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ガンギマリズム4 竜国編  作者: 九空のべる(旧:ジョブfree)
第三章「太陽神と悪神」
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31. 侵入開始

午後六時過ぎ、漆紀達は福井県大野市亀山付近に到着する。辺りはすっかり暗くなり夜の手前の紫色の空が出迎える。大寺院という敵地の駐車場に停めるわけにはいかないので、大寺院に一番近いコインパーキングに車を駐車する。

「では、私めはここに残ります。終わり次第、みなさん来てください」

六香だけが車に残り、六香以外の全員が車から降りる。

「では作戦通り、僕が正面入り口から入って行くよ。僕以外は全員裏口から入ってくれ」

「夜巳さん、案内頼む。裏口までの行き方とかわからないから」

漆紀が軽く頭を下げると、夜巳は右手を顎に当てる。

「そうね……大寺院のある亀山、あの裏手には裏口に続く遊歩道があるわ。そこから上がって行けばいいわよ」

「わかった、裏手に回り込もう。じゃあ会長、正面で騒ぎを起こしてくれよ」

「勿論だよ。魔法使いが来ようと心配しないでくれ。僕は最強だ」

自身を最強と称する事に関してはもう何もいうまいと漆紀は黙し、輝雷刀と分かれる。夜巳の案内で漆紀、彩那、小太郎の三人は亀山の裏手へと歩く。

輝雷刀は一人で正面の道を進み、坂道を上って行く。

「さてさて、どれくらい魔法使いとやらがいるのかな?」

大寺院の正面入り口前の広い場所に出ると、警備に当たっていた竜理教の信者達が輝雷刀の方を見る。

「こんな時間にどなたですか?」

信者の一人が穏やかに輝雷刀へと問いかけると、輝雷刀は足を止める。

「お気になさらず。どうもこの大寺院で僕の友人の友人を捕えていると聞いてね。おっと、この場合の友人の友人は、僕にとっては友人ではないよ?」

輝雷刀の答えを聞くと、信者たちは首を傾げて訝しそうにする。

「もっと君達に分かりやすく言おうか。今、この大寺院にいる重要人物とやらは僕の友人の友人だ、返してもらうよ」

重要人物と輝雷刀が口にした瞬間、信者たちは目の色を変えて睨み始める。

「大寺院の中、立ち入らせて貰うよ」

「止まれ! 止まらなければ実力行使に出る!」

輝雷刀に信者達が身構えるが、輝雷刀は信者たちを見回してため息を吐く。

「口先ばかりか。君達、魔法使いとやらなんだろう、やればいい。僕は最強だ」

輝雷刀が正面入り口の大きな扉に一歩一歩近付く。入口まであと五メートルほどまで近付いた瞬間、竜理教の信者達は遂に動き始めた。

「竜王様は渡さぬ!」

信者達が輝雷刀へと魔法を集中砲火させる。メラメラと紅く燃え盛る炎が、見る者の目を突き刺し凍てつく氷柱が、神の天罰が如き雷が、多種多様な属性と形状の魔法が四方八方から輝雷刀へと襲い掛かる。

魔法は轟音を立てて輝雷刀に衝突し、その肉体をグチャグチャにするはずであった。

しかし、輝雷刀に当たった炎や雷の魔法はそのまま止まり、消える。

氷柱や土塊といった魔法で作り出された物質は、そのまま輝雷刀の足元に勢いが無くなり力なく落ちる。

「ど、どうなっている?」

「構わん、撃て、撃ち続けろ!」

炎が、雷が、風の刃が、氷柱が、爆炎が、土塊が、十人十色の魔法が嵐の様に輝雷刀の身を襲う。

輝雷刀の周りの地面はボロボロになるが、輝雷刀は嵐のような魔法の集中砲火を経ても平然と立っていた。輝雷刀に傷は一つもなく、衣服にすら一切の汚れがなかった。

「言っただろう。僕は最強だ」

「なぜだ……なぜ無傷だ!」

「止めろ! 銃を使っても構わん、撃て撃て!」

信者達は魔法だけでなく銃も取り出して輝雷刀を撃つが、銃弾は輝雷刀の体に衝突した瞬間に運動エネルギーを失ってその場に落ちる。

「銃も無駄だよ、僕には銃どころか魔法も意味がないようだね。やはり僕は最強だ」

「ふざけるな、なんなのだコイツは! 止めろ! コイツを止めろおおぉぉぉ!」

「俺が行きます。おらああああ!」

信者の一人が輝雷刀へと組み付いた。

「止めろ止めろ止めろ!」

信者達が次々に輝雷刀へとタックルでぶち当たり組み付き、遂に輝雷刀を地べたに倒すが。

「さて、では吹き飛ばそうか」

輝雷刀がそう宣言した瞬間、輝雷刀を押さえ込んでいた信者達が見えない何らかの力によって後方へと吹き飛ばされる。

信者達は地べたに叩きつけられ悶絶するが、まだ動ける信者達が次々に輝雷刀へと攻撃を仕掛ける。

「竜王様の元へは行かせんぞ!」

「効かないというのに……まあ頑張ってくれたまえ」

輝雷刀は魔法と銃弾の攻撃を受けながらも正面入り口に辿り着き、扉を開ける。

扉を開けた先の広間でも信者達が待ち構えていた。

「撃てええええぇぇぇ!」

信者達が激しい魔法の雨を輝雷刀へと降らす。

魔法は正しく十人十色で、信者たちが各々研鑽し身に付けた魔法を輝雷刀へと浴びせる。

そんな魔法の雨をシャワーの様に涼しい顔のまま輝雷刀は浴びて、信者たちを見渡す。

「やはり僕が最強か……これだからつまらない。だが役割は果たそう……さあ君達、こんなものでは僕を殺せないぞ。もっと人を呼ぶことだ!」

「ふざけおって、撃て! もっと人を呼べ! 竜王様を狙う侵入者を討て!」

「それほど竜理教にとって竜王は大切か……やはり僕の判断は正解だったな」

輝雷刀はポケットに手を突っ込んでそう呟くと囮役に相応しく集中砲火を受け続けた。

囮の役割は遺憾なく発揮することとなった。

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