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神は勝手なのだと知っている  作者: 神狼 龍王《みたらしだんご》
第2章 不屈は愚行か、君たちは知っているか
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閑話2 人見知り冒険者1

閑話がしばらく続くかも?

俺は、しがないE級冒険者だ。


スタリアと呼ばれる比較的平穏な街で暮らしている。


今日もまた、俺は冒険者協会の扉を開ける。


まあ、どうせ受けるのはゴブリン退治か薬草採取だがな。


「おはようございます。シカラさん」


俺に挨拶がかけられる。その声の主はこの協会きっての美人受付嬢カンナだった。


「……おはよ……」


俺は微妙な間の後に挨拶を返す。俺は極度の人見知りだった。


「昨日はありがとうございました。今度お茶でも一緒にいかがですか?」


俺は冒険者登録をして数年になろうとしており、また、カンナが受付嬢として就職したのと同時期のことだったと記憶している。


だから、カンナが俺が人見知りであるということを知らないはずはなく、それはつまりそれでもなお


「「「「はっ?……え、ええええええええ?!!??!」」」」


俺が頭の中でカンナのセリフを理解しようと努めていたところに、周囲で聞き耳を立てていた燻っている冒険者たちの驚愕の叫びが協会内に轟いた。


「て、てめぇ!シカラ、なに抜け駆けしようとしてやがんだ!!」


「そうだぞ!シカラ!」


「カンナちゃんは俺が狙ってたんだぞ!!」


「俺だって狙ってたわ!!」


「ワタシだって狙ってたのよ」


「えっシカラさん、カンナさんが好きなんですか……」


そして、俺のほうになんとも自分勝手なことを言い放ってくる荒くれたち。……最後、二つのセリフはどういうことだ?


俺はこの状況をどうにかしようと口を開こうとして、結局人見知りのせいで言葉は出てこず、口をパクパクさせるだけに終わる。


仕方なく、爆弾発言をかました当人を非難がましく睨んでみたが、目をしっかりと合わせて軽くきれいに微笑まれ



ーなんとも言えない気分になるのだった




はぁ、こんな性格じゃなきゃ普通に喜べただろうに。









その後、俺は結局なにもできず、周囲に流されていつのまにか事態は収束していた。そして、俺の手に握られる一枚の依頼書。


ゴブリン討伐

依頼主:ヘーゲル 脅威度:E

名もなき村近くの山中にまたもゴブリンの群れが出没した。早急に巣を発見、殲滅してほしい。

報酬:銀貨一枚


まあ、いつものゴブリン討伐だ。この街で生きるなら日銭で銅貨三十枚あれば暮らしていけることを考えれば、銀貨一枚は脅威度:Eとしては真っ当な報酬額だった。


だが、問題は場所だ。名もなき村は確か一月ほど前にもゴブリン討伐の依頼をしていたはずだ。その時は俺ではなく、どこぞのA級冒険者が暇つぶしに受けていたらしい。いま、酒場に行けばその冒険者が王都で偉業を成し遂げた話でいっぱいだろう。確か、その内容から、異名がつけられたはずだがなんだったか?


まあそんなことはいい。一度、巣を潰されたところには、いくら繁殖力の強いゴブリンどもでも三ヶ月は間が空くのが普通だった。そう三ヶ月だ。間違っても一月でゴブリンどもが湧いてくるなんてことはない。しかし、実際には一月でゴブリンが発生してしまっていたのだ。


協会は別の群れが流れてきたとでも思ったのか、そこまで危険視はしていない。しかし、ゴブリンの情報に関してしっかりと把握している物好きならば発生の間隔の縮小に危機感を持つはずだった。


まあ、そんな情報は今言ったところで信用されないだろうし、俺が頑張りゃいい話でもあった。

シカラの言う一月前はショーンたちがエコールに向かっている途中の時間を起点にしての一月前です。


また、ショーンの異名は、エコールに伝わっておらず、本人とその周囲も認知していないため三章7話で異名なしのA級冒険者と呼ばれていても間違いではありません。

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