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神は勝手なのだと知っている  作者: 神狼 龍王《みたらしだんご》
第2章 不屈は愚行か、君たちは知っているか
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第5話 ポニーテールは裏切らない

「へっ…きゃーーー!ごめんなさーーーい!」


黒髪ポニーテールの女性の謝罪にしかし、ショーンは気絶で反応できなかった。


パニックに陥っていた女性は、ショーンの気絶に気づきさらにパニックには


「へっ?この人まさか…」


ーならなかった。ショーンの顔を見て何やら思案げな顔をした女性は曖昧な記憶を思い出すような独り言を言いながら、ショーンを()()()()にする。


しかし、ショーンはただの気絶である。別にそんな応急処置は必要ないし、そもそもショーンの体は普通よりもだいぶ頑丈である。


「うっ…」


回復体位して、約二秒後ショーンは目を覚ました。やはり回復体位の意味はなかったのである。


「だ、大丈夫ですか?」


「あ、ああ…」


気絶から覚めて困惑しているショーンはその声に記憶を刺激された。改めて、女性の顔を見ようとして


ー絶句した。


女性は未だに黒猫を抱えいる。その執念には、基本的に感情の動きがないショーンすらも怒らせる


ーものではなかった。


ショーンはその姿に感動すら覚えていた。意を決してショーンは口を開く。


「相変わらずですね。九重センパイ…」


「やっぱり、神原君なんですね!久しぶりです!」


九重 友花。ショーンまたは神原 星の一つ年上の日本人である。才色兼備の完璧超人、高校では生徒会長を務めた模範的優等生、かに見えた。その内実を知るショーンは高校での九重の振る舞いに絶句していたものだ。なにせ、九重は重度の()()()()である。


彼女は何よりも動物を愛でることを第一とする。生粋のモフリ信者なのだ。その対象は人間すら含まれる。その界隈では有名な悪食ケモナーでもあった。


今も彼女は黒猫を撫でながら、ショーンの髪の毛を撫でている。恍惚としながら撫でているのである。





ショーンが九重との再会を果たして数分、彼らは裏路地から脱出していた。


九重への腕には未だに黒猫が抱えてられている。


「ところで、トーカセンパイどうして走ってたんですか?」


ショーンは九重からこの世界にいる経緯を聞く過程で、九重の呼び方をトーカに変えていた。

ショーン自身がレイルに名乗る時、星をショーンと間違えられたように、九重もどうやら友花をトーカに聞き間違えられたらしい。ショーンと違い、何度も訂正したそうだが、どうしてもトーカと呼ばれるのだとか。そもそも、ショーンが訂正をしなかったのがおかしいのだ。この男は自分の名前にすら興味がない。

まあ、そういうわけでショーンは九重をトーカと呼ぶ。センパイ呼びは変わらないが。


「うん?いや、だって裏路地って危険そうでしたから」


「でも、猫は確保したんですよね」


「はい!当然です!」


ブレないセンパイにショーンは小さく溜息をつくのであった。


「それで、トーカセンパイは女神に拉致られたんでしたね?」


「そうそう。ポッチャリ女神に拉致られたの」


ショーンはトーカがこの世界に来た経緯を再確認する。


九重 友花、改めトーカはショーンとは別の神に拉致られたらしい。曰く、ポッチャリ女神に異世界行け、拒否権はないとあっさりと言われた挙句、それで話は終わりだとばかりに強制転移だったそうだ。そのあとは、頭の中になぜかある常識を頼りに獣人モフリたいなーとか思いながら生活していたそうだ。その説明でショーンは少年神はまだ良心的だったのかと頭を抱えた。


「で、ショーン君。お仲間はどこかな?」


トーカもショーンをショーンと呼ぶ。理由は一緒だ。ショーンもこの世界での経緯をトーカに話してあるため、トーカはショーンの仲間の居場所を聞く。その頭のなかには、どんな髪質だろうかという妄想しかないのだが、まあ黙っていればトーカは美人である。ちなみにトーカは知り合いぐらいはいるが仲間はいない。


「おーい!ショーンさーん!」


「はあ、やっと見つけた…」


「むっ、隣のおんなはだれ?」


トーカの問いにどう答えたものかと悩んでいたショーンのもとに、レイル、カーミラ、サクラの声が届く。


「あっ、あれだ。俺の仲間」


「おーそうみたいだね!いやーあの赤髪の子、いいねー!艶があるよ、艶が!」


トーカが鼻息荒く言葉を発する。


「やめとけ。赤髪は一応王族だ。ろくなことにならん」


「むーそうなのか。てか、ショーン君、敬語が崩れたよ」


「どうでもいいだろ」


「そっだねー」


ショーンの言葉にトーカはワキワキとしていた手を引っ込め。次いで、ショーンの言葉遣いの変化に気づくが生来モフリしか頭にないトーカはさして気にしなかった。真実は、異世界に来て猫を被らなくて良くなったトーカの発言に、ショーンが完全に敬意を失ったということである。



一方、アニヤはショーンから盗ってきたお金で買った串料理をこれでもかと頬張っていた。ちなみにショーンは小金持ちになっている。報奨ですごいことになっているのである。


「ふがうへしょ、はくはがかへへいさんめんとさっらはけしょ」


アニヤが口に物を詰めたまま、メタ発言をしたが真実は誰にもわからなかった。

九重先輩の口調も変わってますが、この人は多重人格みたいにコロコロいろんなところが変わる人なので間違いじゃないです。この人、猫被ってるときホントすごかったですからねー

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