起きたら面倒な予感な日
目を開けると常夜灯位の明るさの部屋でリアムが俺をのぞき込んでいた。
「ノア!気分はどうですか?喉は渇いていませんか?飲めるなら水をまず飲んでください。」
「・・・ここどこ?」
ゆっくりと体を起こして水を口元に持ってこられる。ゆっくりと口に含み飲む。
喉を通って食道に水が流れるのがわかる。
「ここは治療院です。ノアはコカトリスの毒が体中にまわって、もう少しで命を落とすところでした。解毒剤を飲んだのがギリギリだったようです。」
「あれからどうなったの?他の魔獣は?」
「王城の騎士団が応援に来て、ノアが作った飛行灯のお陰で駆除するのに大いに役に立ったようです。魔獣寄せの香を焚いた者も捕まりました。オリヴァー殿らのチームをライバル視している者たちが、自分たちの配置場所に香を焚いたそうです。結果、狩ることが出来ずにリタイアし、香を消すことを忘れたそうです。魔獣駆除実施訓練は中止になりました。王族に被害が出なかったのが幸いでしたが、危険にさらした事は問題になっています。」
魔獣駆除実施訓練は中止、参加生徒の安否を心配していた保護者が魔獣駆除の森に詰めかけ大混乱だったらしい。俺はアルバートの所に連れて行かれ、解毒剤を飲むように口に持ってこられたが、毒がまわり上手く口を開けられなかったらしく、意識もなかったので、リアムが口移しで飲ませてくれたらしい。後から聞いて、居たたまれなかった。赤い顔をしていたら、アルバートが、
「医療行為だ馬鹿たれ!照れてる場合か、お前死ぬところだったんだぞ!ガルシア公爵令息も焦っていたし、お前が寝ている3日間毎日様子を見に来てくれたんだから、礼を言っとけよ。」
散々怒られた。ちょっと照れただけなのに。
解毒できたら、普通1日くらいで意識が戻るのに、俺は3日も寝ていたらしい。精神的にダメージを受けていたのかもしれないとアルバートが言っていた。心の病だ。あれだ、あの前世の夢のせいと言うことにしておく。忘れていたのにしっかり思い出させやがって。
解毒も済んでいるし、意識も戻ったので、様子見で一日検査をして退院出来るらしい。見舞いに来たパーシーは泣きながら怒っていた。言うことを聞かなかったのは俺なので素直に謝りグチグチ文句を言うのも
「おっしゃる通りでございます。」
と反抗もせずに聞いた。かえってストレスで体調が悪くなりそうだった。
しばらく学園は休みになった。怪我をした生徒が多くいたことと、騎士科の生徒の処分をどうするかで揉めているようだった。
治療院のベットの上で薄明るい魔導灯を見ながらぼんやりしているとドアをノックされ、お祖父様とトーマス先生が入ってきた。
「ノアよ!気がついたのか。意識が戻らんと聞いておったから、話せないかと思っておったが、良かった。毒に犯されたと聞いたぞ。他に怪我はないのか?」
「ノア君、無茶をしたとパーシーに聞いています。お祖父様もお祖母様もそれはそれはご心配されていました。あなたに何かあれば悲しむ人も多いのですよ。もっとご自分を大切にしてください。」
二人に散々怒られ、さっきパーシーにも怒られたのに、もう俺のHPは0よ。
「今から、王城に呼ばれている。今回の騒動で飛行灯がずいぶん役に立ったようで、王から何かしらの話があるらしい。ノアの代理でトーマスに来てもらった。話しによっては後日お前も呼び出されるかもしれん。」
「・・・まだ意識が戻らない。って言っておいてください。」
「駄目に決まってるだろう。」
だって、王城に呼び出されてろくな事がない。




