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異世界初の配信者になった俺、応援の魔力で成長しながらダンジョン配信したら英雄になっていた  作者: もなか鈴木


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第一話 異世界初の配信者

初投稿作品になります。

毎話そこまで長い内容にはしない予定なので暇な時間にサクッと読んでいただければとても嬉しいです

「本日の配信はここまでです! 来てくれたみんな、本当にありがとう!」


 俺は笑顔を作って配信終了ボタンを押した。


 画面が暗転する。


 そして、静寂。


「……はぁ」


 笑顔は一秒で消えた。


 部屋にあるのは、安物のデスクと中古PCだけ。登録者数284人。平均同接2人。

 

 久城蓮。

 二十四歳。

 底辺配信者。


 動画編集もした。

 毎日投稿もした。

 流行りのゲームにも飛びついた。


 それでも伸びなかった。


「才能ねぇのかな……」


 モニターに映る自分の顔は、疲れ切っていた。


 SNSを開けば、同年代の人気配信者たちが何万人も集めている。


 嫉妬しないと言えば嘘になる。


 だが、一番つらいのは。


「好きだったんだけどな、配信……」


 誰にも届かないことだった。


 その時だった。


 PC画面が突然、白く発光した。


「え?」


 次の瞬間。


 視界が真っ白に塗り潰された。



 目を覚ますと、石畳の上だった。


「……どこだここ」


 空には二つの月。


 西洋風の街並み。


 道を歩く人間の中には、獣耳やエルフまでいる。


「異世界……?」


 理解が追いつかない。


 だが、それ以上に。


「腹減った……」


 現実的な問題が先だった。


 所持金ゼロ。

 知り合いゼロ。

 言語だけはなぜか理解できる。


 完全に詰んでいた。


 とりあえず職を探そうと歩き出した瞬間、頭の中に声が響く。


【固有スキル:《ライブ配信》を取得しました】


「……ライブ配信?」


 目の前に半透明の画面が浮かぶ。



【ライブ配信】


・映像と音声を不特定多数へ共有可能

・視聴者との双方向通信可能

・応援により配信者へ魔力還元

・魔力が一定数集まると新しい魔法を取得



「いや意味分からん」


 異世界転生で配信スキル?


 剣聖とか賢者じゃないのか普通。


 だが、一番気になるのは。


「“視聴者”って誰だ?」


 試しに念じる。


「……配信開始」


 すると。


 目の前に光の板が出現した。


 そして数秒後。


 通行人の一人が足を止めた。


「……なんだこれ?」


 冒険者風の男だった。


 光の板には、男自身の姿が映っている。


「うおっ!? 俺がいる!?」


「え?」


 さらに人が集まってくる。


「魔道具か?」

「鏡?」

「動いてるぞ!?」

「なんで景色が映ってるんだ?」


 ざわつき始める周囲。


 俺は固まった。


「まさか……」


 この世界には。


 “配信”の概念が存在しない?


 テレビもネットもない世界。


 リアルタイム映像共有という文化そのものがない。


 だから。


 ただ映像が映るだけで、人々は驚愕していた。


「す、すげぇ……!」

「未来視の魔法か!?」

「おい、こっち映してくれ!」


 光の板の周囲にどんどん人が集まる。


 子供まで走ってきた。


「ねーちゃん! 俺映ってる!」


「ほんとだ!?」


 そして。


 画面の端に文字が浮かぶ。


【現在視聴者数:12】


「……は?」


【視聴者数:35】


【視聴者数:79】


 増えていく。


 俺は息を呑んだ。


 人が。

 見ている。


 俺の配信を。


 現実世界では誰も見てくれなかった。


 どれだけ頑張っても埋もれていた。


 なのに、この世界では。


 ただ“配信”するだけで、人が集まってくる。


「兄ちゃん! もっと見せてくれよ!」


「ダンジョン映せねぇのか!?」


「ドラゴンとか見たい!」


 興奮気味に叫ぶ群衆。


 その瞬間。


 頭の中で、何かが繋がった。


 テレビも。

 動画サイトも。

 配信文化も。


 この世界には、存在しない。


 なら。


 俺が最初になる。


「……面白い」


 胸が熱くなる。


 日本で底辺だった俺でも。


 この世界なら。


 誰も見たことがない“エンタメ”を作れる。


 震える指で、俺は配信画面を開いた。


 タイトル入力。


『【世界初】ダンジョン生配信』


 送信。


 その瞬間だった。


【視聴者数:312】


 街が、どよめいた。

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