3/3
第3章 二本目の針
第3章 二本目の針
檻の中で一日が過ぎた。
部屋の中央の時計はまだ鳴っている。カチ…カチ…
でも今日、もう一つの音が聞こえた。
壁の向こうから「カチカチ」という音。
石に触れた。冷たかった。
そして突然、壁の一部が開き、小さな**時計の針**が出てきた。
大きな時計と全く同じ形。でもこれは小さくて、血が付いている。
そこにはこう刻まれていた。
『1時間ごとに、一人を殺す。
大きな針は看守用。
小さな針は……お前のためだ』
つまり、次は私?
その時、扉が開いた。
看守の「ライン」が入ってきた。
いつもの強さはなく、怯えていた。
「見つけたな?」彼は小さな針を見た。
「時計は無差別に殺さない。24時間ごとに一人を選ぶ」
「なんで私?」私は聞いた。
彼は悲しそうに笑った。
「お前が唯一、自分の意思で檻に入ったからだ。弟を助けるために」
心臓が落ちた。どうして知ってる?
「あと12時間だ」彼は言った。
「逃げるか……それとも、時計の一部になるか」
彼は扉を閉め、私を「カチ…カチ…」という音と、血を滴らせる小さな針と二人きりにした。
――第3章 了――




