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希望の物語 演義  作者: よむよみ
第二章 文明発展コンテスト

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第十五話 セレスティア・プラザ

 ホープ様がコンテストのため天界に向かってからしばらく経過した。

 少し気になって、宇宙を軽く眺めてみたけれど、見つからない。

 宇宙はそれぐらい広大だ。くまなく探すにはもっと時間が必要だ。


「もう開催日か……。ホープ様、大丈夫かしら……」

 ホープ様はどこかの星に降り立って10年経過しているはずだけれど、こちらではあっという間。

「だらしない生活してたなんてことないわよね……」

 少し不安になりながら、コンテストの様子をモニターから見ることにした。


 ◇


 セレスティア・プラザの空に、虹色のレーザー光線が真上へと突き刺さる。

 光線は一度、放射状に広がり、空全体を照らした後、中央へと収束し、球形モニターを鋭く照らす。

 その瞬間、爆発音が鳴り響き天界の空気が揺れ、観覧者が一斉に盛り上がる。

 文明発展コンテスト、いよいよ開幕だ。


「レディースエーンジェントルメン!神々が火花を散らす、セレスティア・プラザへようこそ!」

 球形モニターの上部に、閃光とともに特設ステージがせり上がり、司会のミラヴォンが現れる。

 ミラヴォンが両腕を広げると同時に、花火が上がり空気に緊張が走る。

 その声が天界全体を震わせ、観覧者の期待を一気に煽り立てる。

「これより始まる神々による3時間の死闘!さあ、盛り上がってまいりましょう!」


「神々が人間の身体を得て、星々に降り立ってからちょうど十年。

 それぞれの文明は、今まさに、試練の刻を迎えます!

 まもなくモンスター・オルドレムが、各星に姿を現すでしょう!

 わずか3時間、されど3時間――文明の力が!神々の芸術性が!

 そして、みなさんの審美眼が試される3時間です!」


「早速ここで、本日の参加者と共にモンスターと相対する星の人たちをご紹介しましょう!」


「まずは一人目。天界のモンスター駆除と言えばやはりこの人、外敵駆除対応ヴァニッシュの特攻隊長――マスクル!

 一緒に戦うのは、マスクルの信念「即時解決」に共鳴した多くの仲間たちだ!

 筋肉で語り、筋肉で解決!マスクル文明、今日も全力です!」

 鍛え上げられた体で剣を軽々と振り回す屈強の戦士たちがモニターに映る。観覧者からは歓声が上がる。


「続いて二人目。引き続きヴァニッシュから、外敵駆除対応ヴァニッシュの殲滅部隊隊長――ストラテス!

 ストラテスに率いられるのは、分析し弱点をついて敵を殲滅する統制された兵士たちだ!

 配置、連携、予測!ストラテス文明、まるで戦場が芸術作品!」

 整列して配置についた統制された兵士たちがモニターに映る。観覧者からは知的なざわめきが広がる。


「そして、メルトドラゴンの対処法をこの世に知らしめた期待の新星――ホープ!

 かつて絶望の星を救ったその手腕が、今度はオルドレムに挑む!

 オルドレムに対峙するのはたった一人の若者。ホープの手にかかれば彼一人で十分ということか!?

 一人で挑む若者――ホープ文明、静かな自信か、それとも無謀か!?」

 一人の若者の姿がモニターに映る。観覧者の間に、不安とどよめきが混ざる。


「最後に、天界を司るオルディアの子供――ディアノア!

 まだ赤ちゃんのディアノアですが、当然神の力は十二分に持っているでしょう。

 様々な分野で活躍する神々を集めた今回は、さすがに分が悪いか!しかし何が起こるかわからないのが勝負!最後まで見守りましょう!

 戦場に現れた赤ちゃん――ディアノア文明、癒しと混乱の予感!

 その寝顔の奥に、何が眠っているのか――誰にもわからない」

 オルドレムの前でディアノアの眠っている姿が、モニターに映し出される。観覧者は寝顔に癒されているようだ。


「筋肉で語る文明、戦術で魅せる文明、孤高で挑む文明、そして――赤ちゃん。

 神々の芸術は、今日も予測不能です!

 さあ、神々よ。文明を魅せてください。

 この3時間が、あなたの芸術性を刺激することは間違いありません!」


 ミラヴォンの声が、セレスティア・プラザの空に溶けていく。

 観覧者の間には、期待、高揚、そしてちょっとした笑いが広がっていた。

 中には、ディアノアの寝顔に癒される者もいた。

 それぞれの観覧者が、最高の盛り上がりを信じている――そんな空気が、広場を包んでいた。



 私が思う以上に華やかな光景が広がっていた。

 こんなコンテストは今までになかった。

 天界のイベントごとと言えばもっと静かなものが多かった。

 もしかしたら、天界の趣向が少し変わったのかもしれない。


 ◇


「 そ ん な こ と よ り も … 」

 私は、ホープ様の様子が気がかりだった。


 赤ちゃん文明は別として、他の文明はモンスターを大勢で討伐しようとしている……。

 けれど、ホープ様はたった一人の人間……。

 一応、ホープ様本人も近くにいるみたいだけれど、隠れている……。


「引きこもってしまって人数も集められず、本人はびびって隠れているだなんて……。

 やっぱり私が一緒にいないとダメだったんだわ……」

 私の心は既に恥ずかしさでいっぱいだった。

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