表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/86

再会

すみません。一度間違えて投稿してしまいました。

魔力切れから治ったしとりあえず、支援を最小にしてから少しずつ強めていって感覚を掴んでいこうか。

先程は死にかけただけだったが、また同じような力加減でやったら今度こそ死ぬかもしれない。人間じゃないし性別も変わってしまったけれど、せっかくもらった二度目の命だ。大切に扱わないと勿体ない。


俺は最小限の力でアマルテイアへと神聖魔法をかけた。少しだけアマルテイアの体が発光し、存在感が増した。


本当に自分の魔力をそのまま、何も変化させずに注ぐんだな。工夫すれば膂力だけとか、速度だけとかに出来そうだが既にスキルの中にありそうなので暇な時でも良いだろう。


その後の2日間は支援を強めたり、支援のかけ方を変えたり、魔力を回復したりなどして過ごした。神聖魔法のバフの方は無事に感覚を掴むことができ自由自在に発動させることができるようになった。


「今後仲間や大切な者ができた時にその魔法はとても役にたちます。自分にかけて速度だけを上げたりすることもできるので、やってみてください。」


そういう事か。身体強化のように魔力を使って何かを下げて何かを上げることができるのか。でも、身体強化魔法があるし使う機会はないだろうな。

使うとすれば何かから逃走する際にこれを使って逃げるくらいじゃないのか?


「それでは次は対象の能力を抑える方をやっていきます。これは相手の魔力を自分の魔力で包み込み、抑えつけるイメージでやっていけば成功しやすいと思います。」


相手の魔力を自分の魔力で抑えつける、か。封印とかそんな感じに使うのかな?小規模または擬似的な封印とでも考えてやっていくか。


「これも私に使ってください。最初は相手の魔力を感じ取り何処にあるのか把握してください。……そしたら、自分の魔力が相手の魔力を包み込むように魔法陣を作りその後に収縮させてください。」


魔力を感知してから使うのか。2つのスキルの応用みたいなものかな?相手の能力を下げられるので、戦闘中に仲間がいなくても使えるので覚えていきたいな。


「それではまず、私の魔力を包み込んでいきましょう。この作業を最低でも1秒でできるようになれば次のステップへと進みます。」


俺はアマルテイアの魔力を俺の魔力で覆う作業を何十回も繰り返した。空気中の魔素の操作と自分の魔力の操作は少し違っていて、何度も失敗してしまったが、失敗する度に改善していきこの工程を速めていった。

覆うだけならば一瞬でできるようになった。魔力を大きくしていても自分の魔力で遮断させ無理矢理覆うこともできるようになった。


「出来ましたか。それではそのまま魔力を縮めてください。私の体の表面にまで縮められるように頑張ってください。」


力を込めて縮小させようとするが、ビクともしない。何度も力を込めたり、緩急をつけて縮めようとしたりしたが成功しなかった。


「縮め方が違います。こうやって手で物を握り潰すように構えて縮めると同時に魔力も縮小させていくのです。簡単に言うと、手の動きと魔力をリンクさせれば縮小させやすくなります。」


手の動きと魔力をリンクか……。卵を握り潰す感じでやってみようかな。両手でやった方がいいのだろうか?どっちもやって比べればいいか。


俺は片手で卵をを握り潰す感じで力を込め、同時に魔力も縮めるようにした。すると、今までビクともしなかったアマルテイアの魔力が俺の魔力に圧縮されるように縮み始めた。


「そうです。今のように特定の動き、言葉を決めておくと発動しやすくなったり、効果が増したりします。魔法の詠唱などが代表的な例ですね。

無詠唱はイメージだけで発動させているだけです。なので詠唱したよりも威力が落ちるデメリットがありますが、直前まで何の魔法か相手に知らせないメリットもあります。」


そうだったのか。漫画とかだと魔法が下手な奴が詠唱しないと魔法を使えないとかだったが、この世界では詠唱は大事なことだったんだな。


「勘違いしているようですが、無詠唱で威力が落ちると言っても微々たるものです。しかも、魔法が下手な者では詠唱しても威力が落ちる者もいます。なので、詠唱自体はイメージを支えるくらいの効果しかありません。」


とにかく、魔法に大事なのはイメージということだな。イメージの仕方によって魔法の威力や精度が変わってしまう、と言うことだろう。今後の戦闘や修行などで理解していくことができるだろう。


「それでは修行の続きをしていきます。これを応用することで存在そのものを封印していくことも可能になってきます。今後大事になってくるので極めていきましょう。」


やっぱり封印とかできるんだな。邪龍を封印とか子供の頃にかっこいいと思っていたし邪龍とはいかなくても何か封印したりするのも面白そうだ。

そのためにはこの修行をしっかりとやらなくてはな。


その後は4日もかけてアマルテイアの魔力を完全に縮められるようになった。抵抗されても無理矢理圧縮させられるようにもなった。封印の修行はアマルテイアでは出来ないので方法だけ教わって「適当に魔物とかで試してください」と言われた。


「次は例外の『リフレクション』などの修行へと入っていきます。アンデットへの攻撃手段は完全なる肉体破壊か神聖魔法による浄化しかありません。今からする修行は魔法のイメージがないと成功しませんのでしっかりと私の魔法をみてください。」


アンデットとかもいるのかよ。いわゆる不死者だろ?本当に異世界だなこの世界は。

リフレクションや浄化魔法は既に使えるが、使ったことはなかったな。『リフレクション』の鑑定結果はとても強かったので、楽しみだ。


「これは少し特殊で魔法陣が存在しません。言い方変えると、魔法そのものが魔法陣となっています。リフレクションが1番分かりやすいですね。」


確かにこの前アマルテイアがリフレクションを使った時には魔法陣がなかったな。あの時には自分の姿に戸惑っていて気にしなかったが、今考えると歪だな。


「これは相手の行動に反応して発動するため魔法陣がそのまま魔法へとなっているのです。魔力を魔法へと変える必要がないのも理由としてあります。」


つまり、魔力を火や雷などに変えて維持する必要がないために魔法を発動させる最低限の魔法陣だけで魔法が成立するということか。


「なので魔法陣の構成がそのまま魔法の効果、威力へとなるのです。これからする修行は神聖魔法ですが、同時に魔法陣の最適化の修行でもあります。」


魔法陣の最適化?火魔法の時にサラッと言っていた気がするが具体的にはどういう意味なんだ?全ての能力を最大限にすれば最適化なのだろうか?


「最適化とはどういう意味ですか?」


「最適化とは能力を最大にすることでもあるのですが、神聖魔法のようにその魔法に最も適した状態にすることです。神聖魔法の支援とかは最大にすると死んだりしてしまいますからね。」


なるほど。魔法ごとにあった性能にすることだったのか。雷では速度、火魔法では威力、神聖魔法の支援では精度なのかな?

じゃあ、今からする修行はなんなんだ?


「今から修行する魔法では一つだけ共通している事があります。それは魔力を中和するという点です。

リフレクションでは相手の魔力を中和し、反射しています。浄化ではアンデットの魔力を中和し死霊魔法を解除しているのです。他にも神聖魔法特有の能力がありますが、主に中和という点で共通しています。」


中和か……。スキルでは自動でやってくれるので大丈夫だろうが、自分で中和するとなると難しいんじゃないだろうか?

中和ということはその魔法と全く同じ魔力を操作するということだろう?やっていけばいつかは成功するだろうが、まだそこまで魔力操作が上手ではない。そんな精密な操作はまだ出来ないだろうな。


「魔力の中和と言ってもその魔法の支配権の奪取と変わりません。つまり相手の魔法を見極め、支配権を奪える魔法陣を即座につくる。なので、この修行をしていけば自然と魔法陣の最適化の修行にもなるのです。」


そういう事か。中和と言われて気遅れしたが、支配権を奪うだけならば具体的だしコツを掴めばできそうだ。

アンデットとかは腐っていて臭そうなので会いたくないが、覚えておくだけでも良いだろう。使う機会がないことを祈るがな。


「それでは最初は私が今回の基礎となる魔法陣を教えます。これは最低限干渉できるようにするだけですので、あなたが能力を変えて完全に支配権が奪えるようにしてください。」


基礎だけでも教えてくれるのか。どうしようか悩んでいたけれど、それなら支配権の奪い方の試行錯誤だけでも良くなるな。


「それとあなたの成長に関係なく魔法の威力と速度を上げていきます。比例して干渉も難しくなっていくので、死に物狂いで頑張ってください。魔法は反射ではなく、拡散させてください。」


珍しく優しいと思ったらそういう事だったのかよ。確かにこの方法は否が応でも体に叩き込まれるが、辛すぎないか?……最初は弱いようだしそこで急いで奪い方と魔法の拡散方法を理解しないとな。


「それでは始めていきます。反射ではなく拡散ですよ?消滅させてもいいですが、多分無理ですので、散らすようにしてください。一つだけアドバイスですが、二段階に分けて支配権を奪った方が良いですよ?」


そう言うとアマルテイアは雷を放った。とても遅く威力も弱いアマルテイアが絶対に撃たないような弱っちい雷魔法だ。


支配権は二段階に分けて奪え?魔法の構成の理解と魔法の拡散か?とりあえずその二つでやってみるか。


俺は神聖魔法の精度のみを上げて擬似的な鑑定をした。一部不明瞭なところがあるが、大方構成を理解することができた。続けて魔法を散らそうとしたが、干渉しようとした途端魔法が爆発してしまった。


「はぁ……。魔法の構成を確認したところまでは初めてとは思えませんでしたが、干渉を始めたら急に下手くそになりましたね。

やはり、あなたは精密作業が苦手なようですね。干渉する時にはその魔法が乱れないように、一瞬で支配権を奪わなければなりません。干渉してから奪い始めても遅いのですよ。」


干渉するだけで爆発するのかよ。本当に工夫しないと、いつまで経っても成功しないぞ。とにかく、最初はアマルテイアとの接続を切るか。そこから、自分のものにして支配権を奪っていこう。


俺はアマルテイアがもう一度撃った魔法へと干渉し、アマルテイアと魔法の接続を切り俺が制御しようとしたがその前に魔法が暴走してしまい失敗した。

その後何度も挑戦し、次第に作業の速度が上がっていったが、その度にアマルテイアの魔法への制御が強くなり支配権を奪いきることができない。魔法を乱れさせずに軌道のみを逸らすことには成功しているのだが、周囲への被害無しに魔法を無力化することができずにいた。


「大分上手になりました。支配権を奪うための狙いはいいです。ですが、その後の干渉が違います。どのようにして魔法を使っているのかを思い出しながらやってみて下さい。」


魔法の使い方?そりゃあ魔素で魔法陣を作り、そこに魔力を注いで魔法を発動させてつかうんだろ。

……もしかして、魔法を魔力や魔素に変えるためには一度魔法陣を通さないと変えられないのか?試してみるか。


俺はアマルテイアの魔法の軌道上に魔法を使う時とは真逆の魔法陣を設置した。アマルテイアの魔法が俺の魔法陣を通り抜けるとそこにはアマルテイアの魔法はなく、高密度の魔素が放出されていた。


「よく頑張りました。失敗する度に自己再生や神聖魔法で回復したりして疲れたでしょう。私から魔法のことで教えることがもうないので、今日と明日はゆっくりと休んでください。」


アマルテイアが言っているように失敗する度に怪我をして、回復していたので魔力の消費も激しかった。お陰で神聖魔法と自己再生、魔力回復速度のレベルが一つずつ上がった。

というか、今重大なことを言っていなかったか?魔法では教えることが無いと言っていたな。

仮に全ての修行が終わったら俺はどうすればいいのだろう。未だに実力ではアマルテイアの足元にも届いていない。そんなので生きていけるのか?無理だろうな。

アマルテイアが最高クラスの実力なのかもしれないが、目の前に勝てない奴がいるのだ。それなのに強くなることを止めてまで地上に行く利点はなんだ?

俺らは世界神に転生させられた。俺はドラゴンで既に動けているが人間が生後半年でどれくらいできる?ほとんど何も出来ないだろう。会ってもやれることは無いはずだ。それならばもう少しここで修行しても良いのではないだろうか。……アマルテイアからの修行が終わっても俺は独自に修行していくか。


「それでは私はあなたの新しい育て親達へと会ってきます。しばらくここを空けますので待っていてください。」


新しい育て親?それはありがたいな。丁度修行について悩んでいたし、既に誰かに師事されていた方が成長できると気づいていた。なので、アマルテイアからの紹介という信頼するには充分過ぎるほどの人物はとてもありがたい。


「わかりました。それでは師匠が戻ってくるまで、ここで待っています。」


「はい。なるべく早く戻って来れるように急ぎます。それと、戻って来る時には一人増えているでしょうが、気にしないでください。」


____________________


アマルテイアが出発してから2日経った。その間、スキルのレベルを上げていて人化のレベルが8に、龍鱗のレベルが6へと上がった。

そろそろ、アマルテイアが戻って来る頃だと思う。あの言い方だとそこまで遠い場所に用事があったようではなさそうだし、往復で2日か3日くらいの距離だろう。

……帰ってきた。気配感知に遠くて微妙だが、アマルテイアの気配とどこかで感じたことのある気配が感知された。


走っているようで、物凄いスピードで近づいてくる。あと数秒でここに着くだろう。


「お待たせしました。あなたの新しい育て親はいませんが、闇と即死魔法のみの師を拉致してきました。」


なんか、アマルテイアの言葉が物騒だが俺はその隣にいる奴への警戒であまり内容が頭に入って来なかった。そこにはこの世界に来て始めて対話し、始めて敗北した悪魔。フルフルがいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ