番外編
このエピソードは題材はございますが、あくまでもフィクションであり、リスペクトさせて頂いてます。
次に目を覚ましたとき、私はすぐに違和感を覚えた。
これは……人の頭からの視点だ。
いつもとは明らかに“視点の高さ”が違う。
周囲を見回してみると、目の前にはカメラ。
その横には女性が一人──
……いや、もう一人、白と黄色の丸い体に、唐花草のような飾りを頭に乗せたぬいぐるみ?(らしき何か)がいる。
だが、それより驚いたのは、私の依代だ。
どうやら今回は三色団子の髪飾りに意識を飛ばしてしまったらしい。
そんなこと、今まで一度もなかったが──
まぁ、これはこれで面白そうだ。しばらく様子を見ることにした。
ぬいぐるみが手を上げ、明るい声で言った。
「次のコーナーはこちら〜!」
まるで司会進行役のように振る舞うそれに、隣の女性たちは笑いながら呼応する。
カメラの前で、手元の紙を読み上げ始めた。
どうやら──これは配信番組の一幕らしい。
女性が読み上げたのはリスナーからのお便り。
丁寧な挨拶に始まり、ちょっとしたエピソードと、相談ごとや質問で締めくくられていた。
読み終えると、彼女たちはおたよりの内容に反応しながら、
「こういうことあるよね〜」「わかるわ〜」と和やかに語り合う。
時折、ビールの缶を手に取り、くいっと一口。
それに合わせて話も軽やかになる。
配信のリズムは、穏やかで、ちょっとだけコミカルで、
──まるで、団欒の席に参加しているかのような心地よさがあった。
しばらくすると、次のおたよりが読み上げられた。
投稿者は物書きをしているらしく、最近アイデアに詰まっているという。
その質問に二人と一匹(?)が回答していて、なにやらキーワードとして3つの言葉を指定してきた。
『ビール』
『お団子』
そして……
『お団子教』
────!?
まさか、あの壊滅したはずの教団のことか……!?
だが、よくよく考えてみれば、
教団が解体されたのはつい先日のこと。
時差的に情報が届いていないのだろう。
どうやら「お団子教」は、都市伝説的なネタ扱いで、この配信にも取り上げられているらしい。
まったく……。
過去の“神話の歪曲”が、現代では“エンタメのネタ”になるとは、神としても複雑な気分だ。
だが、配信は終始和やかで、笑いがあふれ、視聴者も楽しそうだった。
そんな人間の姿を見ていると、不思議とこちらまで心が和む。
たまにはこんな“寄り道”も悪くないか。
私は、次の循環まで、再び静かに眠ることにした──
物語を読んで頂き、ありがとうございます。
今回の作品を作るきっかけは、ある方々にお悩み相談をして、キーワードを頂いたので、それを元に作成しました。
世界観とキーワードに沿ったストーリー作りに大変でしたが、方向性が決まると意外とスムーズに書けたのでとても貴重な体験が出来ました。
この場を借りて御礼を申し上げます。
今後も物語は書き続けて行きますので、拙い文章ですがこれからも応援してくれるとありがたいです。




