朝のラジオ体操感覚でアジトを潰されるなんて盗賊団が気の毒に思えるよ
前回のあらすじ
コボルトの姐貴
ペロを仲間にして、夜も遅いので宿を貸してもらう事にした
今回は、静樹についてがわかる回です
朝、村長宅で目を覚ました静樹達
盗賊の実行犯であるボウガンの男と一味の一人を倒した事で
村人に束の間の平和が訪れた為、村長は
一室を御礼に宿として使わせペロとユランに挟まれる様に静樹が眠っていたのだ
「ふあー……おはようべネット……」
静樹は目覚め、ペロは背伸びをした
『ん〜……ふぅ……誰だい?
べネットって?』
ユランは、静樹に巻き付いていた
『よう寝れたか?
シズ?』
「も〜バッチリ快眠どころか、永眠しちゃう程だよ〜♪
身体中ポックリさ〜
安らかに眠れたよ〜♪」
『シズの身体が軟体に!?』
『いや、唯
関節が全部外れてるだけさね
あたしが付けてやるから
じっとしてな』
ペロが静樹の身体の関節を物理的に整体術で治していく
「あっあっあっ
あああああ!?
あぎゃああああ!!」
『ん!?
何だい
この身体は!?
人間の体じゃないよ!?』
『すまぬ、回復魔法が服に惑わされて鳥になったんじゃ』
『なに、人間の身体をハーピーに作り替えてんだい!?
おまえさんの旦那だろう!?
もっと大事にしてやんなよ!!』
『いや……昨日よりも大分元に戻ってきとるから
直に治るじゃろ……きっとそのうち……
おそらく……多分……
吾とて、怪我をせぬようシズを守っとる!!
じゃが……この吾の……身体は……
触れ合う事を求めようとも
触れるモノ全てを……壊してしまうという事を知って……理解してしまったんじゃ……』
「ユランちゃん落ち込まないでよ、僕がユランちゃんを選んで
好きで一緒に居るんだから良いじゃ〜ん?」
『じゃがシズ……
いつか……取り返しがつかぬ程に壊してしまうやも知れぬぞ?』
『まあ、待ちな
あたしは今、良いもん持ってんだよ』
「えっ?
いーもんもんじゃんじょん?」
『ああ、そうだよ
良いもん持ってんだ
これだよ
持ってみな』
ペロが小さな巾着袋の中から、水晶の珠のようなものを取り出した
「何これ?
ボール投げて遊ぶの?」
『何言ってんだい!?
割れちまうだろ!?
これはね、謂わば鑑定具さね
これが有れば、その死んでも甦るのが何故か
どういうモノなのか解るって寸法よ』
「カーッ!!
こんなすげぇタマ有るんけぇ〜
オラ、おでれぇたぞ〜!
このタマを7つ集めりゃ
どんなネゲェも一つだけ叶うんけ〜!?」
『そんな事一言も言ってないだろ!?
何言ってんだい!?
いいから使ってみな』
「そんな事言ったって
使い方がわからないんだから仕方ないじょのいこ……」
ペロは静樹から珠を取り上げた
『こうだよ見てな!
ただ念じるだけさね!!』
名称:ペロ
種族:コボルト
性別:雌
能力:身体能力【高】 嗅覚【極上】 戦闘力【強】 理性【中】 本能【大】
性格:面倒見が良い姉御肌
称号:森の覇者
『ほれ、やってみな』
再び、ペロは静樹に珠を渡した
「森の覇者って……
姐さん……
えーっと……いでよ!!
ステータース!!」
名称:シズ(鳳 静樹)
種族:着ぐるみ鳥人間
性別:辛うじて雄鳥
能力:不老【永遠】 再生【超】 残機【無限】 バグ【中】 ギャグ補正【極極】
性格:極めて人外好き且つ寂しん坊
称号:ユランの夫
『気になる文字に触ってみな、あたしとしては
全部に触ってほしいんだがねぇ……』
「ペロッ……これは!?
ステータス!!
えーっと……ペロネキ?
ステータス……バグってないコレ?」
【ユランの夫】
リヴァイアサンの伴侶で有る限り共に生き続ける事が可能になる特別な称号
『よしっ!!
これでシズに先立たれずに済む!!
クフハハハハ!!』
『笑い方が悪役みたいだねぇ……
それで、他は?』
【残機】
死亡時、自動的に消費する事で復活ができる
【再生】
滅びたモノが甦る、傷や怪我、欠損、破損、損傷全てを直す不死鳥の力
【不老】
老けない
【バグ】
本来、有り得る事の無い不具合
【ギャグ補正】
赤き低温メイドの贈り物
メッセージ有り:私の能力の一部をpresentします、平等な自由をgiftです。
「わけがわからないよ」
『こっちの台詞だよ……
あんた、なん何だい……?
本当に人間かすら怪しいよ……
赤き低温メイドって誰だい……』
「えっと……赤いアイツ……
その……よくわからない……」
『はぁ……次はユランやってみな
壊すんじゃないよ?』
『吾を何だと思っとるんじゃ!?』
『破壊神』
『見とくんじゃぞ!
壊さずにやってやるぞ!!』
名称:ユラン
種族:レヴィアタン
性別:雌
能力:――――バリンッ
『はあっ!?』
『何もしとらん!!
何もしとらんぞ!?
唯普通に使っただけじゃ!!』
「アレだ……強すぎて測定不能なんだよ……」
『何だいそりゃ……デタラメ過ぎる……』
『すまぬ……すまぬ……
強すぎて何も守れず……全てが……壊れてしまう……』
『まあ、気にするんじゃ無いよ
また、ダンジョンにでも潜って探してくれば済むさね』
『よしっ!!
許された!!
案外チョロいヤツよ!!
クフハハハハハ!!』
ユランは、わりと狡猾だったが
気分が高揚すると思った、事をすぐ言ってしまうようだ
『……ぶっ飛ばされたいのかい?』
「ねえ、なんかカチャカチャしてくっ付けてたら直ったよ?」
水晶の珠は、元通り
ひび割れ一つ無く綺麗に修復されていた
『はあ!?
夫婦揃ってデタラメ過ぎるよ!?
その再生って自分の身体以外にも効くのかい!?』
「わかんないけど……多分そうかな?」
『ならいいさね……今度は壊さない様に、そっとやんな』
『好き好んで壊しとる訳じゃないぞ!?
こうか……?』
名称:ユラン
種族:レヴィアタン
性別:雌
能力:不死【永遠】 破壊【超】 殲滅【災厄】 回復魔法【劣悪】 変化【高】
性格:ロリババア
称号:最強の嫁
――バリンッ
『何すんだい!!
今わざと壊したね!?
木っ端微塵じゃないか
この破壊神が!!』
『つい
むしゃくしゃしてやった、反省はしとらんが後悔も特に無い』
「直したよ〜」
『はぁ……破壊と再生、良いコンビだよ
本当に……
言っておくけど、この珠じゃあ
全て解る訳じゃないからね?
細かい特殊技能は出ないよ』
「特殊技能、羽撃きとか
有ったりして〜」
『やってみなよ』
「えーっと……先ずはパジャマ脱いで……
バサバサって……少し浮くけど疲れるね……」
『本当に浮くのかい!?
鳥かいあんたは!!』
「鳳だよ〜
あっ……なんか、着ぐるみパジャマ着たら特に羽ばたかなくても苦も無く浮けた……
羽を飛ばす攻撃とか出来そう……
だと思ったけど袖口から……羽毛しか出ないよ?
攻撃力無いやコレじゃあ」
『あんた人間辞めちまったのかい?』
「WRYYYYYYYY!!
僕は!!
人間を辞めちゃったぞッ!!」
『なかなか美味な羽じゃな』
ユランは、静樹の羽を食べた
『何食ってんのさ!?
食いもんじゃないよ!?』
『なにやら力が溢れてくる気がするのじゃが……』
『は?
どれ、何だいこれ……
甘い味がするよ……』
「どれどれ?
んー……これはッ!!
プリンの味だ!!
こっちはチョコレートプディングだ!!
ドクペ風味も有る!!」
『これは何味だい?
……ブッフォ!?
とても食えた味じゃ無いよコレ!!』
「え?
半分ちょうだい……んー
これは、マーマイト味だね
バターを塗ったパンに付けて食べるんだよ〜」
『はぁ……こんな事して遊んでないで
さっさと出発の支度をするよ!
食料の用意と朝飯食べるよ!!』
ペロに急かされ慌てて支度を始める静樹、出発前に作る弁当を用意する事となった
『手早く食べ終わったら40秒で支度しな!!』
「キャラ的に言いそうな台詞言ったよ!?」
▽▽▽
静樹達は朝食を終え、村の出入口の前にいた
「いよいよ出発ね……」
『まずやることは、朝の運動さね』
「お父さんは……?」
『準備運動は大事さね
咄嗟に身体と頭が動くようにしないと、命が幾つ有っても足りないね』
「僕は足りる程の命が幾つも有るけど……」
『あんたは例外だよ』
「そういえばなんか……
シズくんが死んだ夢見たわ〜
何処かから気絶でもして夢見てたみたいなのよ……」
「ところがドッコイ!!
夢だけど〜夢じゃなかった〜♪」
『ところで、運動とは何をするんじゃ?』
『前は、襲ってくる奴ら相手に森で暴れてたんだけどねぇ〜
みんな、あたしに襲って来るような骨の有る奴はいなくなっちまったよ
そんな事を繰り返した所為でレベルは上がり……
群の中でも、あたしだけが一番強く成りすぎてしまってねぇ……
本来コボルトは群れで生活する種族だからねぇ〜
あたしが、種族のリーダーよりも強くなり過ぎたから
あたしは上下関係を乱す邪魔者な訳さね
だから一匹狼で、隠居してたのさね』
「まさか……ユランちゃん相手に手合わせして運動?」
『何を言うんだい!?
リヴァイアサンのユランが暴れたら森の被害以外にも村や村人達が死んじまうよ!?
あたしが運動するためだけに甚大な被害を増やすなんて事出来るわけ無いね!!』
『ならば、あの豚の鼻をした男の一味の住み処、隠れ家に乗り込み根絶やしにするのはどうじゃ?』
『賛成だね
食後の軽い運動にはもってこいだ』
「朝のラジオ体操感覚でアジトを潰されるなんて盗賊団が気の毒に思えるよ
ま〜別に僕は生きてるんだし行かなくても良いんじゃない?」
『シズが甦らなければそのまま死んでいたからの
シズが生きていようと
奴の仲間を根絶やしすると誓ったからには、絶対に滅ぼす』
『ま、いつかこうなると、考えず
身の程知らずが勝てない相手に、手をだすからさね』
「悪事を働くという事はそれなりの報復が有るかも知れないと考えなくちゃ
って事?」
『そういうこった、あたしゃ
向かって来る者は身を守る為、蹴散らしゃするが
あたしから手を出しはしないのさ
そうすりゃ上手く行けば高レベルさね』
「僕は……レベルは上げなくて良いかな……
誰かを傷付けなくても生きてけるし?」
『その優しさと、甘さに付け込まれて
足元を掬われないように気を付けるんだよ?』
「アレだよ、アレ……
えーっと……モンスター不殺で仲良しになる〜
みたいな?
P……ルート?
敵を作るような事をしないで、それでも尚
敵が出るなら、それは100%くらい
悪いのは相手だし、抵抗とか反攻しても
仕方ないし、そこからまた敵が増えても
悪い事してないから抵抗とか反抗や反逆行為をしても
罪悪感無くそのうち勝手に嫌でも少しずつレベルが上がるかもしれないから
悪に抵抗して
悪の味方が更に度々現れても
善の敵は来ない筈だよ?
でも正義の味方は来ちゃうかも……」
『正義の味方が来るのは何か問題有るのかい?』
「正義感が必ずしも完全に善とは限らない〜
ってね〜
正義感と正義感の対立は、どっちも相手が間違っていて、自分が正しいって思ってるもんなんだよね……」
『シズは頭が良いのか
悪いのか、あたしゃわからないよ……』
「僕は頭が悪いよ?
だって、よく言われるからね
相手が誰で、どれだけ周りの評価が最悪でも、お前は空気を読まずに
周りの意見にも従わないで
嫌われてる奴にも何の偏見も持たず
性格と人格から勝手に判断して勝手に信じたりして
評判が良い奴も気に入ら無きゃ、言うこと聞かねえ
自己中で飛び回る鳥みたいな奴だ
世の中従うべき相手を見極め無い奴は頭が悪いんだって
お説教されたからね
でも酷くない?
僕は唯、深く考えずに気儘に喋って行動してるだけだよ?
普通じゃないの?
気に入ったら懐くし、気に入らなきゃ関わらないのって」
『あたしゃ、シズが
ユランやあたしみたいな人外相手に臆しないで接する訳が解ったよ
ほとんど、複雑な人間関係を理解しない子供の思考や動物みたいな本能で生きてんだね……』
ペロは、静樹の頭を撫でながらそう言った
『何はともあれ、シズなら妖精を視ることが出来そうだねぇ』
「座敷童子なら見たこと有るよ!
中学生くらいの人と仲良くお喋りしながら
歩いて散歩してたよ!
ユランちゃんみたいな喋り方だったよ!」
『ザシキワラシって何だい?
ユランは知ってるかい?』
『知らんの
恐らくは子供にしか見えぬ妖精とかじゃろ』
『おっ、この辺りだよ
盗賊の根城は』
話ながら、洞穴を改装してカムフラージュした
盗賊のアジトにまで到着した
『さて、着いた事じゃし
速攻消し飛ばすかの』
「中に誰か拐われた人が居るかもしれないし……
ミズーリちゃんのお父さんが、居るかもしれないし情報知ってる人がいるかもなのに
あの口から破壊光線やっちゃうの?」
「中調べて!!
中!!」
『まあ、覚えたミスミの臭いも微かにするねぇ〜
でも中には居ないと思うがね』
「間違えないで!!
スミス!!」
『スミスねぇ……
そもそも、洗ってないパンツと靴下を嗅いだ
あたしの身にもなっとくれよ……』
『シズも悪臭で固まっとったの』
『猫のフレーメン反応みたいな顔だったねぇ』
「フレーメン反応は臭いを取り込むときにやるヤツだよ?」
『それでは早速乗り込むかの
出陣じゃ!』
「お邪魔しまーす?」
静樹が、洞穴の入り口から声をかけると……
「邪魔するんやったら帰って〜!!」
と返事が帰って来たため、条件反射で静樹も返す
「はいよー!!」
そのまま踵を返す静樹に、ユランは
つっこんだ
『何帰ろうとしとるんじゃ!?
素直か!!』
『何を夫婦漫才やってんだい?』
ペロは呆れて、先に洞穴へ入って行った
「ペロネキ
一番勇敢だよね……」




