報告会の報告まるっと無視された日
退院して2日後王城に呼び出された。
退院してすぐでないだけ良かった。2日後とは言え本調子じゃないのに、無理なこと言われたらキレそう。
魔導灯の時と同じ謁見の間に通され、お祖父様と二人で王の登場を待つ。
既視感があるね。あの時と違うのはメンバーに魔導塔の奴らではなく、何故か植物園の連中がいた。
王が登場し、前回と同じような挨拶をして面を上げると
「今回は魔獣駆除実施訓練において魔獣寄せの香を使用した者がいたせいで大型の魔獣が出現しそれの駆除に貴殿の飛行灯が大変役に立った故、褒美を用意した。」
え?褒美?ご褒美をくれる事ってあるんだ~目をキラキラ輝かせていると困ったように笑った王が
「わしとて、ケチではない」
と言った。ケチかと思ってた~だって、第二王子の回復薬の報酬ももらってない。
「で、褒美だが、一代限りの男爵位を授けようと思うがどうじゃ?」
・・・・要らねぇ。ご褒美どころか罰ゲームなんですけど~
すっかり死んだような目になった俺に気づいた宰相が
「殿下まずいです。気に入らなかったようです。」
とこっそり話していた。
「ま、まぁ褒美は貴殿の欲する物を後々考えるとして、ここからが本題だ。実は先日採取してもらった高麗ニンニック草だが、植物園に移植したら全滅してしまった。こちらとしては問題なく採取したと報告があったのだが、植物園の方からは採取に何らかの問題があったであろうと言ってきておる。移植の方法に問題がなかったのに、全て枯れてしまうのは採取の仕方が悪かったのでは?と言われておる。採取のと何か問題がなかったか?」
「何の問題もありませんでした。丁寧に採取しましたし、移植の方法に問題があったのではないのですか?」
そう言うと、今まで黙っていた植物園の関係者が
「私どものせいとおっしゃるか!こちらは万全の体制で移植している。土質も肥料を与え、柔らかい土に移植したのだ。どうして全滅になった?採取の方法が悪かったのであろう。根を傷付けたのではあるまいな?」
「・・・肥料を与えたのですか?僕は先日の報告会で痩せた土地に品質の良い高麗ニンニック草があった。専門家ではないので一度詳しい人に現地調査に行ってもらえと言いましたよね。そのあと魔獣が多くいる土地も関係があるかもと言いましたよね。聞いてなかったんですか?どうして肥料を与えたのですか?一度現地調査に行ったのですか?何故僕の話を聞かずに自分たちの今まで通りの方法を試したのですか?あの報告会は何だったのでしょう。まったく無駄な時間になったではないですか。自分たちの過ちを僕のせいにするのですか?責任者とは責任を取る立場にあると言うことでは無いのですか?そうやって今までも失敗を人のせいにしてきたのですか。そして今回も失敗を人に押しつけるのですか?最低ですね。大人としても、植物の専門家としても。」
相手に口を挟む隙を与えず、見下しながらずっと質問してやった。ほれほれ、早く答えろよ。
「う、うむ。先日の報告会での意見は素人の意見として、耳を貸さなかった。」
「現地行った人間の言うことを聞かなくて、では、実際に現地に自分たちで行ったのですか?」
「・・・行ってない。魔獣が多くいると聞いて危険だと判断した。」
「その危険な現地に僕は学生の立場なのに勅令が出たため行きましたけど?アンドリュー王殿下、植物園の方に勅令を出されてはいかがですか。今すぐ現地調査に行け。と。すぐ出すじゃないですか勅令。僕の時のように今すぐ出して下さいよ。」
「そんなに簡単に勅令って出せない物なのだ。」
「・・・・ふ~んそうですか・・・」
嘘だろ。って目で見ている。勿論半目。
「あんなに危険な目に会って、皆で大量に丁寧に採取して、オリヴァーさんに怪我までさせて帰って来て僕たちのせいって言われたら・・・やってられません。おまけに報告会での報告もまるっと無視ですか・・・亡命しちゃおっかな」
「なー!それは!そうさせないための一代限りの男爵位じゃ!」
「はっきり言って要りません。とりあえず植物園の方は今すぐ現地調査に行って下さい。ほら、第二殿下言わないんですか?足をひっぱるなよって。ちゃんと任務遂行できるのか?ってほらほら・・・」
何故かいる第二王子に話しをふってやる。
「あ、あの時はすなまかった。」
今更謝られても、どうしようもないけどな。
「男爵位は要りません。これから生涯王家に対する発言を不敬罪に値しないという褒美を下さい。それなら僕も有り難いです。」
「・・・そんな褒美は聞いたことがないが?考えるので、しばらく時間が欲しい。」
「王城騎士団のニックさんも植物園に出向してるって言ってましたが、まさかニックさんの話も聞いていないんじゃんないでしょうね?あの人なら、痩せた土地に植えろと助言したと思うのですが・・・」
じろりと睨むと目をそらす植物園の連中。なんでこんなどうしょうもない奴らばかりなんだ。




