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57話_太古の遺跡へ

「レイラさーん。おはようございます!」


 ちりんちりーん。


 聞きなれた鈴の音をバックにサブマスの名を呼んだのは私ことサクラ・トレイルだ。

 昨日は一旦寮へと帰った。日を改めて今日はカトレアちゃんに見送られ、緊急クエストを受けに冒険者ギルドにやってきた。

 中にいた冒険者たちはこちらを見てすぐに談笑に戻る人もいれば先日の情報を得たいと耳を澄ませている人もいる。前回レイラさんに絞られたからか、無理に詰め寄ってくる人はいないみたいだ。


「サクラさん。お待ちしていました。陛下からの指名依頼が来てますよ。」


 陛下の名前が出てギルド内が少しざわつく。


「陛下から緊急クエストを出すとは聞いていたけど指名だったんですね。」

「サクラさんたちが未だにAランク扱いだからですね。早くSランクになってくだされば指名じゃなくてSランク以上を指定した緊急クエストにしたって言ってましたよ。」


 今王都にいる現役Sランク冒険者はウィードさんしかいないから実質指名依頼じゃないか。


「実質変わらないじゃないですか。」

「普通は指名依頼のほうがいいんですけど陛下からの依頼となると個人を贔屓している。なんて屁理屈こね回す人が出てきちゃいますから。」


 指名依頼出すのが贔屓とは…。よくわかんない話だ。


「内容はすでに伝わってますね?前回ではついでのような扱いでしたが、今回は太古の遺跡にいるアービシアの確保と魔族の殲滅が依頼内容です。特に価値があるとは言われていませんが遺跡には変わりないので魔境を作ったりクレーターを作ったりしないようにお願いします。魔境やクレーターじゃなければ遺跡を崩壊させても良いとはならないので注意してくださいね?」

「うっ。」


 ニコニコの笑顔で釘を刺された。わざとやったわけじゃないのに…。


 コンコンコンッ


 毎度おなじみになってきたギルマスの部屋に行くとすでにライアスが来ていた。


「待ち合わせにこの部屋を使うのはあんたらくらいのものだよ。」


 ライラさんが呆れた声で言っているが別々に来ただけで待ち合わせ場所にしたわけではない。自意識過剰というものだ。


「サクラ、なんだい?」

「なんでもないです。」


 何かを察したライラさんに睨まれた。うぅ。


「お姉ちゃんも睨まないの。はい、いつもの。」


 レイラさんがいつものお菓子を出してくれた。やっぱりここに来たらこれを食べないと。もぐもぐ。


「おい、今からアービシアのところ行くんだぞ。緊張感を持てよ。」

「今から気を張ってると持たないよ?」

「サクラは気を緩め過ぎだ。」

「大丈夫。遺跡に着いたら気合を入れるから。」

「じゃ、簡単な説明も受けたし行くか。」


 いざ遺跡へ!もぐもぐ!


 ―――


「魔の森に来るとホームって感じがするね!」

「しねーよ。というか魔の森に入ったのはセレスを迎えに来た一度だけだろうが。」


 それでも不思議と何度も来た感覚がするのだ。エンシェントエルフになったからかな?


「遺跡は向こうだね!行こうか。」

「それにしてもなんで何もない遺跡を拠点にしてるんだろうな。」

「何もないから人が来ないと踏んだのか、もしくは誰も気づいていないだけで何かあるのかのどっちかだよね。」

「SDSで考察班とかもいたのに気付かなかったのか?さすがにそれはないだろう。」

「いやいや、私みたいな存在も知らなかったしセレスのことも知らなかったんだから考察班が気付かなくても不思議じゃないでしょう。」

「そういやそうか。」


 遺跡に何かあるとしたらなんなのか。あーだこーだ話しつつ遺跡に向かう。


「見張りがいるね。」

「どうする?やり過ごすか?それともやるか?」


 遺跡の近くにいくと見回りをしている魔族がいた。

 魔族は殲滅するのが依頼だからやった方が速いだろう。


「後で探すのも挟み撃ちになるのも嫌だから倒していこうか。」

「ばれないようにこっそりとな。」


 言われなくても分かっている。敵の数が分からない以上、隠密行動をとるのが最も安全かつ効率が良いだろう。


「氷華。よろしく。」


 微小な冷気を発生させて魔族の口周りを塞ぐ。魔族が驚いた好きに背後に忍び寄って首を切り落とした。


「手際が良いな。」

「集団を作る人型の魔物の倒し方は母さまに仕込まれてるからね…。」


 うん。洗礼式すらまだの時にゴブリンの巣に放り出されたのはいろんな意味で嫌な思い出だ。おかげで隠密の仕方や暗殺みたいな方法を身に着けることはできたけど、十歳にも満たない幼女を連れていく場所ではなかった…。


「サクラも苦労してんだな…。」

「おかげで強くはなったけどね…。」


 うん。やり方はどうかと思うけど強くなれたし感謝はしている。


 ―――


「まだ気づかれてなさそうだ。」

「そうだね。表を守ってる人たちもさっさと倒して中に侵入しようか。レオンもセレスもよろしくね!」

「おう!」


 見回りをしている魔族を一通り倒し、遺跡の外にいる魔族も一掃してから遺跡の入り口に来た。逃げ道も確保したし後は侵入するだけだ。


*****

Tips 指名依頼

 冒険者ギルドの依頼方法の一つ。依頼主が追加料金を払うことで依頼を行う人を指名できる。冒険者側は信頼されている証拠となるが一定の理由がないと認められない。

サクラ「冒険者ギルド行くと毎回お菓子食べてる気がする。」

ライアス「餌付けされてるな。」

サクラ「そ、そんなことないよ?」

ライアス「目が泳いでるぞ?」





次話は明日の17時投稿予定です。


誤字脱字報告お待ちしております。

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