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ヴァルキリーアーマー  作者: 廿楽
第3章 事件
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3-3 逆恨み

 佐伯先生が赴任して来てから数日が経過したある日、僕達ACEメンバー全員にある手紙が届いた。

 手紙を見てみるとそれは招待状であり「あの時は申し訳ありませんでした。食事会を行いますので是非来てください。 阿部」と書かれていた。

 だが、僕はこの手紙を怪しんでいたため食事会には参加する気になれなかった。

 (やなぎ)さんが「どう?酉島(とりしま)君は参加する?」と僕に聞くと僕は「いや、何か怪しいから遠慮しておく。」と答えた。

 美空さんも「私も遠慮しておきます。」と理由を告げず参加を見合わせた。


 そして当日、柳さんたち4人は食事会の会場である阿部先生の自宅に来ていた。

 リビングへと通され、テーブルに並んだ料理を見た4人はテーブルの前に座り、「みんな、あの時はすまないね。今回はいくらでも食べていいんだぞ。」と阿部先生に言われると全員何の疑いも無くテーブルに並んだ料理にありつく。

 皆一心不乱に飲み食いをしていると柳さんが「あれ、ぶどうジュースを飲んだら眠気が・・・」と言って眠ってしまう。

 それを見た(かなで)さんは「ちょっ、柳さん!?大丈夫ですか?」と駆け寄るも奏さんも「何だか私も眠く・・・」と眠りこけた。

 そして伏見(ふしみ)さんや瑠果(るか)さんにも眠気が襲い掛かり結果的に全員が眠りに落ちた。

 その様子を見た阿部先生が「これで第一段階は完了か。あとは・・・」とよからぬ笑みを浮かべたのだった。


 そして数十分後、何らかの振動で目を覚ました柳さんは「ん・・・ここってどこ・・・」と辺りを見渡す。

 「それに暗くて周りがよく見えませんね。」と同じく目を覚ました奏さんは言う。

 柳さんは「それに手も動かせないし・・・」と後ろ手に縛られた自分の状況を察し、奏さんも「揺れているうえにエンジン音が聞こえるという事は今は車の中でしょうね。」と直感した。

 伏見さんや瑠果さんも目を覚まし、伏見さんが「何これ、どうなってるの!?」と驚く。

 瑠果さんも「どうやらあのジュースに睡眠薬が仕込まれてたようだね。」と推測した。

 奏さんは「みなさん、どうやら私たちは拉致されてしまったようです。」と全員に告げ、伏見さんが「そんじゃ、脱出するとしますか。」と言うと皆揃って「どうやって?」と聞いた。

 伏見さんは「脱出方法ならあたしのヴァルキリーシステムで壁を壊せば一発で脱出できるんじゃないかなと思うの。」と脱出方法を答え、「展開、トール!」と叫ぶも装着されない。

 「あれ?装着されない・・・」とヴァルキリーシステムが装着されてないためか何度も装着しようとしても結果は同じだった。

 これを見た奏さんは「策を読まれているようですね。」と呟き、柳さんが「この状況じゃスマホは使えないし、一体どうすればいいんだろう・・・」と今の状況を(うれ)う。

 伏見さんは「確か生徒手帳にGPS付いてたよね、あれを使えば酉島たちに現在地を伝えられるかもしれないよね。」と次の案を思い浮かぶが「でも、縛られてるから腕使えないじゃないか。」と瑠果さんが指摘する。

 すると、車が停車して扉の開閉音が聞こえた。

 そして、足跡が聞こえて来て「見事にかかったな。」と阿部先生が言う。

 奏さんが「こんな事して何が目的なんですか!?」と問い詰めると阿部先生は「目的?簡単な事だ。それはお前らを道連れにしてあの世へ行くためだよ。」と答えた。

 その答えに伏見さんは「何であたしたちが死ななきゃいけないわけ?」と聞き、阿部先生は「うるさい、お前らの所為で俺は嫁に逃げられて息子と娘にも『あんたみたいな最低な人間なんて親じゃない、母子家庭上等だよ。』と吐き捨てられたんだぞ。道連れにするには十分すぎるだろ。」と話した。

 それを聞いた柳さんは「自業自得じゃん、死ぬなら1人で勝手にどうぞ。」と言う。

 柳さんの言葉に阿部先生は「俺を愚弄するか、このおっぱいモンスター共!」と激昂するが伏見さんが「今胸は関係ないでしょ、この糞オス。」と暴言であしらう。

 これで罵倒されたと感じたのか阿部先生は「その言葉、今に後悔させてやる!」と言って扉を閉め、車を走らせ始めた。

 柳さんが奏さんに「今どこでしょうか?」と聞くと奏さんは「分かりません、ですが雑音からして高速道路上と思われます。」と推測する。

 すると、瑠果さんのスマホが鳴ったが腕が使えないため応対できなかったもののその音を聞いた奏さんは「きっと京山さんからですね。腕が使えたら助けを呼べるんですが・・・」と安堵する反面今の状況を悔やんだ。

 そしてその着信音は何度も鳴ったが応対することは一度もできなかった。


 一方その頃、僕は寮の自室でゆっくりしていた。

 畳の上で転寝(うたたね)していたら突如スマホが鳴り、画面を見ると「美空さん」と表記されていた。

 電話に出ると「もしもし酉島君ですか?ちょっと聞きたい事があるんですけど。」と美空さんの声が聞こえ、僕が「何もやってませんが?」と返事をすると美空さんは「分かってます。」と言い、「瑠果さんたちを見ませんでしたか?」と聞いてきた。

 その質問に僕は「今日は朝から見てませんがどうしました?」と答えると同時に質問を返すと「実は瑠果さんたちがなかなか帰って来ないので心配になって何度も電話をかけたんですが一度も出なくて・・・」と僕に伝えた。

 それを聞いた僕は「それ多分事件に巻き込まれたんだと思います。阿部先生が『お詫び』と称して食事会開くなんて裏があると最初から思ってたんですよ。」と言うと美空さんは「取り敢えず4人の居場所を探りましょう。」と言った。

 僕が「居場所を探す方法があるんですか?」と聞くと美空さんは「はい。」と答え、「今からやるのでACEの拠点まで来てくれませんか。」と呼びかけると僕はそれに了承した。

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