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勇者「くそっ、標的は私か」
魔法使い「お嬢様が大変賢くてお付きは助かるわ。隣のお国の仕業に3000ゴールド」
勇者「王宮仕えの警備はザルかよ。人払いが聞いて呆れる」
魔法使い「我が麗しの母国は小国ですからねえ。金にでも転んだ馬鹿がいたんでしょ」
勇者「そんで、儀式にケチを付ける腹か。嫌だ嫌だ。せこい考えに泣きたくなってくる」
魔法使い「甚だ遺憾ね」
勇者「泥臭い真似はあまり得手じゃないんだけどっと、せい」
勇者「石は素晴らしい。どこにでもあって、それでいて威力がある」
魔法使い「あら、当たった。もしかしたら、ぶら下げている剣よりも頼りになるのではないかしらね」
勇者「君が盾になってくれるならそうだろうね」
魔法使い「残念ながら、千年の昔から魔法使いは後衛よ」
勇者「楽をさせて貰えないようだ。いやはや、まったくもってままならない」
魔法使い「束縛があっての生でしょう。確かななにかを踏み台にして人は立っている」
魔法使い「貴女は、いえ、私も。勝ち取らなければならない」
勇者「魔法使い様のおおせのままに」
魔法使い「流石、王の手は早いわね。もう回収部隊が来ている」
勇者「小国でも王は王か。王の親愛なる友人としてはぞっとしないね」
勇者「ごろつき風情の姿や簡素な爆弾は隠れ簑らしく、男は本命の高性能爆弾で王の手もろとも自爆した」
魔法使い「本当に、石は頼りになったわね」