21話_旅立ち
学園編の始まりです!
今編からあとがきにこんな会話があったかも?的な文を少しだけ入れてみました!本編と合わせてお楽しみいただければ!
サクラはだんだん残念な子になっていきますが、母娘は似るということでご容赦を...。もしや最初から残念な子?
「領主様。馬車の手配ありがとうございます。」
「ええ、学園に向けた準備をするって約束でしたから。快適な移動を約束しますよ。」
「ウィード、サクラとカトレアちゃんのことよろしくね~。」
「もう嬢ちゃんに護衛が必要だとは思えねえんだがな。カトレアの嬢ちゃんを中心に守ることにするわ。」
「護衛なんていらないよー。カトレアちゃんも私が守るし。」
「相変わらず自信家ね。」
学園への推薦をもらって五年。私ことサクラ・トレイルは七龍学園に入学する年になった。今は学園のある王都に向けて出発するところだ。決闘での約束通り領主様が入学準備を手伝ってくれた。ちなみに私とカトレアちゃんの荷物はすべてアイテムボックスに入っている。もちろんスティムの荷物は入っていない。というかすでに送ってあるそうだ。
カトレアちゃんと共に、母とカトレアちゃんの両親に別れを告げる。
「やっぱり行くの早くないかしら~。もっとゆっくりしてから行きましょうよ~。」
「クラス分けの試験もあるから余裕をもっていかないとダメなの。諦めて。」
「うぅ~。サクラが冷たいわ~。」
泣きまねだと分かっていても心に来る。うぅ、ギリギリまで行くのを延ばしても...。
「流されちゃ駄目よ。すでにぎりぎりまで延ばしてるんだからこれ以上は無理よ。」
「だから心を読まないで。うん。そうだよね。心を鬼にして出発するよ!」
「普通に出発しなさいよ...。」
母とじゃれていたら領主様との話が終わったカトレアちゃんの両親が来た。
「カトレアはサクラちゃんが変なことしないか見守るんだよ?サクラちゃんはカトレアのことしっかり守ってやってくれ。」
「はい、カトレアちゃんのお母さん。カトレアちゃんのことは任せてください!」
「面倒見るのは私だけどね。」
「ふふふ、出発しても二人は寂しくなさそうですね。」
「はい、私がいる限りカトレアちゃんに退屈なんてさせません!いたっ」
後ろから頭を叩いてきたのはスティムだ。ここ二年で私とカトレアちゃん、スティムの三人はかなり仲良くなった。
「ふん、サクラといれば退屈なんてしないだろうな。サクラ、カトレア、そろそろ行くぞ。」
「叩かなくていいでしょー。分かったよ。荷物積んでくるね。」
「もうセバスが積み終えたから必要ないぞ。さっさと馬車に乗れ。」
「はぁ、スティムはせっかちなんだから。あたっ。女の子を叩くのは良くないよ!」
「ここにはカトレアしか女の子はいないが?」
「はぁ?喧嘩売ってる?」
「いちゃついてないでさっさと行きましょう?」
「「いちゃついてない!」」
「はぁ。」
カトレアちゃんがため息をついているが、決していちゃついてなんかいない!決して!
―――
「じゃあねー。行ってきまーす。」
「いってらっしゃ~い。気を付けてね~。」
魔動車から手をだして振るう。
「安全な設計になってるとはいえ危ないと思うけど…。」
「だいじょーぶ、風が気持ちいよ!」
「だいぶテンションが上がってるようね。」
「子供だからな。」
「なっ、失礼な。」
なんて失礼な奴だ。日本の記憶を含めるともう四十をすぎて...。あれ?もう五十...?これ以上は考えないことにしよう。手遅れな気もするけどダメージがでかい。
「お、おい。そんなに落ち込むことないだろう。」
「ほっといて平気よ。スティムの発言とは関係ないところで落ち込んだだけだから。」
「カトレアちゃん!?本当に心読まないでよ!?」
「分かりやすいあなたが悪いのよ。」
さすがに中身まではばれていないと思うけど...。ばれてないよね?
―――
「う~ん。退屈だねぇ。」
「出発前に言ったこと忘れたのかしら。」
「鳥だからな。いったいな。」
失礼なことをいうスティムをしばいておく。
「うるさーい。同じ眺めばっかりで飽きちゃったんだもの。…何かトラブルでも起きないかな?山賊に襲われるとか...。あ、そうだ。魔動車に合わせて走ろうか!」
「んー、私はパスで。サクラが走ってるのを眺めることにするわ。」
「というか魔動車と並走するとか普通の人間には無理だからな。」
「二人とも乗ってくれないかー。まあいいや、走ってくる。」
退屈も紛らわせるし鍛錬にもなるしで良いこと尽くめだ。
「本当にいったな。」
「サクラだもの。」
「物騒なこと言ってたな。」
「サクラ曰くフラグってやつかしら。」
「戦えるように準備でもしておくか。」
「そうね。」
「嬢ちゃーん。疲れる前に車内にもどれよー。」
「はーい。」
「呑気な奴だ。」
「それがサクラだもの。」
「いやなんで誇らしそうなんだよ。」
―――
「今日はここで野宿するぞー。みんな手伝えー。」
「はぁ...はぁ...。はーい...。手伝うよ...。」
「いや、サクラは休んでなさい。」
「そうだな。結局休まずに走り続けたし。さすがゴリラ女だ。」
「う、うるさーぃ。はぁはぁ...。誰がゴリラじゃ...。」
「突っ込みにも切れがないな。」
「フラグとやらが機能しなくて良かったわね...。なんでそんな絶望顔してるのよ。」
「その言葉がフラグだからだよ...。」
「そうなの?フラグって面倒なのね。」
「そうなの。常に危機意識を持たないととても危険なものなんだよ?」
「わ、分かったから揺らさないで。」
「ご、ごめん。」
つい力説してしまった。
「お、嬢ちゃんも復活したなら手伝ってくれや。」
「うぅ、ウィードさんの人使いが荒い。」
「ただの自業自得だと思うがなぁ。」
「あ、あはは...。おっしゃる通りで...。っ!?」
近くから足音が聞こえた。
「総員警戒。カトレアちゃんは私たちの内側に!」
小声で指示を出しカトレアちゃんを中心にフォーメーションを組む。
「これがフラグの効果ってやつ?」
「そうだよ。だから注意してって言ったの。」
「おい、お前ら、気を抜くなよ。」
みんな小声で話しながらも周りを警戒している。
「あー、待て待て、俺らは怪しいもんじゃない。警戒を解いてくれるか?」
「姿が見えないのに信じられないかな。」
「それもそうだな。これでいいか?」
すらっとしたおじさんとその仲間たちが出てきた。
「あなた達は?」
「おれはルアード。王都で商会を営んでいる。で、こいつらは商隊のメンバーだ。そもそも強面の冒険者にお貴族様を襲うやつなんかいねえよ。」
「なんで隠れてたんだ?」
「その冒険者の顔がな...。その子供たちを攫ったやつなのかと思ったんだ。」
「ぶふっ!!確かに。」
「おい嬢ちゃん。笑うんじゃねぇ。」
小さいころから接してきたから気にならなくなっていたが、確かに夜中に子供といる強面のおじさん。まごうことなき誘拐犯だ。スティムも初めてウィードさんと会った時に警戒態勢に入っていたし。
「危険な人じゃなさそうだな。俺はスティム・グロウズ。で、こっちの笑ってるエルフがサクラで「よろしくー。」狐の獣人がカトレア。「よろしくお願いしますね。」そして強面のおっさんが護衛のウィードだ。」
こうして私たちは王都でやりてのルアードさんと出会ったのだった。
*****
Tips ルアード商会
新規気鋭な商会。最近王都に進出した。便利さと扱いやすさを追求しており平民から人気が高い。一部の貴族も利用しているとか。
カトレア「サクラー。これがフラグの効果ってやつ?」
サクラ 「くっ...。殺せ...。」
次話は明日の17時投稿予定です。
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