表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
希望の物語 演義  作者: よむよみ
第二章 文明発展コンテスト

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/19

第十二話 文明発展コンテスト

 ミカエルから受け取った手紙を、読み進めている。


 簡単に言うと、文明の発展度を神様同士で競うコンテストのようだ。

 指定されたモンスターを、文明の力で討伐する。

 その過程で生まれる芸術性を、観覧者の評価によって競うと書いてある。


 今まで、天界の神々は、人類の文明には無関心なんだと思ってた。

 だから、文明の発展を評価するなんて、天界にしては珍しい。

 天界の神々も粋なコンテストを考えるものね。

 でも、「文明発展コンテスト」ってネーミングは、少しダサい。

 パッとは思いつかないけれど、もし地球の人々ならもっといいアイデアが生まれる気がする。


 コンテストで討伐するモンスターはオルドレムというゴーレム。主催者が創造する。

 文明の発展度を競う以上、通常の文明レベルでは討伐はきっと困難なはず。

 多分、発展した文明を武器に、手ごわいゴーレムの討伐を目指すってことね。


 それに、参加者の武器となる文明を持つ星も、主催者が用意するみたい。

 その星自体は複製して参加者に配られるらしい。

 星の条件は完全に一緒。参加者は皆、平等な条件で競うことになる。


 そして……、ここからが一番のポイントのようね……。

 主催者が用意した星で、参加者は一人の人間として登場する。

 その上で、星への関与が、時間操作以外完全に認められている。

 これは非常に珍しい事だ。

 通常、神様は星へのかかわりは一切認められてない。

 人への直接的な接触はおろか、神の姿を人に見せることも禁忌とされている。

 この制約があったから、私は今まで、人への啓示は人の夢の中で行ってきた。


 一人の人間として星に関われる……。

 これはつまり――今まで見るだけだった人類の生活が、体験できるという事だ……。


 私はさらに先を読み進めた。

 神様が人として降り立った瞬間に、星の人々の記憶が書き換わるらしい。

 あたかも地上で生まれて地上で育ったかのように、物語が作られ関わった人に記憶されるのだ。

 神様と人、姿かたちは似ているとは言え、髪の色、肌の色は現地の人とは異なる。

 もし、現地の人に似せて姿を変えてしまったら、観覧する神様にはわかりずらいのだろう。

 だから、神様はそのままでも現地になじむように、記憶を書き換える。

 人間界では少し変わった神様の普段着ですら、受け入れられるらしい。

 神様は、驚くべき技術を持っているものだ。

 そんなことができるなんて知らなかった。


 ここまで読み進めて、私は頭の中でシミュレートしてみた。

 人類の文明の進化は、地球で何十回とみてきた。

 頭の中に全て入っているといっても過言ではない。

 時間操作不可の一発勝負だったとしても問題はない。

 ――――はずだ。でも、念のためもう一度、人類史を復習しておこうっと……。


「ただ……、気になるのは評価方法ね」

 手紙の最後の方に記載されていたコンテストの評価方法を見ていた。

 文明発展に与えられた期間は10年間。

 だけれど、評価者の観覧者が視聴するのはモンスターが現れてからたったの3時間だけのようだ。

 つまり、コンテストの評価対象はその3時間に限られるってことだ。

 それは、文明の発展度を競うコンテストでありながら、そこに至る過程や方法は評価されない。

 事前にどんなに印象的、感動的、芸術的に文明を発展させる出来事があったとしても、評価対象にはならない。

 観覧者である神様の嗜好が求められている気がする……。

 でも、いまいち観覧者である神様がどんな評価が好むかピンとこない。

 そこも含めて考慮が必要なようね。

 まずは、自分の思うようにやってみるしかないのかな?


 コンテストの観覧は、セレスティア・プラザで行われる――

「あら、懐かしい」私は思わずつぶやいた。

 セレスティア・プラザは、円形につくられた天界の大広場。


「セレスティア・プラザのことですか?」

「ええ、子供の頃に一度だけ行ったことがあるの」ミカエルの問いに私は答えた。


「あの広場は、なんだか“神様たちの憩いの場”だった。

 とても広い円形の広場で、中央には巨大な球形モニターが浮かんでいてね。

 立体映像が投影されて、どの方向からも見えるようになってるの。

 きっと当日は、人気の高い文明が中央に映し出されるのね。

 それに、外周には4つの大型モニターが設置されるって書いてある。

 それぞれの文明が個別に映されて、みんな気になる文明を見に移動することになりそうね。

 その移動の流れで、人気度を測るってことかしら」


「教えてくれてありがとう。参加してみることにする」私はミカエルに伝えた。

「ホープ様なら絶対参加するって思ってました」


 人間の身体が一つ与えられ、その星で人間となって活動できる。

 時間操作だけは不可だけど、他の力は使用可能。

 人になってどんな役割を担うか、も重要な選択肢になりそうね……。

 でも、コンテストだけじゃない……。

 人間の体での活動は本当に魅力的なはずだ……!

 今まで見るだけで、できなかった事を実際に体験できる……、これは本当にすばらしい!


「まずは人類史の復習かな……?」

 私は椅子に座り、文明発展のよりよい立ち回りのため、地球の歴史について思い返していた。

 他にも、人の体での立ち回りも考える必要がある。

 思った以上に奥が深いコンテストだという気がしてきた……。


 でも――それ以上に、やってみたい事もたくさんある……。

 私はお気に入りのアロマを焚きながら、10年間の計画を考えていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ