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元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営 ~固有スキルスーパーバイジングは最強でした~  作者: 橘 弥鷺


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31-密談

こんにちは橘 弥鷺です。


元コンビニSV(スーパーバイザー)のダンジョン運営に、ご興味をいただきありがとうございます。

お読みいただければ幸いです。


尚、前作の完結しておりますSTRAIN HOLEもあわせて、是非、お読みいただければ、うれしく思います。

STRAIN HOLE

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/

 シャドウを殲滅したアルトたちは、その後も数体のモンスターを撃退しながら、アルトのスキルによるナビゲーションを頼りに目的地へと進んでいる。すでにダンジョンに入り3時間が経過していたが、順調と言うには、いささか出来すぎなほどの順調さだ。それをみかねてか、ベントレーが口を開く。


「さすがに若者ばかりだと早いのう。少し休憩をとらんか? 老人がいることを忘れるなよルイガノ」

「ベントレーさんが老人と言うには戦いの切れ味が曇ったようには見えませんけどね。まぁアルトのおかげでかなり早いですからね。あまり早いと開発部に何因縁をつけられるかわかりませんからね。皆少し休憩にしようか、アルト後どれくらいで目的地に着くかもわかるのかい?」


 ルイガノが皆に声をかけ、アルトにも尋ねる。


「そうだな…… モンスターに遭遇しなければ1時間前後かな」


 アーリエがルイガノに声をかける。


「この勝負はどの程度が平均というか…… 時間のかかるものなんですか? 」


 ルイガノがアーリエに苦笑を浮かべて返答する。


「アルトの新たなスキルがなければ、このメンバーで、12時間でみつけられればかなり早い方ですよ」

「そうだな通常の探索者のパーティーならみつけられずに48時間経過して強制転移で帰らせられるのもざらにある話さ」


 ルイガノの言葉にジークも会話に加わる。他の皆も近くの岩場や地べたに座り、その会話に加わり雑談はじめる。アルトは、その様子をなんとなく一歩離れたところから見ていると、視界の端に魔法行使警告が明滅している。


「ベンじぃか…… オレが話題に入れなかったかと思ったよ」

「隠蔽魔法もいろいろと使い方があるのでな。やはりワシの魔法を見破っていたか? それも新たなスキルかのう」


 アルトは苦笑して返答する。


「まぁ 後で酒の肴に話を聞くんじゃなかったのか? 」

「さすがに新たなスキルと言うには万能過ぎるのでな。さわりだけでも聞いておこうと思ってのう」


 ベントレーが顎をかきながらニヤリと笑う。アルトは少し息を吐いてから返答する。


「さすがに万能過ぎる能力だよな…… 正直オレもビックリしてますよ。ロイス元国王陛下」


 ベントレーは、少し目を見開いてから苦笑して口を開く。


「アルトにはそのあたりもお見通しか? それもスキルで知ったのか? 」

「ここにいるメンバー詳細情報は正直…… 手に余る情報まで知ってますよ…… 何故そこまで国王であることを隠すのですか? ましてや孫のようなアーリエまで認識阻害の魔法まで使ってなんて、ちょっとかわいそうな気がしますけど…… 」

「あの子が騎士を望む以上は、厳しい環境に身を置かねば下界に出たところですぐに命を落とす。ワシはこれ以上家族を失いたくないのだ。あの子の祖父であるワシの弟やあの子の父親の甥をワシは下界で殺してしまった」

「それは騎士や探索者であれば仕方ないことですよ。アーリエに大叔父であることを隠すことが贖罪(しょくざい)とも思えませんが…… 騎士として育てたいならば、師として育てれば良いのでは? 」


 ベントレーが苦い顔をしながらぼそりと口を開いた。


「確かにお前の言うとおり、ワシの身勝手でワシの弱さかもしれんな…… しかし、あの子から家族を奪った自分を許せんのだ…… それにあの子が騎士を諦めることも心のどこかで願っているのかもしれん…… 」


 アルトはベントレーの肩に手を置いて諭すように声をかける。


「ベンじぃさぁ、本当に強い人なんていない。ベンじぃにも、アーリエにも、何かあってから後悔する苦しみはないとオレは思う。だからここから出たらうまくオレが機会をつくるからアーリエとセナには正体明かして良くないか? まぁニセン大隊長とセリカさんはベンじぃの正体知ってるようだし」

「そのあたりもわかっているのか、ニセンは元々はワシの近衛でな、セリカ嬢の姉もそうだった。ニセンは軍の上層部の出世を蹴ってまでワシに未だに付き合ってくれているわけだ…… アルトの言うとおりにしようその代わりお前に何があったかもちゃんと話すのだぞ」

「わかった。まぁルイガノとミーナには話したからかまわないさ。ベンじぃが腰を抜かすかもだからちゃんと落ち着いたところで話さないとな」

「わかった。まさかアルトに諭されるとは…… 思いもよらなかったのう」

「じゃ密談は終わりでいいんじゃないか? 悪ガキと話すより若い娘と話す方がベンじぃもいいだろう」

「ちがいない」


 ベントレーは、そう言ってアルトの肩を叩いて隠蔽魔法を解くと、ミーナがアルトとベントレーに声をかける。


「なぁーにふたりで仲良く話してんのぉ? 」

「いや大した話をしていたわけではないよミーナ」


 ベントレーがミーナに返答すると、脇からアルトが口を開いた。


「婆さんが淋しがってるから近いうちに顔を出せってベンじぃがうるさくて」

「ベントレーおじさんちかぁ~ 確かに最近行ってないねぇ。おばさんのごはんも食べたいし、そだアーリエとセナはこっちにいる間にお休みあるの? 」


 ミーナがアーリエとセナに声をかけるが、ふたりの代わりに返答したのはニセンだった。


「監査の同行は終わってる。監査官たちも後は視察という名ばかりの休暇だから自由にしてかまわないさ」


 ニセンはそう答えながらも、ベントレーに視線を合わせベントレーも視線で答えた。何も知らないミーナはそれを聞いて口を開いた。


「じゃ一緒にベントレーおじさんちに行こうよ! おじさん元騎士だし、ふたりに為になる話し聞けるかもよ」


 アーリエが少し躊躇しながら答える。


「大隊長のお許しも出てますし、ご迷惑でなければ…… 」


 アーリエの言葉に家主のベントレーでなく、アルトが答える。


「婆さんはひとりやふたり増えることくらい気にしないさ、人が増えれば料理の腕を振るうのも気合いが入るだろうしな。ジークお前も来いよ」

「オレもか!? ベントレーさんいいのか? 家にそんな大人数で押しかけて」


 ベントレーは顎をかきながら笑いながら口を開いた。


「別にかまわんさぁ 婆さんが気合いはいると料理の品数が増えるからのぅ ジークみたいにたくさん食ってくれると喜ぶだろうよ」

「わかった! 出されたものは残さず食うのがオレの流儀! ご相伴にあずかります」


 ジークがそう言うとアルトがニタリと笑いジークに声をかける。


「男に二言はないからな。婆さんの本気に真っ向勝負しろよ」

「? おう!」


 ジークはアルトの言っていることが理解できないが一応返事をする。ルイガノが皆に声をかける。


「そろそろ時間だ前に進もう」


 アルトたちはあらためて目的地へと向こうのであった。

お読みいただきありがとうございます。

次話も引き続きお楽しみいただければ幸いです。


前作のSTRAIN HOLEも何卒よろしくお願いいたします。

N6940GN

https://ncode.syosetu.com/n6940gn/


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