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70話_アービシアとの問答

 ライラさんに案内された私達はギルドの地下へと進んで行った。


「地下牢かな?誰に会うんだろう?」

「んーとね。ふんふん。アービシアだね!」

「王宮じゃなくてギルドの牢なの?」

「ああ、伝えてなかったね。アービシアをごうも、聞き込みをしてたらサクラとセレシア様を呼べと言われたんだ。」


 今拷問って言おうとしたよね?べつに隠すことでもないと思うけど…。


「あんなんでもサクラの父親だからじゃないかな?」


 セレスが耳打ちしてきた。なるほど。私への配慮だったか。…ほとんど言ってたけど。


「魔法封じはしてあるけど半分以上魔族化しているからね。ライアス君には念の為に来てもらったんだ。闇魔法を使うようだったら光魔法で打ち消してくれ。王宮の牢に居ないのは他の大臣達が嫌がってね。拷問のプロもいる事だしちょうど良いからギルドに収容したのさ。」


 魔法封じは魔族には効かないんだっけ?今の私なら闇魔法にも掛からないと思うけど…。というか結局拷問って言ってるし…。まあ、念の為だしありがたく守ってもらおう。


 ―――


 アービシアの牢の前に来た。


「来たか。」

「私とセレスに用があるって?」


 こちらを見るアービシア。身体中に拷問で付けられたであろう傷が残っているが気にしていなさそうだ。。


「さて、二人を連れてきたよ。魔王について知ってる情報を吐きな。」

「くっくっく。その前にそこの神霊サマに幾つか聞きたいことがある。」

「待ちな。先に情報を吐いてからだよ。」

「いや、いいよ。なに?」


 やたらセレスが警戒してる?何か仕掛けて来るんだろうか。


「いやなに、単純な疑問だ。何故オレだけ捕縛したんだ?他の魔族、ヴァニティアとかも生け捕りにした方が良かっただろう?オレよりも魔王に近い存在がいたんだ。不自然じゃないか。」


 …!言われてみれば確かにそうだ。依頼として魔族は殲滅するように言われてたから気付かなかったけど捕縛命令が出たのはアービシアだけだった。


「…スパイがいると思うように誘導してるね?」

「誘導。ではなく真実だろう?現にお前はオレを助けた上に今も魔王の居場所を隠している。」


 !?セレスが…?いや、魔王の事は知っていそうだったけど居場所までは知りようが無いはずだ。


「くっくっく。サクラも疑い始めたようだぞ?」


 セレスを疑う?いや、セレスは魔王のスパイじゃ無いはずだ。スパイなら祝福だってしなかっただろう。


「待てよ、セレスがあんたを助けたのはサクラの親族だからで悪気は無かったし、居場所は知りようが無いだろうが。」

「本当にそう思うのか?知りたいことであればなんでも知れるんだろう?」


 なんでアービシアがセレスのスキル(ベルフェゴール)を知っている?…そうか!遺跡で偽セレスの魔力を取り込んだ時か。でも正確には全く知らない情報は知ることができないはずだけど…。使える期間が短すぎてそこまで検証できなかったのかな?


「ふん。あんたがなんと言おうがセレスはスパイじゃない。現にあんたが闇魔法を使ってるのがその証拠だ。」

「そうだね、セレスの能力も強力だけど完璧ではないよ。」

「くっくっく。そう考えるのもお前たちの自由だ。それで、質問の回答は?」

「私には分からないよ。強いて言うならアービシアが人族だから。じゃないかな?」


 人族だから?そうか、情報を吐かせようにも魔族だと魔法封じが効かないから危険が多いのか。


「ふーむ?今のオレは魔族だか?」

「体育祭で襲撃してきた時はまだ人族だったんでしょ?捕まえるまでアービシアが魔族になってたことは知らなかったもん。」

「そうだったな。そういう事にしておこう。」


 アービシアがセレスから私に向きを変えた。


「サクラ。いくら仲良くなっても神霊を信じるな。これは父から娘への忠告だ。」


 今更何が父だ。これはアービシアの罠だ。セレスが本当にスパイならわざわざ闇魔法を掛けてくる必要はないし。何より祝福で繋がりが強化されたおかげでセレスが嘘をついていないと私には分かる。


「忠告ありがとう。でも大丈夫。セレスが嘘を言ったら私は分かるし、逆に私が嘘をついたらセレスが分かるほどには仲良くしてるから。」

「サクラ…。うん。私はスパイじゃないしサクラの味方だよ!」


 セレスから感動した心が伝わってくる。そうか、私が一度不安になったのも伝わっていたのか。


「うん。セレスを信じてるよ。」

「えへへ。私もサクラを信じてるよ。」


 セレスの頭を撫でる。目を細めて気持ちよさそうだ。


「さて、もういいかい?あんたの目論見は無駄に終わったみたいだけどさ、神霊様はちゃんと質問に答えたんだ。魔王の情報を吐いてもらうよ。そもそも依頼内容についての質問は陛下にしないと意味無いだろう。」


 あ。それもそうだ。セレスがどうこうできる事じゃなかった…。


「恥ずかしかってるね?」


 セレスがテシテシしてきた。うぅ、直ぐに気付けなくて恥ずかしい。


「こんなところでいちゃつくんじゃないよ。さて、お待ちかねの魔王の情報を聞こうか。」

「正確な事は知らん。魔王が何かは神霊達の方が良く知っているだろう。で、魔王の居場所だが、これも知らん。」

「これだけ手間を掛けさせておいて知らんじゃ無いよ。せめて心当たりでも吐きな!」

「くっくっく。そう急くな。正確な事はと言ったろう。遺跡にいた魔族からの情報だが最近魔国の国王が死んだらしい。後釜には良く分からんチビが収まったとさ。」

「チビ?魔国の王には一人娘がいただろう?その娘とは違うのかい?」

「ああ、その娘は行方不明だと。魔国は実力主義の所があるからな、新王が殺したんだろう。反対した奴らは全員返り討ちになってそのチビの下に付いたんだと。どうだ?魔王のイメージにピッタリだろう?」


 その後もしばらく問答をしたけどこれ以上の有意義な情報は得られなかった。


*****

Tips 魔法封じ

 罪人などが魔法を使えないようにする枷。魔族の角を加工して作っているため、元となる魔族よりも高位の魔族には効かない。アースのように魔素を逃がす仕組みになっている。

サクラ「何に警戒してたの?」

セレス「悪魔の証明をしなきゃいけないと思って…。」

サクラ「それはキツいよね…。」





次話は明日の17時投稿予定です。


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