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Zodiac Sign - ゾディアックサイン-  作者: 真野亜駆
第一章 始まりのGemini
3/29

-変化は非日常へー

次の日、学校は休みだった。

昨日の墓参りが終わり、俺は、ベッドの上で仰向けになっていた。

時間は12時。今日は千尋も部活のため、家には来ない。

「さて、なにをするか」

こういう時に、部活やバイトなどしてない俺は、時間の使い方に迷う。

いつもなら、パソコンでYO-TUBE(ヨーツベ)見ながら時間を潰していたが、閲覧しているチャッキーさんの動画更新がされておらず、頭を下にした

翔にLOINを送る。

「おい、遊ばないか」

返事を送ると、

「ごめん。部活」

2秒で返事が返ってきた。

また、頭を下にする。

「仕方ない。勉強でもするか」

数学のテキストを開く。問題を見る。すぐにテキストを閉じ諦めた。

「外に出るか」

俺は、身支度を整えて家を出た。



俺が住む、美月市は大きく分けて3つに分けられる。

西洋短期大学地域のショッピングモール街。商社ビルなどが立ち並ぶオフィス街。そして今俺がいる、映画館、ゲームセンターなどの施設が並ぶレジャー街だ。

俺は今、レジャー街の中にある、本屋にいた。

「何か、面白い漫画はないか」

とめぐっていた。が、最新の漫画も先週買ってしまっていたので、買うものがない。

仕方ないと、俺は勉強の参考書を探しに書籍のコーナーに向かった。

いろいろ、見ているとふと一冊の本に目を向けた。

「星座読本」

厚い本であったが、なぜか気になって手に取っていた。

内容は、ギリシャ神話に出てくる英雄譚や、英雄譚にまつわった星座の成り立ちなどが書かれていた。ちなみに、よく知る12星座はほんの一部分で星座の種類は全天で88種類も存在するようだった。日本では見ることが出来ないものまで事細かに書かれている。

「これ、面白いな」

と、買おうと本の後ろを見ると、

「げっ。1万円」

学生には、少し痛い出費だ。

俺は、後ろ髪をひかれる思いを抱きながら本を置き、学校で使うシャーペンと消しゴムを買ってその場を後にした。


本屋から、外に出ると、日も暮れかかっていた。

俺は携帯をのぞくと、LOINに千尋メッセージと翔のメッセージが入っていた。

「いま、部活終わった。ごはんどうするの?」

と千尋。

「おい~。こうへい君。俺と遊べなくて寂しかったかい」

と翔。

俺は、

「今、本屋でたところ。飯なら何か買っていこうと考えている」

と千尋に返事。

「お前、後ろに何かいるぞ」

と翔に返事をした。

「そうしたら、私、学校帰りにスーパーで食材買って帰るから、夜、恒平のキッチン貸して」

と千尋。

「おい。後ろってなんだよ。こえーよ。ひぃ、何か視線が……」

と翔。

「いいよ。勝手に中に入ってキッチン使って」

と千尋に返事。翔のLOINは既読スルーした。

「さてと」

俺は、センター街から自宅に向かう。

家までは自転車で25分ぐらい。結構距離がある。

俺は、帰り道千尋が、夕飯の準備をしてくれているので、何かお土産を買っていこうと、帰っていると、小さなケーキ屋がある。

「いらっしゃいませ」

と年配の女性が、はきはきとした声で、俺を出迎える。

「どうしようか……」

少し悩みつつ、当たり障りのないように、たしか千尋の好きなショートケーキを2つ購入する。

「ありがとね。おにいさん」

少し、不気味な笑みに見えるケーキ屋の女性に愛想笑いを浮かべながら、その場を後にした。

「やべっ」

俺は時計を見る。少し予定よりも遅れてしまい、日はかなり西の方角に落ち、夜になっていた。

俺は、自転車を少し早めながら、自宅に向かう。

自宅に向かう道すがらは、街頭だけ立ち並び、薄暗い。

その道中、自転車を走らせながら、不可解に陥る。

よく小さいころ千尋や翔と遊んでいた公園がある。そこはブランコやジャングルジム、鉄棒など遊具が充実していた。その公園のブランコに女の子がいた。女の子は首を下にしながら、足でブランコを少し揺らしていた。

女性なら身の危険を感じるような時刻だ。少し心配になり、俺は公園の入り口に自転車を止めて、少女に近寄る。

「どうした。待ち合わせ」

と言葉をかける。

「うん」

少女は首を縦に振り、

「おにいちゃんを待ってたんだ」

と答える。

隠れた髪の下の口元はニヤっと笑っているようだ。

俺は、身の危険を感じ、少女から一歩後ずさる。

「俺を……」

「うん」

少女は、同じ返事を返し、ブランコから立ち上がる。

立ち上がった少女は、公園の街頭に照らされる。ショートカットの女の子で、顔はあどけなさが残り、小学生に見えるが、少女は制服を着ている。どうやらこの地域の学校ではなさそうだが、中学生か高校生のようだ。

少女は、

「おにいちゃん。持ってるよね」

「持ってる……」

少女は、制服から、見覚えのあるものを取り出す。

「これ」

少女が取り出したのは、俺の持っているものに似た、チェーン付きの球である。

「おにいちゃんも持ってるよね」

「今は、ない……」

俺は、答える。

「えぇ、持ち歩いてないの?大事なものなのに……」

少女は、少しがっかりしたように俺に、

「じゃあ、持ってきて。私にチョーだい」

「いや、それは……」

俺は少し戸惑う。

「いやなの?」

少女の目は、口元は笑っているように見えるが、目は笑っていなかった。

「あぁ……」

俺は、球の事を知らないのだが断る。

「そうか……」

少女は

「じゃあ、やるしかないね」

続けざまに、俺向かって言葉を放つ。

「やる」

俺は、受け身の状態で少女に向かって問いかけた。

「そう、この球の取り合いを。少し、痛いことになるけど大丈夫。すぐに痛くなくなるから」

少女には似つかわしくない、言葉が返ってくる。

「痛いことって……」

「そう。殺しあうんだよ」

俺は、少女の笑顔と似つかわしくない言葉で、ぞっとする。

「殺しあうなんて、そんな……」

俺は、たどたどしく少女に向かって、返事を返すがその言葉を遮って、

「だって、くれないんでしょ。仕方ないよね。ちょっと待ってね。今準備を……」

と少女が俺に球を掲げた時だ。

「君、何をしてる?」

公園の入り口に置いた自転車の方向から、声がかかる。

しっかりとした、制服を着た、警察官が俺たちに向かって話かけてきた。

俺は、警察官の声のする方向に体を向けると、背中越しに少女が俺に、向かって話しかけてくる。

「あーあ。邪魔が入っちゃった。仕方ない。今日はお預けだね」

と残念そうに声をかけてきた。続けて、

「じゃあ、今度の日曜日。昨日居た神社に来てね。これ、約束じゃなくて命令ね。もし来なかったら、昨日一緒にいたおねえちゃん。巻き込むからね」

俺は、背中越しの少女に体を向けると、少女はいなかった。

向く瞬間、少女が最後の言葉を残す。

「私は、宮本唯。よろしくね。おにいちゃん」

その後、俺は、警察官に怪しまれ、近くの派出所へ拘束された……。


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