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37 片付けで捨てられない人。

 僕は薄暗い部屋の中で荷物に囲まれながら、よくわからない物を眺める。


 明かりとりの窓が小さいため品物がよくわからない。

 まずは隣の明るい部屋に移動させることから始めた。


 大きな物もあるので収納力のある銀の髪止めの出番だ。

 手当たり次第に荷物を空間収納に入れる。

 そして、隣の部屋に移動し出した物を綺麗に並べた。


 僕はそれらを明るい部屋で見てみたが何に使うものか?いまいち分からなかった。


 そういえば鑑定というスキルがあるけど、あれって便利なのかな?ポイントもいっぱいあるし、とりあえず取ってみようか。


 鑑定は1500ポイントだね。ポイントの消費が多いけど…よし取った。


 久しぶりにステータスを見てみる。



名前 ボーク・ホウロウ・ルチルnew!

職業 三賢人new!

種族 死の精霊

魂pt 274267 pt

 スキル 念話 超視力 ステータス 小さな幸せ

     魂の記憶 鑑定new!


称号 優柔不断な頑固者?



 うーん、名前が追加されたのはブロックモが毎日ルチル呼びするから、たんぽぽちゃんの時みたいに魂に定着したのかな、女の子みたいな名前だけど…僕もそこまで拒否感があるわけでもないし、だから増えたんだと思う。


 あれ?三賢人って職業だったんだ。


 塔の管理は銀行が僕たちの代わりにやってくれているみたいだけど、利益が結構あるみたいだよね。

 街の修繕費を差し引いても、僕達は塔の使用料として銀行の口座に幾らか振り込まれているみたいだし。


 転移の塔の台座の文言にルチルって書いてあったから三賢人として仕事をしていることになるのかな?あれって絶対ブロックモが台座を作成している時に勝手に僕の名前として書いたよね。


 自分は鐘の塔に名前とか刻んでないのに…。


 多分だけど銀行でお金をおろしたり(魂の波長を調べたこと)、転移の塔にブロックモと一緒に行ったりとそうした行動で職業と認識された気がする。


 それにしても、鑑定は増えてるのは当然として称号に?がついてるのは謎だ。


 よし、少しづつ品物を鑑定をしてみよう!


 この水を弾きそうな素材でできた絨毯みたいなやつは何だろう?


《結界付き敷物※蟻や蚊のような虫に邪魔されず安心してピクニックを楽しめる》


 虫除けレジャーシートだね、確かに蟻とか登ってくると落ち着いて弁当とか食べれないわ、蚊とかも地味にブーンって近づいてきて音が嫌だし必要かも。


 次はフライパンの持ち手の部分に宝石がついているやつね。


《野外料理用フライパン※魔石に魔力を込めれば火種がない場所で炒め物や目玉焼きが焼ける。魔力により焦げ付き防止機能付き》


 うーん、便利だわ。便利だけど地味なものが多い。


 おっと、これ釣竿じないか!趣があるね。これがあるのを知っていれば、僕は安い釣竿を買う必要がなかったよね。ま~今更だけど。


《幻の黄金竹の釣竿※とある世界で高く成長する竹、地上から100mもの高さまで伸びた竹だけが金色に光ると伝えられている、それで作った釣竿。決して折れることがない》


 釣りは、もうしないかな…たんぽぽちゃんのこと思い出しちゃうし、虎みたいな凄いのに襲われたのも忘れたい。

 あれは怖かった。


 うん、とりあえず全部、銀の髪止めに入れておこう。お店一個分の広さだし、これを全部入れてもスペースを圧迫することもないよね。


 僕は未来の自分に丸投げした。





 部屋も無事に片付いたことだし、無限回廊の扉の情報は少しだけど図書館に通ってわかった。

 詳しいことは扉の管理人に聞くしか正確な情報は得られないらしい。

 

 僕は今日のこの日に行動しなければ、あの居心地の良いソファから離れられない気がした。


 身の回りを確認して1階に降りる。

 丁度、ブロックモが何やら道具箱を持って外に出ようとしていた。

 僕は彼に駆け寄り隣に並ぶ。


「俺は街の外壁の修復作業に行ってくる。ルチルはどうする?」


「僕、無限回廊に行ってくるよ!回廊の気になる扉を見てくる!できたら、そのまま生まれ変わりたい」


「そうか、気を付けろよ」


 ブロックモは笑いながら僕の頭をグシャグシャとなでた。おかげでコバルトブルーの髪がボサボサになった。


 僕とブロックモは屋敷の門の前で別れる。

 僕は転移の塔がある街の中央へ、彼は街の入口方面へ、違う場所へ。


「良い世界を!」


「うん、ブロックモも良い世界を!」


 二人は違う方向に向かい歩き始めた。


 ここに屋敷が有る限り会うことがなくとも、相手がいたという痕跡はずっと残る。それだけで前を向いて歩いて行ける気がした。

 

 それから僕は転移の塔に登り、あの列に並んで、今、魂Pコインを中央の台座の窪みに入れている。

 丁度10枚のコインをいれ終わると、魔方陣と柱と上の球体が光を放つ。



 あれから時間は空いてしまったが僕はレイブンの後を追うように、転移の魔方陣の光りに飲み込まれた。



 そして、光が消え視界が正常に戻れば、そこは樹海の森の中。

 森の木々の中で見立つようにある噴水、それの近くに僕は立っていた。

 三賢人の像が水につかり森を静かに見つめている。

 間違いない、無事に安らぎの泉についたらしい。後はここから無限回廊の最初の門まで移動すればいいんだけど。


 ブロックモは、すぐ近くだと言った。

 でも、これってどっちに行ったらいいの?!




 右も左も景色の変わらない森の中で僕は泉の縁に腰をかけ途方にくれていた。


 

 実はブロックモは鐘の塔の鐘に目立たないが自分の名前を刻んでいます。

《寄贈 ブロック・モ・スキー 》

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