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「41話 いざ出発! 」



◇SIDE:トルペタ

今日は冒険の準備のため防具の新調と王都までの足の確保をするためにみんなで行動する。

ミウシアさんとアルカナを宿の外で待ちながらぼーっとしていた。


昨日はいろんな矢を作った。

矢じりの代わりに重りを付けた矢にスパイラルアロー(アルカナ命名)の威力を上げるドリル状の矢じり。


もうちょっと筋力が上がって強靭な弦になる素材があれば小さい弓を使えるようになると思うから今後は腕の力でも鍛えるかな。


そういえばミウシアさんとアルカナが昨日一緒に行動してたらしい。

女性同士で話すこともあるんだろうなぁと思う反面、少し寂しくもあった。


というかアルカナが最近...というかこの前山に行ったときから距離が近い。

あそこまで密着されたりするとさすがに意識せざるをえない。


でも俺とアルカナは異種族なんだよな...アルカナはその辺考えてるのかな、いや、まだ俺に好意を示したわけじゃないし...。


と考えてると準備を終えたミウシアさんとアルカナが宿から出てきた。


「どう?トルペタ君。」

「へん...じゃないです...?」


俺は思わず見とれた。それもアルカナの方に。

ミウシアさんもピンクのセーターにパンツといういつもと違う恰好なんだけど...。

アルカナは淡い青色のワンピースに黒い綺麗な布を羽織ってる。

それにいつもは片目を隠してる髪の毛も今日は歯車のついたヘアピンで固定されていた。

ミウシアさんもお揃いのヘアピンをしている。


「い、いいとおもう....」

顔が火照ってるのがわかる、くそぉ、照れてるのがばれたら恥ずかしいのに..。


「素直じゃないなぁ、トルペタ君は。...ちょっとそのまま動かないでね.....。」

いきなりミウシアさんが顔を近づけて俺の髪の毛を触ってくる。

確かにアルカナに見惚れてたのは否定しないけどミウシアさんが魅力的じゃないわけじゃないから!これも照れるから!

あぁ、男の人が仲間になってくれないかな....。


ミウシアさんが何かで俺の前髪を分けて留めた。....え?


「これで皆お揃いです。さあいくですよ!!」

満足そうなミウシアさん、片手をあげて歩き出すアルカナ。


「ちょっと待って俺にもあのヘアピンついてんの!?ちょっと!ミウシアさんも笑ってないで答えてください!!なんで無視するんですかあああああ!!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

あ~面白かった。


トルペタ君、あれはカナちゃんみて呆けてたなあ、よかったねカナちゃん。


防具屋に着いた私たちは防具屋のおじさんドワーフに色々条件を伝えた。

カナちゃんの防具(制服)は色々加工されてあってだいぶ高性能だからいらないんだって、凄いな学校。


私は体を守るベスト的なものだけで腕は服のみ、足はいつも蹴る方の右足と脛だけ何かで守りたい。

トルペタ君は将来的に弓を持った時に指が傷つかないように柔軟性のある頑丈なグローブと軽装。


それを伝えるとおじさんドワーフは私たちに提案してきた。

「バーニアのお嬢ちゃんは片手剣と蹴りで戦うスピード重視なんだろ?そしたら反応速度だって早えだろ、大事なところだけ頑丈にして腕に着ける小さな盾で攻撃をいなすスタイルにすればいい、だったら...この昨日入荷したコボルトキングの革を使ったベストと軽くて頑丈な光軽鋼でできた盾と脛当てだ。」

出てきた防具はもう全部真っ白、今までの防具と全然色違うよ...。

というかコボルトキングの革って...絶対私が倒した奴じゃん。


アナライズ結果はこんな感じだった。


-------------------

名称:コボルトキングの革のベスト

品質:B-

祝福:不可

武器性能:防御力+32

構成素材:コボルトキングの革、光軽鋼

説明:コボルトキングの革で作られた胸当て。ベースとなる光軽鋼にコボルトキングの革が貼られている。

補足:なし。

-------------------


盾と脛当ても品質はB-、防御力は盾が50、脛当てが30と、破格の高さだった。

持った感じも凄い軽い。

盾と脛当ても装備してその場で色々動いてみたけど何の違和感もなく体を動かせた。


「買います!!!ゴーゲンごめん、前の装備売ります!!」

私が装備してたゴーゲン作の防具を渡した。


「ほぉ、ゴーゲンのか、これは....複雑な技術が使われてんな、いいぜ、500Niaで装備全部持ってきな、こいつは俺が研究に使う。」


「え!!!....それはありがたいんですけど...うーん...。」

コレゴーゲンの技術を分け与えたみたいなことになるのかな?なんか権利とか大丈夫かな?


「おめぇ俺がこの技術使って荒稼ぎしようとしてるって思ってんだろ?ゴーゲンは俺の兄だ、俺の名前はボーゲン。兄とは同じ師匠を持つ兄弟弟子でもあるからお互い高めあうために利用しあってるっちゅーわけだ。」

あ、確かに顔がちょっと似てるような気も....。


「じゃ、じゃあお言葉に甘えて....。せっかくですしフォレストワーム何匹かあげますね。」

なんかめっちゃ喜ばれた。フォレストワームは飽きるほど食べたけどそこまでおいしい訳じゃないと思うんだけどなぁ....。


ベストを着たときに中に来てる服がゴワゴワして邪魔だなぁと呟くと在庫処分をしているインナータンクトップをくれた。

ホットパンツみたいな動きやすい服が無いか聞くとジーパンのような素材の紺色のホットパンツを見せてくれたので40Niaで購入した。やったね。


一方トルペタ君は風属性のマナを流しやすくなるシルフハット、シルフシャツ、シルフパンツ、シルフブーツと柔らかいくせになかなか切れないラバーフロッグの革で作られたグローブを薦められて買うことになった。

同じようにゴーゲンの防具を売ったんだけどトルペタ君の方が総額が高かったみたいで差し引いても860Niaかかった。


防具を一式装備してみると動きやすいし真っ白なベストはモフモフしてるし快適だった、んだけど肩は出るし太腿もあらわになるしちょっと恥ずかしい....、寒いし。


「ミウ寒そうですね...旅の途中寒くなったら暖かくなる魔法かけてあげるですから安心するです。んん....露出多いですね...。攻撃が簡単に通りそうです...。」

私の体を上から下まで嘗め回すように見るカナちゃん。


「ありがと!まぁ露出度に関しては恥ずかしいけど、動きやすいし防御面はこの盾と膝当てで何とかするから!」


トルペタ君のシルフ装備一式は深緑色で、スナ〇キンの帽子がつばの小さいハットに変わったような見た目をしていた。

私からするとコスプレをさせられてる子供みたいで可愛いなぁと思うんだけどカナちゃんはかっこいいです!とか言ってるし、トルペタ君にミラーの魔法で自分の姿を見せてあげるとかっこいい....!!!って喜んでた。

コスプレとかいう概念を知ってるからかわいく思えてきちゃうのかなぁ。


ボーゲンさんがアフターサービスとして防具に染色魔法をしてくれるというので、私はベストを淡いピンク色に、盾とホットパンツはそのままで膝当てをこげ茶色にしてもらった。

トルペタ君はそのままでいいみたい。


普段着に着替えて防具屋を後にした私たちは他国への移動を受け付けている馬車の業者を訪ねた。


丁度明日から数日間空きがあるみたいだったので王都までの片道を3人で予約した。

費用は1人100Nia、1万円くらいで片道3日かかるらしい。


「往復で考えると6日間も馬と運転手さんを拘束するのにこれだけでいいの?なんだか安いね。」

予約を終えて歯車亭で昼食をとっているときにカナちゃんに質問してみた。


「えっとですね、王都までの道のりはある程度舗装されてるです。モグモグ、それに王都には冒険者がうじゃうじゃいるですから王都周辺の魔物はある程度狩られてるですよ、ゴクン。それに加えてちゃんとした道の周囲には私たちには聞こえない魔物だけが嫌がる音が出る魔法で作られた石が設置されてるです。だから護衛もかからない、かかるのは馬車の貸し出し代と運転手代くらいなもんですよ。」

もぐもぐと口に入れたお肉を噛みながら解説してくれた。

それなら道中は戦闘があまりできないのかな?馬車も見た感じそこまで広くなかったし野営中に鍛錬でもしようかな。


「あの、この後どうします?昨日作った矢とか色々試したいですし俺のできることを共有しておいたほうがいいかなぁって思ったんですけど。」

「おっけー、じゃあ修練場にいこう!後メルさんとか....ダンバーさんにも挨拶しておこうか。」


食事を済ませ冒険者酒場に向かった。

メルさんとダンバーさんに修練場の使用許可と、明日でギアードを出て王都に向かうことを伝えると、ダンバーさんがものすごく悲しんでいた。質のいい素材をくれる乗客だったのにィ!!あたし王都にいくわン!と最後に伝えられた言葉は冗談だと思いたい、冗談だよね?

酒場の個室で戦闘用の服に着替えて修練場に向かった。やっぱり肌寒いじゃん!



修練場に来た私達はトルペタ君の矢の披露が始まった。

ちなみにカナちゃんにウォームスキンという体の表面が温かくなる魔法をかけてもらった。便利!


トルペタ君が手にした矢は先端が分銅のようになっていて、だいぶ重量がありそうだった。

「これは衝撃を与える矢で、矢じり部分が平たく重くなってるんです。これを使って俺が考えてるスキルを実現できれば...。ハッ!」

標的は木人なのにほぼ垂直に向かって打つ、風属性のマナを纏ってたけどこの後に何かあるのかな?

と思っていると矢が凄い速度で落ちてきて木人の頭に向かって軌道修正をしている。明らかに自由落下よりも早く、それでいてまるで矢が木人の頭に吸い込まれるように近づき...木でできた頭を砕いた。


「やった、成功だ!よーし、「ヘビィアローですね。」.....アルカナ。」

トルペタ君の発言を遮るようにカナちゃんがスキルに名前を付けた。


「トル君は何もわかってないです、スキルでも名前を言ったほうがかっこいいです!!」

「もうわかったよ...じゃあ次から言うから...。」

トルペタ君に問い詰めるカナちゃんと諦めて従うトルペタ君。


他にも貫通に適した矢でスパイラルアロー(って名前を付けたらしい)を使ったら地面すら掘れちゃった。

回収がめんどくさかったけど威力は一番高いかもしれない。


私も何かスキルが使えるようになりたいな...。


その後私が動いているところにトルペタ君が矢を私に当たらないように打ち込む練習をしたけどすっごい怖かった。

でもこれに慣れないと連携なんて取れないしやるしかない。

何回かあたりそうになったけどカナちゃんが水のクッションで止めてくれた。危なかったぁ。


ひとしきり汗をかいてから宿屋に戻って神式語の本を読んで過ごした。

日本語よりはアルファベットに近いけど文字というより絵、違う文字との違いが全然ないし漢字みたいな一文字で意味を持つ文字もある、これは骨が折れるぞ...。


私がベッドで本に熱中していると気づいたときには2人はそれぞれのベッドに入って熟睡してた。

神式語を習うことでスキルと魔法の複合技が使えるようになるって考えたら楽しくて止まらなかったんだよね、とはいえ明日は朝から馬車に乗ることになる、続きは馬車の中でやればいいし今日はもう寝よう。


王都が楽しみだな。


読んでくださってありがとうございます!もしよろしければ下の欄の✩をタップして頂けると励みになります(*ˊ˘ˋ*)

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