沈黙して、
「失礼。実は俺、プレゼントを用意した」
「は?」
「どうぞ、召し上がれ」
オスドラゴンは外に行って、人間の子供を連れてきた。
拘束されてる3歳未満の男の子で、傷だらけ。泣き出す気力もなく、ただ絶望と恐怖の瞳で周りを見ている。オスドラゴンは、その子供をテーブルに置いて、
「昼ご飯だ。ここで解体して食べな」
「おい、まさか交換条件は昼ご飯?あたしたちにおごって、その町の狩猟権を交換するつもり?」
「そうだな。でもこれだけじゃない。俺は60匹用意した。全部8歳未満の人間だから、美味しいぞ」
「ほー」
「人間の幼体は美味しいが、人間は幼体を優先に守る特性がある。だから狩りにくい。この町は俺の專用狩場。この条件を受け入れると、60匹の人間幼体全部あげる。どうだろう?」
「幼体か、いいわー」
「いやお前は最初からその町に興味ねぇだろ?贈り物をもらうじゃねぇよ」
白髪のドラゴンは人間幼体の肉に興味があるけど、赤髪のドラゴンは彼女を止めた。
「60匹の子供、全員生きている?」
「ああ、生で食べてもいいぞ」
「わかった。全部あたしにくれ」
そして、赤髪のドラゴンはギザ歯が見える残虐な笑顔をした。もう待てられないように、テーブルの子供を担ぎ上げた。
「もう他の用事はねぇのなら、今すぐ収容する場所を教えろ。お腹すいたから」
肩に担がれている小さな子供は、小さくて弱くて、柔しくて暖かくて、殺しやすい。
「生で食べる?」
「じゃねぇよ。あたしは火竜だから、何もかも美味しく焼ける」
「地下二階のと畜場、自分で行け。ガキは全部お前のものだ。まぁ、ついでに8人の一般人間女性もあげようか」
「ああ」
赤髪のドラゴンは、人間に「炎牙の火竜」と呼ばれてる。
世界最強の7匹の魔物は、人間に「七災」と呼ばれてる。1匹現れると人間の国が滅ぼされる可能性があり、最強の英雄と全国の兵士が命を賭けて一緒に戦わないと退治できない。人間はこの火竜と戦闘したことがないが、ただ一回の目撃で、人間はその火竜の破壊力を確信した。彼女もあの日から、人間に「七災」と認定された。
世界最強の7匹の魔物、赤髪のドラゴンはその中の1匹。
子供を担いで、赤髪のドラゴンは一人で地下二階に着いた。
臭い地下牢の中にはたくさんの子供がいる。泣いている子、絶望した子、怖がっている子、呆然とした子、それと「ママ」と泣き叫んでる小さな子。中にも、数少ない大人の女性がいる。
周りを見て、赤髪のドラゴンはため息をついた。ちょっと肺から火が出た。
「治癒魔法を使えるやつ、手を挙げ」
と言ってみたが、誰も手を挙げなかった。
「聞かねぇかい?この子は怪我をした。だから早く出てくれ!」
再びにこう叫んだ。そしたら、見るからに15歳くらいの女の子は緊張しつつ手を挙げた。
赤髪のドラゴンが彼女の前に行って、子供を地面に置いて、
「頼むぞ」
「は、はい!…」
「お前ら、どの国の人間?」
「南の…王国…」
「了解。じゃあ今日はお前らを国境まで輸送する。その前に小さな子供をなだめてくれ」
と、赤髪のドラゴンは地下牢を去った。
「なんでこんな状況になるのかよぉ…」
独り言を言って、赤髪のドラゴンはイライラして嘆息を漏らした。
自分はなんでここにいるんだろう。
この世界、酷くねぇ?




