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第37話 レースをするようです

 シロをペットとして飼い始めた俺達は、馬車に戻って、ゆらゆらと揺られている。


 俺的には癒しが増えたことが嬉しいが、面倒事がまた増えそうで気が気でならない。


 ちなみにシロは魔物扱いらしい。名付けした時従魔になりましたって言ってたしな。


 で、そのシロはと言うと。


「ミャー」


「とってもかわいいのー!」


「きもちいい…!」


 女の子達に囲まれて撫でられています。


「わ、わたしにも撫でさせて!」


「リン様そんなに焦らなくてもシロ様は逃げませんよ」


「みんな元気ねえ。でもシロに構うのもほどほどにしてあげなさいね?嫌気がさしていなくなっちゃうかもしれないし」


 ジュリがまともな事言ってる。


 だけどその手はなんだろうね?めちゃくちゃ撫で回してるじゃん。説得力ないよ?


 だが、シロには悪いがちょっとの間構ってもらっていよう。その間にシロのステータスを確認しておくからな。


 それじゃステータス!


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マウスネコ

Lv.1

HP:500

MP:50


【魔法】

結界魔法


【スキル】

魅惑・感知・夜目・聞き耳・俊敏強化・無音・毒牙


【称号】

伝説の魔物の子

従魔【シロ】

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 まぁペットにするならこれくらいがちょうどいいよな。


 とりあえず知らないスキルを調べておくか。


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〔魅惑〕

自分を見た者を釘付けにする。

〔夜目〕

暗くても昼と同じ見え方ができるようになる。

〔俊敏強化〕

俊敏が強化される。

〔無音〕

自分の出す音を消すことができる。

〔毒牙〕

噛み付いた相手を毒状態にすることができる。

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 さすがネコと言ったところですかね。ほとんどネコの特性だわ。でも毒牙はネズミかな?


 まぁこんなものだろうな。で、問題の称号なんだが。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〔伝説の魔物の子〕

伝説の魔物の子である者に与えられる称号。ステータスが上がる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 な、なんと…。ステータスが上がっちゃう系の称号だったとは…。それに伝説の魔物ってやっぱりビャッコですよね。


 うちのペットも大概チートでしたわ。まぁシロ程度じゃあもう何も思わなくなってきたけどな。


 だって俺のパーティメンバーは、スキルを奪えるゼロに、全魔法を使えるレンとリン。攻撃魔法特化でなんでも凍らせるミルに、支援魔法特化で自分にバフ掛けまくって殴りに行くジュリだぜ?


 俺なんてスキルを増やせて、スキル数が多いほど強くなるんだぞ?


「二ャー!」


 あっ、シロが俺の頭の上に戻ってきた。


「おいお前達。シロにもう少し優しくしてやれよ。なんか泣いてる様な気がするぞ?」


「「「「「ごめんなさい」」」」」


「だってよシロ?許してあげてくれ」


「ミャ」


「許すってよ」


 なんて言ってるかわからんがそう言ってるのだろう。


「よし。じゃ、レースするか!盗賊が来て結局してないからな」


 皆は今一度レースの準備に入る。と言ってもスタート位置に並べるだけだが。


 今回のコースは凸形になっており、カーブが多い。上の出ている部分はヘアピンカーブとなっていて、うまく曲がることができるかで勝敗が決まるだろう。


「それでは、レースを開催します。エントリーナンバー1!ミル選手!」


「王者は譲らない…!」


「エントリーナンバー2!ジュリ選手!」


「精いっぱいやらせてもらうわ」


「エントリーナンバー3!ゼロ選手!」


「楽しみなのー!」


「エントリーナンバー4!レン選手!」


「1位を狙っていきます」


「そして最後はエントリーナンバー5!リン選手!」


「前回は全然出来なかったから今回は頑張る!」


「以上!選手紹介でした!」


「これってやらなければならないことだったの?」


「何言ってんだジュリ。これをしないと気が乗らんだろ!」


 俺の言葉に頷くミル。ていうかミルしか頷いてない。分かってくれないかぁ…。まぁいいか。早く始めよう。


「皆さん。位置に着いていますね。ではスタートの合図を出します」


 5人の選手に緊張がはしる。


「3!2!1!GO!」


 合図とともに一斉にスタートする!


「おっと!さすが王者!スタートダッシュでいい位置取りからトップに躍り出る!一方少し出遅れたリン選手!必死でしがみついていく!シロさん、これからどうなるか見ものですねぇ」


「ニャー。ニャ」


「ふむふむ。なるほど。そうですねぇ」


 なにを言ってるか分からないが、そこは雰囲気だ。


 現在のトップはミル。その後ろにレン、ゼロ、ジュリ、リンと並んでいる。


「先頭が最初のコーナーを曲がっていく!おーっと!ミル選手ちょっとスリップしたかぁー!後ろに着いていたレン選手に抜かれてしまったぞぉ!」


 ここでレンがトップに躍り出てミルが2位に。


「ほかの選手は危なげなくコーナーを曲がっていくぅ!さて!2つ目と3つ目のカーブであるS字カーブに入った!ここでゼロ選手を抜いてジュリ選手が3位に上がる!最下位のリン選手はここは綺麗に抜け差を縮めたぁ!」


 現在、レンからミル、ジュリ、ゼロ、リンの順で並んでいる。


「ここから一番の難所!ヘアピンカーブに入ります!シロさんここはどうなるでしょうか!?」


「ミャミャ。ミャーミャ?」


「なるほど。いかに速度を上げた状態で曲がれるかが勝負になると?」


「ミャ!」


 適当に言ったら当たったぜ!


「さて!レン選手とミル選手が並んでヘアピンカーブに差し掛かったぁ!両者の速度はほぼ変わらない!綺麗にドリフトを決めていくぅ!おーっと!ミル選手がリン選手を内側から抜いていったー!」


「ニャアニャ!」


「そうですねぇ。すごいテクニックでしたねぇ。おっと、後続が来ました!3者並んでヘアピンカーブに差し掛かる!おっと!ジュリ選手とゼロ選手少しスピードを出しすぎたかぁ!?コースアウトしてしまったぞぉ!それによりリン選手が最下位から3位に上がる!」


 ヘアピンカーブを抜けた時の順位はミルを先頭にレン、リン、ジュリ、ゼロだ。


「さて、終盤に差し掛かってきました。次は左と右に直角に曲がるカーブが連続でやってきます。ここは立ち直りが重要になってくるのではないでしょうか!?」


「ミャ!」


「先頭が直角カーブに差し掛かりました!おっとぉ!レン選手最初の左の直角カーブが曲がれずコースアウト!大幅な時間ロス!3位のリン選手にぬかれしまったぁ!ミル選手は難なく直角カーブを曲がっていくぅ!後続も危なげなく曲がっていきます」


 ここでの順位は先頭がミル、後ろにリン、レン、ジュリ、ゼロの順。


「ここで先頭が最後のカーブに差し掛かりました!ここはミスをしたくないところ!ミル選手どうか!?……いったぁ!!綺麗に曲がりました!!そしてこのまま先頭でゴール!!1位はやっぱり王者!!王者は強かったぁ!!」


 先頭でゴールしたミルはガッツポーズをしている。


「おっと!2位争いが起きています!!現在の2位はリン選手!ふたり並んでカーブに入ったぁ!レン選手うまい!外からリン選手を抜いていったー!リン選手も後を追いかけるがそのままゴール。2位はレン選手。3位がリン選手となり表彰台が埋まった!」


リンはもう少しで、2位を取れたのに!、と悔やんでいる。レンは、あそこでコースアウトをしなければ1位争い出来ましたね、とつぶやいている。


「最下位を決める戦い!ジュリ選手とゼロ選手!カーブをほぼ横並びで抜けた!ここは立ち上がりが早い方が勝つか!?結果は……!ジュリ選手が先にゴール!指一本分の差でジュリ選手が先にゴールしました!これにより最下位がゼロ選手となりました!」


「ミャミャ!ミャ」


「はい。とてもいいレースでしたねぇ。次もこんなレース見られると良いですねぇ」


 ジュリは、もう少しいけるかしら?、とか言っていて、ゼロはとてもにこにこして、楽しかったー!、って言っている。


「では、ここで表彰をしたいと思います。1位のミル選手はこちらへ」


「ん!」


「表彰!第1位!ミル!栄光を讃える!」


「ありがとうございます…!」


 そう言って俺は即興で作った表彰状を渡す。


 なかなか様になったレースだったぜ。見てるこっちも楽しかった。またやって欲しいな。


「ミャ」


「お?どうしたんだシロ?」


「ミャーミャ?ミャッ!」


「ふむふむ。自分もレースに出たいと言っているのか?」


「ミャ!」


 当たったみたいだ。と俺は気づく。あれ?俺、対話のスキル持ってたよな?対話のスキル使ったら会話できるよな!よし!使おう!


『じゃあシロも使えるように改良しないとな』


『ミャ!』


 えぇ…。対話ですらミャなの…。言葉どうやってもわからないじゃん…。


「あたしが王者…!」


「次は私が勝ちにいきます」


「レンちゃんみたいに強くなるまで練習する!」


「次は私も本気出そうかしらね?」


「またやるー!」


 そんなこんなで、2回戦が始まって、それからも飽きるまでレースを楽しんだ。


 ちなみに俺は3回目位で実況に疲れたのでシロと一緒に戯れていた。ふわふわしてて気持ちよかったです。

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