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3番目の婚約解消 48 作戦開始!

いつもありがとうございます!

話はまだまだ続きます!



 ルカが会場にいることは、アンジェリアももちろん分かっていた。けれども、実際にアンジェリアへ向かってルカが歩みを進めると、なんとも言えない緊張感をアンジェリアは感じていた。


 ーーーーどうしよう…。こっちに来るよ…、うわ! 本物のルカだわ、いつぶりかしら…?


 ルカは穏やかな表情でアンジェリアに向かって来る。青い礼服を身に纏った姿に、アンジェリアは目が離せなくなった。


 ーーーーもう、フォーガス国の王太子になったのよね? 昔から王子様か、天使様かと感じてたけれど、本当に王子様になっちゃうなんて…


 アンジェリアは久しぶりのルカとの再開に瞳をキラキラさせたが、ふと我に返った。


 ーーーーコーナー王女がいるここに、ルカが来ちゃうの?! 不味くない?!


 アンジェリアは久しぶりの再開に頬を染めていたが、一瞬にして顔を青ざめさせた。

 これ以上、コーナー王女を焚き付けては不測の事態を招き兼ねない。

 アンジェリアは恐る恐るコーナー王女を盗み見ると、コーナー王女は恋する乙女の表情でこちらに歩いてくるルカを熱く見つめていた。


 ーーーーコーナー王女は、ルカが自分を迎えに来たと思ってるんだわ…、


「ぷっ! アンジェ、百面相し過ぎだよ…。さぁ、ルカとの逢瀬を楽しんできて。コーナー王女によって、散々、アンジェは苦労をかけられているんだ。しっかり、借りを返すつもりで、ね?」


 ルルドもアンジェリアの耳元に小さく囁くと、こっちを見ていたルカが、あからさまに嫌そうな顔を見せた。


「ーーっ! 笑っちゃいそうだよ? 演技でもなく、ルカは素直に嫉妬してる」


 ルルドはもう一度アンジェリアの耳元に囁くと、レオンと同じくアンジェリアから少し離れた。

 入れ替わるように、ルカがアンジェリアの元に近づいてくる。


 ーーーールカだわ…、こんな大人の人に見えるなんて!


 フォーガス国の礼服を身に纏ったルカは、アンジェリアよりもずっと歳上の大人の男性に見えた。アンジェリアは、ルカに再開できた喜びよりも、ルカが遠くの存在になってしまったようで、少し寂しさを覚えた。


 ーーーールカが何だか、手の届かない人になってしまったようーー

 


 せっかく久しぶりにルカと会えたのに、こんな気持ちになるなんて我が儘かしらと、アンジェリアは思った。アンジェリア達にそっちのけにされたコーナー王女も、ルカが自分の元に辿り着くのを今か今かと見つめている。


「ーールルド=シューベルト=サスティアル様、レオン=コーション殿、先程ぶりでございますーーアンジェリア=コーディル嬢、再び会えることを待ち焦がれておりました」


 ルカは、アンジェリアの傍にいたルルドとレオンに軽く挨拶を済ませると、緊張して固まっているアンジェリアの手をとった。そして、コーナー王女を丸っと無視して、アンジェリアの前で跪くと、共にダンスをと乞う。


「アンジェリア嬢、貴方に恋焦がれ、ここまでやって来た憐れな私と、どうかダンスをーー」


「ーーふふ、ルカ殿には僕達はお邪魔なようだね? レオン殿、あちらにいる叔母のシャーナ公爵を紹介しよう」


 ルルドとレオンはパーティーの前にルカと面会をしており、軽く打ち合わせ済みだ。この場を後は任せると、ルルドはどこか寂しそうな表情のレオンを連れて、シャーナ公爵の方へ歩きだした。

 残されたコーナー王女は、ルカが自分を迎えに来たのではないと悟り、顔は怒りで塗りつぶされ、手に持っていた扇がミシっと鳴った。


「ーー久しぶり、ね? ルカ」


 ーーーーコーナー王女には悪いけれど、ここは計画通りにルカとダンスを踊らなくては…


 1人置いてきぼりになるコーナー王女を無視する形になり、アンジェリアは心苦しかった。けれども、そのコーナー王女の悪事を暴くためには、周りの目を気にしてもいられない。


「ーーもちろん、私も貴方とダンスを踊りたいわ」


 アンジェリアは、少し背伸びした大人っぽい微笑みを浮かべて、ルカのダンスの誘いに乗った。

 ルカは軽く目を開いたが、アンジェリアの手を引いて、フロアの中心に進み出た。

 アンジェリアとルカが去った場所には、青筋を立てたコーナー王女が、爪を噛みながらぶつぶつと何か呟き始めていた。



◇◇◇◇◇



「ーーそんなに見つめ続けても、アンジェの心は君のものには決してならないよ? レオン、君に勝ち目はない。まぁ、僕もだけれどね」


 アンジェリアとルカがダンスをしているのをフロアの端で眺めながら、ルルドはレオンに話し掛けた。それでも、レオンはルルドのからかいを無視し、ダンスを続けるアンジェリアを見ていた。


「おやおや? ルルドもアンジェリアを欲していたのかしら? シャルレインもアンジェリアを好ましく思っていたようだから、女性の好みは兄弟して同じだったということ?ーーそれにしても、ルルド、お前も、アンジェリアを目で追っているわよ? なんと、2人とも諦めが悪い」


 ルルドの言葉を引き継いで、シャーナ公爵が反対にルルドをからかうように笑った。ルルドは、少し顔を赤らめて、シャーナ公爵に視線を移す。


「叔母上は、アンジェをどうされたいのです? お父上は彼女ーーアンジェの望むよう手伝えと、私に仰せでした。しかし、このまま大陸の国の争い事に巻き込んだままで、本当に良いのでしょうか?」


「では、アンジェリアをフォーガス国のルカに預ける? あの国も、今後コーナー王女の罪が明るみになれば、王政が揺らぎ兼ねないのに? 時期が悪すぎるわーーサスティアル王国にアンジェリアを連れていくにしても、今は良くないの。そうすれぱ、今度は、ガーライド王国のコーディル家、サーシャの立場が悪くなるのよ」


 ルルドの問いにシャーナ公爵は軽く、けれどもはっきりと答える。ルルドは、簡単にはアンジェリアを助けられないと告げられ、唇を噛んだ。


「ーーアンジェは、コーション国の、私の婚約者です。私の力が及ぶ限り、彼女を守り抜きますーー2人とも、もう少し集中してくださいませ!」


 レオンは視線をアンジェリアに残したまま、お喋りを続ける2人に注意を促した。レオンは、サスティアル王国の魔力を詳しく教えて貰っていなかったため、2人が注意力散漫に見えたのだ。


「おやおや、レオン殿に怒られてしまったわねーーまぁ、アンジェリアは、コーション国に留まる、それが今は1番でしょ。レオン殿の婚約者に収まり、国際間の動きを見るしかないのよーーとりあえず、今は呪詛の元凶を明るみにする事を優先せねば、ね? ほら、原始の呪詛をフォーガスの女が操り始めたようだわ。 ルルド、お前には黒いオーラが見えるでしょう?」


 レオンに注意を受けたシャーナ公爵は、下位の者から指摘を受けたことを全く怒りもせず、笑って遣り過ごした。シャーナ公爵もルルドも、魔力や呪詛の流れが一目見ればわかるのだ。

 ルルドの目にも、コーナー王女から黒いオーラが放たれているのが確認できた。


「いよいよ、コーナー王女が始めたようだ。レオン、計画通りに、先ずは身の安全を最優先してよ。叔母上と叔父上、それから僕はこのホールを守る。それからアンジェのことは、ルカに任せてね?」


「ーーっ!!」


 レオンも、本当はアンジェリアを助けたかった。けれども、作戦会議で魔力を全く持たないものが呪詛に巻き込まれたら厄介だと、シャーナ公爵からきつく言われていたのだ。

 それに、レオンの身に何かあれば、カイル王子の国王即位が確実になってしまう。

 レオンも頭では理解しているが、それでもホールで踊り続けるアンジェリアを置いて、後方に逃げたくはなかった。


「レオン、言う通りに!! 君の力では、コーナー王女の呪詛に敵わない!!」


 再度、ルルドが注意を促しだが、レオンはその場から動かなかった。業を煮やしたルルドは、傍にやって来たナサルにレオンを引き渡す。


「ーー頭を冷やせ! 落ち着くんだ! レオン、お前、計画を潰すつもりか?!」


「ーー!!」


 珍しく怒りを露にしたルルドがレオンを叱りつけると、レオンはハッとして渋々ナサルと共にその場を後にした。

 傍で見ていたシャーナ公爵は、ルルドのそんな様子を見て、彼自身も冷静さが必要だと溜め息をついた。


「ーー我が姪は、モテモテのようだわ」


「ーー姉上も、少しは彼らを見習って、もう少し真剣になられては?」


「おや? 珍しい! お前がそんなに真面目に振る舞うなんて!」


 静かに横に歩いてきたレイモンドの言葉にシャーナ公爵は軽口を叩く。ずっとふざけた態度のシャーナ公爵も、今回ばかりはレイモンドの指摘を受け、コーナー王女とアンジェリア達の動きに注意を戻した。

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