閑話5 小鬼狩
いやはや、全然思い浮かばんのです
やはり、趣味に走るべきでしょうね、ここは
「おい」
「なんだよ?」
「あれが、『小鬼狩』か?」
「あぁあ?…あぁ、そうだ。手ェ出すなよ、あれでC級。『小鬼狩』なんて、馬鹿にしたような異名だが実力は本物だ。なんせ、独りで小鬼王を討伐しちまったんだからな」
冒険者協会スタリア支部の建物に併設されている酒場や喫茶店のように機能している休憩所で二人のしがない男たちが最近有名になった冒険者を見つけて話し込んでいた。
ゴブリンキングを小鬼王と呼ぶ、やや東方訛りのある男たちの視線の先にいたのは、どこにでもいそうな平々凡々な男であった。
「それで、あいつは支部長と顔見知りなんだって?」
「あぁ、そうらしい。あいつはかなり長いことこの町で活動していた。たぶん、面倒な依頼をこなしてきたんだろうさ」
「ふーん、なるほど。武力よりも町の一員としての信頼で食ってるタイプか」
問いかけた方の男。無精髭を生やした強面でガタイもいい方の男は、一人納得しかけた。しかし
「いや、あいつは大分人見知りでやってるのは、薬草採取や小鬼討伐なんかの端くれ依頼ばかりだ。確かに感謝されるような依頼だとは思うが、町の連中にその顔が知れ渡るような内容じゃねぇ」
先程から饒舌に語る男が反論した。こちらは小柄でどこか小動物のような印象を与える男だった。
「てぇと、じゃあなんだ?完全に支部長の懐刀的なヤツなのか?」
「ま、そんなところだろうよ」
と話を締めくくり終えたところで、男たちの席に注文していた酒が届き、それからはたわいも無い話をしだした。
東方訛りの男たちが見ていた男、シカラは今日も今日とて依頼掲示板を見ていた。
(ええと、薬草採取、毒草採取、小鬼の巣調査、大鬼の出没情報の裏取、竜血華の採取、せんね……?竜血華の採取だと?)
シカラが目に止めたのは、他の採取依頼に紛れ込んでいた竜血華という植物の採取依頼。
この竜血華というのは、とても生命力の強いことで有名で、あの竜族が子竜に食べさせるほどに薬効の強い霊草の類でもある。これを人族が煎じて飲めば、たちどころに些細な健康障害は回復し、不治の病ですらも寿命を確実に延ばすほどである。
しかし、この霊草だが、一般には知られていない魔草の如き効果もあった。
「これにするか」
シカラは珍しく声を出しながら、竜血華の依頼を受け付けに持っていった。
「はい、竜血華の採取ですね。おや、シカラさんでしたか、珍しいですね、いつものではないなんて」
シカラを担当したのは当然のごとくカンナであった。最早、他の職員をどうか……もとい交渉したのだろうシカラが依頼を持っていっても反応しないのだ。仕方なしにシカラはカンナの元に行くしかないのであった。
「少し気になってな。……依頼主はどんな人だ?」
シカラも慣れたのか、カンナ相手なら多少は口数や間の取り方にも進展が見えた、いやこの場合は聞こえたであろうか?
「?……依頼主ですか?えーっと、確か黒いフリルがたくさんあしらわれた少女と大人の間くらいの年頃の綺麗な人でしたよ?何か気になることでもあったんですか?これシカラさんだから教えてるんですよ?本来なら依頼主の情報はみだりに公開するようなものじゃないんですからね」
「……あぁ、わかっている。……支部長にこの依頼について報告しておけ」
「?…わかりました。シカラさんはこのまま依頼を遂行するんですね?」
「あぁ」
「それでは、いってらっしゃいませ」
トボトボと足音なくシカラは、協会を後にした。
読む方が楽しい現実。設定をこねくり回す方が楽しい現実。黒歴史を重ねているという悲しい現実。
あぁ、私を何をやっているのだろうか?
カンナ「先生、しっかりしてくださいな、私とシカラさんを良い感じにするのです。ファイトーオー!!!!」
元気ですねぇ、カンナさん、お茶淹れてくれませんか?
「?…はーい」
いやはや、休憩休憩と




