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プロローグ
190年前ーーとある山奥で貴族のようなドレスを着た黒髪の幼女が泣き叫んでいる。
「いやぁっ! おねがい! ──ふらぶの家族をかえしてぇ!」
大勢の黒いスーツを着た人間が燃えた豪邸ごと少女を取り囲んでいた。──そして木々、辺り一面業火のように燃えて斬新な遺体が転がっていた。
幼女は自身を守って殺されて行く家族を見てることしか出来なかった。
ただ次に目を覚ました時には沢山の形状を保っていない燃えた死体が転がっていて。家族が殺された日の記憶はそこから途切れるように無くなっていた。