第十六話 蒼い弓編第四話:「蒼い弓の
蒼疾「………ふぅ、久しぶりに戻ってきたけど前回の前書きっておかしな次回予告してたよな………」ナナスティア「そうっすね、けど誰も気づいてないようっす」蒼疾「それなら別にいいか………どうせ、ここの次回予告は当てにならないからなぁ」ナナスティア「じゃ、恒例の次回予告をするっす!次回、フェアリーブレイヴ第………十七話?蒼い弓編第五話ぐらい、『蒼い弓の実』!」蒼疾「たどたどしいなおい!」
第十六話 蒼い弓編第四話:
「蒼い弓の」
昼休み、金曜日だったために菜々子先輩と屋上にやってきていた。いつものラヴ・オーラが漂っている。
「ねぇ、蒼疾お兄ちゃん」
「何ですか?もしかして料理がおいしくなかったとか?」
俺が作った料理を食べながら首を振る。
「ううん、全部おいしいよ♪」
「それはよかった♪蒼疾、とってもうれしい♪」
「……」
「きゃぴ♪」
「……蒼疾、それは人としてやってはいけない領域だぞ、うん」
「……冗談ですよ、菜々子さん」
この人はしょっちゅう変わるなぁとかそんなことをもういうことなく慣れてしまった。
「えっとね、なんだか最近蒼疾お兄ちゃん思いつめてるような表情してるかなぁと思ってね」
「思いつめた表情?」
俺は首をかしげる。そんな表情をしていただろうか?
「うん、昨日だって新聞を見ていたときかなり怖い表情だったよ?」
菜々子先輩がそういうのならそうだろう。菜々子さんのほうが言うなら怪しいがこっちの菜々子先輩ならばうそはつかないはずだ。
「小さいころのわたしにそっくりだったからさ」
「そうなんですか?」
「うん、毎日毎日鏡を見てこのもう一人の人格について悩んでた」
やっぱり、悩むんだろうな……俺が口を開いても何もできないのはわかっている。
「だけどね、それもわたしなんだって思うことにしたんだ」
「?」
「たとえ、どんな暗い自分が、認めたくない自分がいたとしても、それは自分自身。だって、この世界には認めたくないものだってたくさんあるんだから」
「………じゃ、じゃあ今の菜々子先輩にも認めたくない自分が………?」
自信満々に彼女は頷く。
「今だって逃げてるかもしれない………認めないってことはわかってるけどそれが相手を認めてるってことかな?えへへわからないよね?」
「………殆どわかりません」
「ごめんね、よく意味がわからないことをいってさ」
そういって菜々子先輩は立ち上がる。
「………このもうひとりの自分、それを誰かと一緒にその存在意義を見つけるのがわたしの夢かな………」
そういって頬を朱に染めて俺に手を差し伸べた。
「………だからさ、今日だけわたしを選んで?まだ蒼疾お兄ちゃんは戻れる道を歩いているからさ」
「………ええ」
俺はその手をつかんで立ち上がる。きっと、今視線の先にある蒼空は同じ蒼空が拡がっているのだろう。
「今、蒼疾おにいちゃんが考えてることなんてわたしにはわからない………困ったときは相談してね?だって、わたし………」
「一応年上だから♪」
「はは………これからもよろしくお願いしますよ、お二人さん」
「「うん」」
気のせいだろうか、それとも目が悪くなったのか………俺の目にはぶれて映るもうひとりの菜々子先輩の姿が…………見えていた。
「じゃ、そろそろ戻ろうか?」
「今度こそ、このわたしのナイスバディーな姿をみせてやるから」
「………いえ、ナイスバディーは遠慮しておきますよ」
今目に映っているその姿は間違いなくお子様体型だから…………菜々子さんのプライドを守ってあげるとしたら若干胸が膨らんで身長が高くなったぐらいだ。
――――――
教室に戻ってきた俺にゴンゾウが近づいてきていた。
「天川、お前の机の中にこれが入ってたぞ」
「……!?」
それには『蒼い弓様へ』とかかれた封筒だった。
「おいおい、あいつはこの学校の制服着てなかっただろ?」
「そうなんだよねぇ………一体全体、これはどういうことなんだろうね?」
全然わからないといった調子でゴンゾウは顎に手を這わせる。
「ゴンゾウ、何か知ってたらあの下着全部お前にくれてやるぞ」
「実はあの女の子が校門の前にいてそれからこの手紙を受け取ってばれないようにそれとなく天川に渡してくれれば報酬としてあの女学校の制服をもらえるんだ♪」
なるほど、そんなことがあったのか……
「それで、お前は寝返っていいのか?」
「もちろん!友人をだますことなんて僕にはできない」
途中結構裏切り方面に動いてたけどな。
面倒なのでそれ以上言うことなく俺は手紙を開ける。
「中身、見たか?」
「いいや、それがラブレターなら中身を改ざんするけどそれじゃないとチェリーセンサーが感じ取ったから」
すごいセンサーだな、それは。
「それで、中身はどういったものだ?」
「えっと……『あの場所で、今日の夕方、決闘を望みます』だってさ」
「だってさって……すごいね、本当に決闘するつもりかい?」
そりゃするしかないだろ、ああ、でも憲法か何かで決闘すると罰金だという言葉を聴いた気がするな……
「ま、きたくなければ来なくていいから……」
「それで、君の大切な友人たちにはこのことを教えるのかい?」
ふと、七海、奈々枝、菜々子先輩にナナスティア、ナナスフィアがそれぞれ笑いかけてきたのだがもちろん俺は首を振った。
「あのな、お前は友人がものすごいすりだったとか自慢になるか?うれしいか?」
「そうだなぁ……まぁ、蒼疾ならいいんじゃないか?」
「はっ、意味がわからん」
首をすくめて俺はさっさと教室へともどったのだった。さて、用意しておかないといけないものは……なんだろうか?ああ、勇気と根性、やる気にちょっとしたお茶目な気持ちだろうな。
――――――
夕焼けが眠ろうとしている時間帯、俺らを避けて学生たちが自宅に帰るために改札口を通過していく。
「暇だな」
「そうだね」
そんな中俺とゴンゾウはずっとその光景を眺めていた。まだあのお嬢様学校の制服は見えてこない。
「そういえば……」
「そういえば?」
「思うに何でお嬢様学校の連中がこんな駅を使うんだろうな?」
ナナスフィアだっていまだに車でお迎えとかなのだ。まぁ、ナナスティアのほうは普通に俺たちと歩いて帰ったりしているのだが。
「そうだね、確かに言われてみれば……あの学校の制服はあの娘以外見たことないと思う」
「そうだよなぁ……」
つまり、あいつはしょっぱなから狙っていたということか?ううむ、なんて計画的?な犯罪なんだ。
「蒼疾」
「……ああ」
遠くからかばんを背負った一人の女子生徒がやってくる。高貴なオーラをまとって俺たちの学園生徒たちからは完全に浮いているような存在だった。
夕焼けが、さらに傾いた。




