【二場】初恋を繋ぐ橋
呼び鈴の音で、ネルケは自分がいつの間にか寝入っていたことに気付いた。ハッとして体を起こし、部屋を出て玄関に向かう。
「どちらさま?」
扉を開けると、そこにいたのは王家の紋章が入ったマントを羽織った婚約者のクラウスだった。思わぬ訪問者に、一瞬理解が遅れてしまう。
いつもなら前もって鳥か手紙を寄越すなどの連絡をしてから会いに来ていたはずだと、寝起きの頭でぼんやり考えているうち、その疑問がそのまま口から転がり出た。
「え……クラウス、今日って会う約束してたっけ? 言告鳥が来たの見落とした?」
「いや、近くまで来たものだから、寄ってみたんだ。迷惑だったか?」
「ううん、そんなことないけど……」
艶やかな金色の髪が日の光に反射して眩しい。緋色の地に金刺繍のマントも、街中ではだいぶ異質で目立っている。だがネルケが住んでいる屋敷付近は殆ど人が通らないため、人の目を集めるということはない。ここに来るまでの道中はともかくとして。
「……まあいいや。上がっていく?」
「そうしたいけれど、家に君一人なら遠慮しておくよ」
クラウスがネルケ以外の人の動く気配が屋敷の中にないことを察して言うと、ネルケは首を傾げた。
今日は母が体調を崩していて寝ているため厳密には一人ではないが、それを思い出すと具合が悪い状態で臥せっているのに、家で賑やかにするのはどうかと思い直した。
「いまはお母様が具合悪くて寝てるから一人じゃないけど、なんで?」
「それは……婚約者とはいえ、婚前の女性が一人でいるところに押しかけるのはどうかと思うし……というか、いまお母上が臥せっておられるなら尚更邪魔するわけにはいかないだろう」
「いきなり来たのはそっちじゃない」
「それはそうなんだが……顔が見たくなったんだ」
ふうん。と、納得したのかしていないのか曖昧な相槌を打つと、ネルケは「ちょっと、そこで待ってて」とだけ言い、返事を待たずに扉を閉めて屋敷の奥へと駆けていった。
以前なら「顔が見たかっただけならもういいでしょ」とでも言われていた場面で、そう言われなかったことにクラウスは首を傾げる。本当に間の悪いときに来てしまったのかも知れないと内省しながら、閉じた玄関扉を見つめた。
「どうしたんだろう……?」
あれから五分ほどそのままの状態で待っているわけだが、一向に戻って来ない。待てと言われた以上は勝手に帰るわけにも行かず、かといって、様子を見に上がり込むわけにも行かず、玄関前でネルケが出てくるのを待つ。手土産も持参せず突然押しかけてしまった手前、気後れしてどうにも大人しくなってしまう。
暫くして、奥から再び駆けてくる足音が聞こえたかと思うと、扉が開かれた。
「お待たせ!」
再び現れたネルケは、外出用の外套を羽織って帽子を被っていた。随分時間がかかっていたと思えば、出かける支度をしていたようだった。仕草はお転婆だが、こうしていると良家の子女らしさが窺える。
「あ、ああ。どうしたんだ?」
「まだ帰るまで時間あるんでしょ? ちょっとだけ街を見ていかない? お母様は寝てて言えなかったから、代わりにヴィンデさんに出かけるって伝えてきたし、ちょっとくらいだったら大丈夫よ」
ネルケの言葉に、クラウスは目を丸くした。
「珍しいな。君がそんなこと言うなんて」
クラウスの記憶にあるネルケは、王族との婚姻を渋り、自由恋愛を夢みる少女だった。クラウス自身、王家に産まれたからには正しい道を行くべきだと思いつつも自由に憧れる気持ちは理解出来るため、積極的に婚姻関係を押しつけないようにしていた。
それがいったいどういう心境の変化があったのか、ネルケがクラウスと外を歩きたいという。
「もしかして、誰かになにか言われたのか? 僕が言うのもだが、母上たちの仰ることはそこまで気にせずともいいと思うが……」
「別に、そんなんじゃ……ただ、親や周りに貴族のお嬢様として扱われるのを嫌がってたくせに、あたしもあんたのこと王子様としてしか見てなかったな、って反省しただけよ」
ネルケが仄かに赤く染まった顔を背けながら小さな声で呟いたその言葉に、クラウスは目を瞠ってから破顔し、ネルケの手を取った。
「君にそう言ってもらえるとはうれしいな。なら、暫くこれは脱いでおこう」
背中に大きくヴォルフラート王家の紋章が入ったマントを脱ぎ、腕にかける。ネルケが隣で「そこまでしなくても」と呟いたが、クラウスはそのまま歩き出した。
「お城からうちに来るのに、城下町抜けてきたんでしょ? よく見つからなかったわね、そんな王族でございみたいなマント羽織ってて」
ネルケの素朴な問いに、クラウスはマントを裏返して見せた。表は派手な緋色に金糸の刺繍が入った目立つものだが、裏側は生成の地に南西の砂漠地帯で旅をして暮らす民族に伝わる文様が色鮮やかな糸で刻まれている。
「これなら城下の行商や、ここの露天通りに来る人たちと変わらないだろう?」
「なるほどね。ていうかよくそんなもの作ったわね」
まるで旅人に紛れて逃げ隠れするために作られたようなマントを見て、ネルケは感心を露わに呟いた。王城の近くでは緋色のマントを、街に紛れる際には旅人のマントを纏えば目立つことなく周囲に溶け込むことが出来るという代物だ。
「まあ、僕にも理解者はいるからな。それに、顔を見られても問題ないよ。ここでは誰も僕が王子だって知らないから。誰にも言っていないし、抑々僕は父上にも似ていないし、第一王子である兄上はともかく、それ以降まで生誕パレードとかしてお披露目するようなお国柄でもないしな」
「……そっか。王都から結構離れてるしね、うち」
それに……と、ネルケは初めて出会ったときのことを思い出した。
王都で迷子になり、泣いていたクラウスをネルケが見つけたのが始まりだった。大人に囲まれ、視界が効かず、どちらへ行けばいいのかもわからずに涙目になりながら彷徨いていたところ、ネルケが声をかけた。
そのときからいままで交流が続いていることはともかく、親同士がいつの間にか婚約の話をしていたことは、ネルケもクラウスも最近になって知ったのだった。一部の枢機院が第二王子とはいえ田舎貴族の娘と婚約などあり得ないと反対しているらしいが。お互いに自分たちをほうって置いて上のほうで良し悪しを語られることに嫌気が差していた。
「あたしも最初は、あんたのことどっかの箱入り坊ちゃんだと思ってたし、はぐれたのもママと来てたとばかり思ってたからさ」
「昔の話はいいだろ……」
恥ずかしそうに低く潜めた声で呟くクラウスを横目で見ながら、クスリと笑う。幼少の彼は、よく泣く子供だった。優秀で将来有望な兄王子と比べられてばかりで、王子なんかなりたくなかったとよく口にしていたのを思い出す。
王族や貴族の肩書きを背負った交流が嫌だったのにクラウスとの付き合いをやめる気になれなかったのは、どこか自分と似たものを感じていたからだ。枢機院ですらない地方の貴族と王家の子では、背負うものの重さがだいぶ違うだろうけれど。
「でも、あれがなかったらたぶん、あたしはあんたと出会ってなかったし、こうして話すこともなかったと思うなぁ」
「そうか? 君は王家の人間だからと気後れするタイプには見えないが」
「余計なお世話よ」
軽口を言い合いながら、二人は中央広場に来た。真昼の広場は露店や商店街へと向かう人で溢れかえっている。エヴァルトの市民だけでなく、遠くからわざわざこの街へ観光に来ている人や、露天通り目当てで立ち寄ったと思しき人も多く見られる。
「やはり人が多いな……」
「はぐれないように、手つないであげよっか?」
にんまり笑ってネルケが言うと、クラウスはじっとりと睨んでから無言でネルケの手を取り、優しく握った。それに驚いたのはネルケのほうで、けれどすぐ満面の笑みとなって手を握り返した。
何だかんだ言っても、肩肘張らずにいられるこの空気が心地良いのだ。
「あたしが生まれる前は人なんて殆ど来ない田舎町だったとか、ちょっと信じられない」
「テオドール師の功績と影響は計り知れないな」
「ほんと。いまでもなんであんな凄い人が王都にいないんだろって不思議だもん」
「一応、王都に屋敷を持たないかと打診はあったらしいな」
「へぇ……」
つまり彼は、王都での華やかな生活ではなく、田舎町を発展させることを選んだのだ。わざわざ大変そうなことを選ぶ理由はわからないが、王都での暮らしを選ばなかったのはネルケにもわかる気がした。最も、ネルケが煌びやかな社交の場を嫌う理由と彼の王都を選ばなかった理由が同じとは限らないが。
「相変わらずこっちも賑やかよね」
広場を抜け、露天通りへと来た二人は、道の両端に並ぶ店を眺めながら歩いた。
土地が変わり、国が変われば人も変わる。地方の色が濃く現れた露店の品は、どれほど眺めても一向に飽きない。クラウスのマントの刺繍にもある砂漠地帯の生地や、荒れ地で旅をして暮らす少数民族に伝わるお守り、遠い大陸の公国でのみ作られる高価な絹織物、見たこともない花を咲かせる鉢植えや、可愛らしい入れ物に入った練り香水。どれ一つをとっても珍しく、目移りしてしまう。
そして多種多様な土地柄を表わしているのは商品だけではない。売り手である商人や、それを見に来る旅人に、観光客、余所から訊ねてくる人々もまた、各地の特色をその身に纏っているのだ。
踊り子の衣装に上着とも言えない布を羽織っただけの格好をした女性とすれ違った際、ネルケは思わずその女性を目で追った。慌てて視線を戻して隣を見れば、クラウスは全く女性に興味を示しておらず、辺りの店を眺めている。
「昨日あった店が今日あるとは限らないというのは、なかなか楽しい場だな」
「あたし、それで何度か後悔したことあるのよね……」
「それはご愁傷様だな」
後日改めて見ようと思っていたらもう旅立ったあとだったなんてことは、行商にはよくあることで、ここほど一期一会が真に迫った場もそうないだろう。ネルケもそれで過去に買い逃した品がいくつかあり、せめてどこの地方で作られたものかだけでも調べておけば良かったといまでも少しだけ悔やんでいる。
「あ、これいいな。ちょっと見ていい?」
「ああ、もう後悔しないようにな」
ふと、一つの露店に目を留めたネルケは、クラウスの手を引いて近付いた。その露店は様々な鉱石と組紐で作ったアクセサリーやタリスマンを売っている店だった。どの地方のものかはわからないが、独特の文様が編み込まれている。
「ねえおじさん、これいくら?」
「二つで銀貨三枚ってところだな。お嬢ちゃん、彼氏とデートかい?」
「うん。せっかくだし、揃いで持とうかなって」
ネルケがさらりと答えると、隣でクラウスが目を丸くした。てっきり向きになって否定すると思っていたのだ。
「ははは、素直で結構! じゃあ銀貨二枚に負けといてやるよ」
「ありがと!」
ポケットから銀貨を取り出すと、品物と引き換えに店主へと手渡した。
「この場で付けるかい?」
「そうしよっかな。だから包まなくていいよ」
「あいよ、彼氏と仲良くな!」
ネルケが買ったのは細長い板状の紐をぐるりと輪にしたブレスレットで、結び目に橙の石が使われたものと赤の石が使われたものの二種類だった。
「はい、あげる」
「あ、ああ、ええと、ありがとう。どうせなら僕が買ったのに」
「いいの。あたしが気に入ったものだもん、自分の買い物くらい自分でするよ」
店主との会話通り、ネルケはブレスレットの片割れをクラウスに渡した。
クラウスに渡されたブレスレットは赤い石がついたもので、ネルケのものとは石の色が違うだけで同じデザインとなっているようだ。
婚約の話が出てはいたものの、これまで幼馴染みの友人として接していた相手と唐突に揃いのアクセサリーを付けるとなると、妙な照れが湧いてくる。だがそう感じているのはクラウスだけのようで、ネルケは鼻歌交じりに自らの手首に巻いている。
「ネルケは、こういった揃いのものが好きなのか?」
「まあね。何でもあれこれお揃いってなると鬱陶しいけど。これくらいなら」
「君らしいな」
さっぱりと言い切られてクラウスは眉を下げて微笑み、改めて「大事にする」と言い、互いに左手首にブレスレットをつけると擽ったそうに笑い合った。
「やっぱ、面白そうなものを探すなら露天側だよね。最近お小遣い殆ど使っちゃったから吟味しないとだけど」
「うん? 君は散財する性格ではなかったと記憶しているが……なにかあったのか?」
「あー……まあね」
言葉を濁したネルケを横目で見つつ、クラウスは「僕には話せないことなのか?」と、少しだけ意地悪を言った。話せないと言われれば、それで引き下がるつもりで。けれど、ネルケは小さく唸ってから、やがて考えるのが億劫になったのか、まあいいか、と零して話し始めた。
「オルゴール、直してもらったんだ。……凄く腕のいい修理屋さんに」
オルゴールと聞いて、クラウスはすぐにネルケが大切にしていた贈り物だと理解した。当時は宝物を壊された彼女から、涙ながらに恨み言を聞かされたものだ。
「へえ、奇遇だな。僕も最近、凄く巧みな修理屋に行ったんだ。錬金時計だったから半分諦めかけていたんだが、綺麗に直してもらったよ」
「錬金時計なんて良く直せたね。錬金術で作られたものって、機構を理解してないと修理出来ないんじゃなかった?」
「そうなんだ。だから彼女に出来なかったら諦めようと思って」
「えっ」
彼女、という言葉にネルケは思わず声をあげた。
「それって、この街からちょっと行ったところにある、あの……」
「……君も行ったのか」
思わず声を潜めて、言葉を濁しながら囁き合う。明確な単語を出してしまえば、万が一教会に通じる者がいた場合に面倒なことになってしまうためだ。
雑踏の中、二人のあいだに沈黙が流れる。
「やっぱり、あたしのうちに来ない? 家の中が拙いなら、庭ならいいでしょ。アウラやシュワルツもいるし」
「そうだな……少しだけお邪魔するとしようか」
露天通りを引き返し、広場を抜けて並んで屋敷へと戻っていく。門をくぐると玄関へは向かわずに、外周を回って庭に入った。
庭では飼い犬―――妖精コボルトが二匹、草原の上でじゃれ回っている。
「アウラ、シュワルツ、ただいま」
そう声をかけると、二匹のコボルトは子犬のような声で元気よく吼えて返事をした。
元気なコボルトたちを眺めながら、テラスに置かれた白いベンチに腰掛ける。仲の良い兄弟コボルトは、時折勢い余って団子になりながら広い庭を転がっていく。
人懐っこく害のない妖精である彼らは、ペットとして飼われることが多い。知性は人の二歳児程度で、言葉を話すことはないがある程度理解することは出来る。大事に育てればそれだけ愛嬌を返してくれるため、貴族を中心に人気がある愛玩用の妖精だ。
「……たぶんだけど、あたしが行った修理屋さんとクラウスが行ったところって同じだと思うんだよね」
「僕もそう思うよ。ランプと導石が必要なところだろう?」
ネルケが頷いたのを視界の端に捉え、ジークリンデ家の庭を見るともなく眺めながら、クラウスは言う。
「彼女は、錬金時計の王家の紋章を見た途端顔色を変えていた。過去になにがあったかは知らないが、王家にも王都にもいい思い出はなさそうだったな」
「そう……あたしも、街に帰りたくない? って聞いたことがあるんだ。帰れたとしても帰る気はなさそうだった」
「だろうな。王都が……というより、教会がしてきたことを思えば当然のことだ」
言葉が途切れ、枝葉を撫でる風の音が、庭を駆け抜けていく。いつの間にか眠っていた二匹のコボルトたちのやわらかな毛並みが草原のようにそよいでいるのが見え、ネルケは僅かに表情を緩めた。が、すぐに目を伏せ複雑そうな顔になる。
「教会って、なんであんなに横暴働いても許されてるの?」
「……僕の口から、軽々しく語れることではないんだが」
「別に、いまのあんたはただの旅人でしょ。噂話でいいのよ」
ネルケがそう言うと、クラウスは暫く黙り込んでから一つ息を吐いた。
「枢機院の何人かが、彼らに口利きをしているそうだ。……噂だけどな」
「王家の身近にも、そんな輩がいるのね」
「王家も枢機院も一枚岩ではないからな。第二王子を後押ししている者は反教会、そして第一王子を推している者は教会派なんだ」
「初耳なんだけど」
「ペラペラ話すことでもないだろう?」
「ま、それもそっか」
難しいなあ、と伸びをしながらネルケがぼやく。
ネルケは貴族の娘とはいえ、ジークリンデ家自体が政治に直接関わる枢機院に所属する立場ではないため、込み入った話題は入ってこない。エヴァルトの街も最近になって発展した後発の街であるため、規模に対して政治的立場は然程高くはないのだ。
だからこそ、ここ数年で漸く教会が目を付け始めたとも言えるのだが。
「そうなると、魔女絡みのあれこれも胡散臭く感じるわ」
「否定はしないが、そう感じるならあまり首を突っ込まないほうがいい。……特に君は、お父上に似て正義感が強いようだから」
「一応、覚えて置いてあげる」
「そうしてくれ。もし君になにかあったら……」
そう言いかけて、クラウスはハッとして口を噤んだ。不自然に途切れた言葉を訝って、ネルケが隣を見る。と、微かに頬を染めたクラウスが慌てて顔を背けた。
「なによ、はっきりしないなぁ」
「……僕は、子供の頃にした約束を、子供の戯言で済ませるつもりはないってことさ」
ぶっきらぼうにいうと、クラウスは勢いよく立ち上がってマントを被った。目元を隠すくらい目深にフードを被り、旅人風の格好になるとネルケを見下ろす。
「そろそろ帰る。城を抜けてきたから、辻馬車を捕まえなければならないしな」
「そっか。……じゃあ、また」
「ああ」
丈の長いマントを翻して去って行くクラウスの後ろ姿を見送り、やがてその姿も路地を曲がって見えなくなった頃、ネルケは火がついたように顔を赤くした。
「……約束って、まさかあれのことじゃないよね……?」
唐突だったせいで反応しそびれた、約束の話が脳裏を過ぎる。
幼い頃は体も小さく、第二王子ということで予備扱いをされていたクラウスが、初めて自分の意志で思いを告げた出来事。
―――……ぼく、おおきくなったらネルケのことおひめさまにしてあげる。
野の花で編んだブレスレットを、涙目で差し出しながらクラウスが言った言葉。当時の自分は何と答えたのだったか。記憶を辿ろうにも、何故かそこだけが夢の出来事のように白く曖昧で思い出せなかった。