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第39話 鉱山に向かうようです

 翌日。俺達は昨日頼まれた事を詳しく聞くために冒険者ギルドにいる。


 ほんとはめんどくさいからやりたくないんだけどなぁ。放っておけないからなぁ。


 ということで昨日の受付の人の所に行く。


「すいません。ちょっといいですか?」


「お待ちしてました!!来ないんじゃないかと心配してた所でした!」


 俺ってそんなに信用ないんですかね…。


「あの、俺達って魔物倒せばいいんですよね?」


「はい!緊急のクエストとして既に出ています!詳細はそちらをご覧下さい!」


 朝から元気のいいこと。べつに悪いことじゃないんだけどね…。


 俺達は緊急クエストの張り紙がある所へ向かった。


 うわぁ…。やっぱり人多いな…。


「朝からこれはちょっときついわよね…」


「行ってきて…?」


「おいミル!お前薄情だな!」


「マスター頑張ってー!」


「えぇー。もう決定事項なのかよ…」


「…よし…!」


「ミル?何をガッツポーズしてるんですかね?」


「ふーふー」


「誤魔化しきれてないぞ…」


 俺は仕方なく張り紙を見るため人混みを押し退けて進んだ。


 えっとなになに?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【緊急クエスト!】

鉱山に巨大な魔物出現!生半可な攻撃では全く動じません!そこで強力な攻撃技を持っている方は全員参加をお願いします!

[討伐対象]

ジャイアントロックタートル

[期限]

ジャイアントロックタートルを倒せるまで

[報酬]

基本30万G。働きに応じて上下。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 うわぁ適当だなぁ。でもまぁこれで人が多い理由が分かったわ。大方報酬目当てだな。あとは腕自慢が集まってるのだろう。ダメだった時の反動が大きそうだ。


 だが俺達の問題はそこじゃない。


 問題はジャイアントロックタートルとか言うやつがどれくらい大きいのかって所だ。


 大きすぎたら俺達でもどうにもならんからなぁ。


 とりあえず皆のところに戻るか。


 俺はまた人混みをかき分ける。


「おい皆ー戻っ……この状況は一体なんだよ…」


「主様。この輩が私達にちょっかいを出してくるのでちょっと痛い目をと思いまして」


「この人達気持ち悪かったのー!」


「ゼロちゃんの言う通りなんかはぁはぁ言ってて気持ち悪かった!」


「多分こいつらロリコンよ。逃げれない様に囲んできたしね」


「あたしロリっ子じゃないもん…!こいつら殺す…!」


 ほうほう。このロリコン(仮)達は何を思ったかこいつらにちょっかいを出してしまったのか。馬鹿なことだ。


 まぁみんな見た目はいいからなぁ。中身は脳筋で思考が時々ぶっ飛ぶが。特に最近のミルは脳筋が進行してる。


 ………ダメだこいつら…!早くなんとかしないと…!


 とりあえず、事の次第は聞いたからあとはこのロリコン(仮)達をどうにかしないと。


「お前らちょっとそこで待ってろよ?職員呼んで来るから」


 俺はさっきの受付の人を呼んで事情を話した。


「なるほど。これは冒険者には良くあることですね。ただ、同じ女として許すことは出来そうにないですが」


 ふむ。職員さんもそう思うんですか。


「それでこの人達はどうすれば?」


「こちらの方でランクを下げるなどの対処をさせていただきます。それでも更生しない場合ばギルドカードの剥奪と永久追放が待っていますね」


「意外と重い刑なんですね」


「当然です。こういう人達のせいで冒険者ギルドの名誉が傷つけられれば信用がなくなって依頼が減ってしまいますから」


「なるほど。確かにそれは重い刑になりますね」


「それじゃこの人達をどうにかしてきます」


「はい。お願いします」


 職員さんはロリコン(仮)達をロープでグルグル巻にして、引きずっていった。職員さん、意外と力持なんですね。


「はぁ。なんで毎回こんなに時間がかかるんだろうな…」


「大方あなたの巻き込まれ体質のせいでしょうね?」


「ですよね~…」


 はぁ。ほんと疲れる。っと気を取り直して、伝えること伝えなければ。


 そうして皆に緊急クエストの内容を伝える。


「簡単そうじゃない?」


「ん」


「マスターならよゆーなのー!」


「そうですね。主様なら簡単でしょう」


「あるじさまと一緒に戦える…!」


 皆乗り気なんですけど。


「二ャッ!」


「シロもやる気満々ね?」


 シロ…。お前は俺を裏切らないと思ってたのに…。


 はぁ…。しょうがない。不安は残るが行くか…。


 俺達はロリコン(仮)達を縛り上げて色々やっている受付の人の所へ向かった。


「緊急クエストのことでお話が…」


「はい!何でも聞きます!なんでしょう!」


 食い気味でくるなぁ。


「俺達も参加す…」


「ありがとうございます!ありがとうございます!!あぁ!これでこの街は救われます!あなた方はこの街の英雄です!」


「えぇ…まだなにもしてないのに…」


「ですがあなたはこの前の王都であった式典に出た人ですよね?」


「えっ?なんで知ってるんですか?」


「昨日水晶から出てきたカードに書いてありましたよ?[アースドラゴン討伐数1]って」


「マジかぁ。バレてたのか…」


「ですので私は必死で頼んだのですよ。これでもギルマスやってるんで」


「ギルマス…だと…!?」


ははは。そんな冗談やめて欲しいなぁ!


「あ、でも私冒険者上がりではないので。なんか私仕事取ってくるの上手かったらしく、ギルマスになっちゃいました。でもギルマスより受付の方が楽しいので普段はこうして受付嬢をしてるんです」


「今日一の驚きなんですけど…」


「皆さんそう言われます。あ、自己紹介するの忘れてましたね。私リリアスと言います」


 冒険者上がりじゃなくてもギルマスになることなんてあるんですね…。また一つ賢くなれましたよ…。


「まぁそんなことより緊急クエスト行ってくれるんですよね?」


「あ、はい。そうですね」


「ではクエストを受注しますね」


「お願いします」


 受注を手際良くすませるリリアスさん。


「これで完了です。御武運を」


「ありがとうございます」


 じゃ、行きますか。


「みんなこれから討伐に行くぞー。目的地は、北の鉱山。討伐対象はジャイアントロックタートル。どんな敵でも気を抜かない様に気を付けるんだぞ」


 俺の言葉で皆の顔つきが変わる。所謂戦闘モードというものだ。全く頼もしいものである。


「じゃ出発だ!」


「「「「「おー!」」」」」


 俺は北の鉱山に一抹の不安を抱えながら向かう事になった。

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