寝てばかりな気がするけど大丈夫だよね
数ヶ月が経ち、六歳のお披露目パーティーのためにまたもやガタゴトと馬車に揺られながら王都を目指す。
揺れとかはあまりないんだけど、ずっと座ってなきゃいけないから体が固まって痛いや。
ということで、寝ます。
おやすみ。
◇
王都へ到着。
数ヶ月ぶりに来た王都は久しぶりな気がする。
だが、今はその景観を楽しんでいる余裕はない。
「ハァ…ハァ…」
「イルメラ、後少しよ。もう少しすれば屋敷へ着くわ」
母が励ましてくれるが、それに答える元気も出ない。
一刻も早く屋敷へ、ベッドへと向かわねば。
馬車で酔って気持ち悪いので、早く横になりたい!
うぅ。
前回は酔わなかったのに、なんでだ。
とりあえず、もう少し我慢だ。
「到着致しました。どうぞ、足元にお気をつけ下さい」
漸く到着したぞ!
馬車から降りて、そのまま部屋まで直行する。
そして、待ちに待ったベッドへダイブをして暫くうなされていると、次第に眠気が優ってきてそのまま眠りについた。
◇
寝たらすっかり良くなったので、イーナに水を一杯もらった。
「ふぅ…」
「体調は如何ですか?」
「大丈夫」
もうすぐ夕食の時間のようなので、すぐに着替えや髪を梳かしてもらったりと用意をする。
ワンピースタイプの楽な服装になり、いざ食堂へ。
食堂にはすでに両親が椅子に座って待っていた。
なんかいっつも俺が最後な気がする。
大変申し訳。
「もう体調はいいのかい?」
「まだ悪いようなら我慢しないで、ちゃんと休むのよ」
二人とも心配してくれている。
さっきは返事もろくにできなかったもんね。
そりゃ心配になるよ。
「もう大丈夫、です」
「そうか、それなら良かった」
席に着くと料理が出てきた。
サッパリとしたものが多くて助かる。
回復したとはいえ、さっきまで具合が悪かったので重いものが出たらどうしようかと思っていたのだ。
「お披露目は三日後だ。念のために明日はゆっくり休むように」
「はい」
明日一日は大人しくしているように言われてしまった。
そうなると暇な時間をどうやって潰そう。
庭に花畑でも作ってやろうか?
最近魔法を使えてなかったし、思いっきり発散させてもらおう。
「…魔法は使っても良いが、ほどほどにな」
「っ!…はい」
何故バレたし!?
まさかエスパーなのか?
「ふふふ、最近のイルメラは考えていることがすぐ顔に出るわね」
「うぅ…」
なんか小さい子みたいで恥ずかしい!
顔が熱くなってきた。
きっと耳まで真っ赤になっているに違いない。
穴があったら入りたいとは、まさにこのことだ。
食事が終わり、部屋へと帰ってきた。
さっき起きたばかりだというのに、なんだか疲れた。
ベッドに座ると、足元にフローラが寄ってきた。
「おいで」
フローラを膝の上に乗せて、頭や背中を撫でてやる。
気持ち良かったのか、あくびをしてリラックスしているようだ。
あー、癒される。
毛も触り心地良いし、お前は最高の癒しだよ。
顔を埋めてもふもふを味わう。
「お嬢さ…うわっ、失礼しました!」
「?」
突然ドアが開いて執事服を身につけた少年が入って来た。
俺がフローラに顔をすりすりしてるのを見てびっくりしたようだ。
そんな驚くなんて、俺がフローラを食べてるとでも思ったのだろうか?
流石にそんなことするわけないのに。
そんなことを考えいたら、イーナがやや怒ったような声色で少年へと注意をする。
「エーリヒ、ドアを開けるときはノックをしなさいと以前も言ったはずです。しかもお嬢様のお部屋なんですから、そこは徹底してください」
「はい、申し訳ありません…」
エーリヒと呼ばれた少年、以前クラインベックの街で俺の串焼きを奪おうとして捕まった少年だ。
彼は孤児で日々食べるものを探すのに苦労しており、あのような犯行に及んだらしい。
そんな境遇で生きていたらいつか死んでしまうんじゃないか、と考えたらそのまま返すことは出来なかった。
父に頼んで、エーリヒを執事見習いとして屋敷に置いてもらえることになり、今回の王都へも同行して来たというわけだ。
「それで、何かありましたか?」
「は、はい!ご入浴の準備が整ったのでお呼びしに来ました」
まだ敬語に慣れていないのか、どこかぎこちない話し方だが一生懸命勉強していることは知っているので、微笑ましい気持ちになりついクスッと笑ってしまった。
そんな俺の笑顔を見てエーリヒは顔を真っ赤にして、視線を逸らしている。
イルメラの可愛さにやられてしまったようだ。
初心だねー。
「では、お嬢様参りましょう」
「うん」
入浴を済ませて、イーナに髪を乾かしてもらっているときに彼女のお披露目パーティーのときはどんな感じだったのか気になり、聞いてみることにした。
「お披露目って、イーナのとき、どんな感じだったの?」
「私はお披露目には参加しませんでした。家があまり裕福ではなかったので、長女と長男しかお披露目には参加出来なかったのです。ですが、パーティーなので気楽に臨んで良いかと思います」
「…そう」
イーナの実家のバルテル男爵家は、王都から結構離れたとこの領地持ちだから、移動や宿泊にかなりの額がかかるはずだ。
長男と長女を参加させるだけでも、男爵はかなり頑張ったのだろう。
でもそうか。
参加できない人もいるのか。
当日はその人たちの分までしっかり楽しもうと思い、ベッドへ入ったのだった。
きっと美味しいものいっぱいあるよね。
というか今日だけで寝るの三回目だ。
寝れるかな?
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次回の更新はちょっと遅れて火曜日になりそうです。




