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神は勝手なのだと知っている  作者: 神狼 龍王《みたらしだんご》
第2章 不屈は愚行か、君たちは知っているか
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第4話 学術都市は平和です

今回はカンナさんの名前が登場します。


カンナ「名前だけ?」にっこりと首を傾げて


ひっ!?ごめんなさい、ごめんさい

なまえだけなんですーう

「で、誰に会うんだっけか?」


ショーンの言葉である。


もう一度言う、ショーンの言葉である。


己のことについて調べに来たはずなのに、誰に会うかを忘れているショーンに、しかし誰も引きはしなかった。ショーンとはそう言う存在である。


エコールまでの三週間、ショーンがボケ老人のごとく、飯の時間を聞くの100回ちかく、同じものについて質問するの50回ちかく、自分の荷物を確認して首をかしげること80回ちかい。皆、悟ったのだ。


ショーンは、忘れっぽい人間であると。


一番怖いのは、スタリアに戻ってカンナと対面するときである。しかし、それはいま関係することではない。


「はぁ、ショーンさん、自分のことを調べるためにケイロンという人に会うんですよ」


レイルの呆れ混じりの声が答える。


「おーそうだったな〜」


ショーンは呑気に反応する。


ここは学術都市エコールの宿屋安らぎの金鶏亭の部屋の一つ。大部屋である。もちろん、ショーンは別部屋を頼もうとしたのだが、ほか4名に押し負けた。


「ショーン(さん)だけ、個室とかずるい」と


もちろん、ショーンは皆も個室でいいと言おうとしたのだが、もったいないの一言でそれはむなしく封じられた。


しかし、理由はそれぞれだ。レイルは好意、カーミラとアニヤは面白そうだから、サクラはテンションがおかしかったから。


ともかく、ショーンたちは学術都市にいた。









学術都市エコールはそのほとんどが石造りだ。見渡す限り白白白。どうやって掃除しているんだと現代人なら文句が言いたい白一色。しかし、学術都市の名の下に水魔法を扱える者総出で掃除しているのだ。


そんな都市の石畳をショーンたちは歩いていた。目指す先は学術都市の象徴、大図書館である。この世界において紙はそれほど貴重ではない。それに関しては早々に天才が生まれて解決したのだ。(ショーンは転生者か転移者の仕業と思っている)しかし、印刷技術については未だ開発されていないため結局本という物は高価な物となっている。そんな本をこれでもかと集めて管理しているのが大図書館である。人間の認識範囲においては、そもそも図書館はこれ一つしかないのだが、なぜか大とついている。


まあそんなことはどうでもいい。ショーンたちにとって、重要なのはこの大図書館にケイロンなる人物がいるということだ。


「ショーンさん、ケイロンさんがどのような人か、ガンドルフさんから本当に聞いてないんです…か」


「レイル、どうしたの?」


ショーンに問いかけて、固まったレイルを見てサクラが問いかける。


「ショーンさんがいーーん」


「えっなに?」


その言葉を聞き取れなかったカーミラが今度はレイルに問いかける。


「だから、ショーンさんがいないんです!あの()()()()のショーンさんが!」


そこで一同は絶望の表情を浮かべショーンがいたはずの方向を見る。しかし、そこにはショーンとついでにアニヤの姿はない。代わりに黒猫が1匹不思議そうにこちらを見ていた。


「にゃ〜?」


「あの人どこ行ったんですか!なんで、こんなとこではぐれたりするんですか!バカなんですか!」


「にゃっ!?」


サクラの大声で黒猫はびっくりして走り去って行った。それを名残惜しそうにカーミラが見ていた。








「ありゃ?ここどこだ…」


一方ショーンは裏路地にいた。フラフラと前を行くショーンとしてはレイルの足を追いかけていたらここにいたのである。


ショーンからすれば不思議な話である。第三者からすれば、馬鹿げた話である。ちなみにアニヤは観光しているだけである。よってここにはいない。


「あー、はぐれちまったなこりゃ…」


ショーンは自覚のある方向音痴である。レイルたちがはぐれたとは思わない。よってとりあえずこの薄暗い裏路地からの脱出を試みる。しかし、その方向はもっと奥に行く方向だと誰か教えてあげてほしい。


ショーンがトボトボと歩いていると、奥から足音が聞こえてきた。それもかなり早い。おそらく足音の主は走っているのだろう。


ショーンはしめたとばかりにその人に道を聞こうと待ち構える。ショーンは自覚のある方向音痴である。


はたして、現れたのは黒髪ポニーテールの女性であった。その腕には黒猫が抱えられており、なんとも幸せそうな顔でしかし焦った表情で前の確認もせずに猫を眺めているものだから


「あの、すいま、へぶお!」


道を聞こうとしたショーンと追突事故を起こしていた。


「へっ…きゃーーー!ごめんなさーーーい!」


女性の悲鳴のような謝罪は天にむなしく木霊した。






「うん?」


その頃、露店を冷やかしまくっていたアニヤは、何か聞こえたようなと首を傾げていた。しかし、気のせいだろうと思い直し観光を再開したのであった。

学と言えば

やはり衝突事故ですよね!(←偏見)


カンナ「そんなことより、私をなんだとおもってるんですか?」


えっえーっと…その、…


えーい、ままよ。退散!


カンナ「にげるなー!」

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