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第139話 合流するようです

ーside:主人公ー


「っと……ここは……宇宙か?」


 俺が飛ばされたのは宇宙としか形容しがたいところだった。だが、俺の知っている宇宙と所々違いがある。


 まずは地面に立っているという感覚があること、たまに虹色に輝くこと、息ができることなどだ。


 まぁ幻想的だし、気にしないでおこう。


「うわぁ!なにあれ!ねねっ、ほらあれ見てっ!」


 するとテンションの上がった女神が俺を揺すってくる。


「お、おい!揺らすなって!見ようにも見えんだろ!」


「いいから早くっ!」


 女神が揺するのをやめ、見せたいものを指さした。


「……ったく。なんだよ。つまらんものだったら承知せんぞ」


 俺は女神が指を指している方を眺めた。


「……わぁお。こりゃすげえ」


 眺めた俺の目に映ったのは、白く輝いて宇宙を泳ぐ超巨大な鯨。ここからめちゃくちゃ離れているはずなのに、横にいる女神よりも大きく見える。


「でしょー!いやーさすが私。こんなのをすぐに見つけてしまうなんてね」


「それ以外はくそ役にも立たんがな」


「そこはご愛嬌という事で……」


「お前に愛嬌なんてないわっ!」


 何故女神はこんなにも偉そうなのか。神だからとか関係なく性格的に楽観視しすぎだと思うのだが。


「……スター!マスターがいるー!」


「あ、あるじさまぁーっ!」


 俺が女神の性格をどうすれば矯正出来るか考えようとした時、どこからともなくゼロとリンの声がした。


 しかし、辺りを見回してもいるのは女神だけ。気のせいだと思い前を向いた時、また聞こえてくる。


「マスターこっちー!上にいるのー!」


「わわわっ!あるじさま避けてっ」


「……上?避ける?」


 俺がゼロの声に従って上を見た時だった。俺の視界いっぱいに広がったのはゼロのお腹。避けようにももう遅い。


 ゼロが俺に抱きつく形でその場に勢いよくたおれる。リンは俺の隣に着地する。


「グハッ!」


「マスター!ただいまー!」


「ゲホゲホッ。お、おかえゲホッ」


「あるじさま、すいません。教えるのがもう少し早ければ……」


「い、いや。謝る事はない。どうせゼロは転移で俺に抱きついてくる予定だったようだしな」


 そんな予定は極力やめていただきたいところだ。俺の命がいくらあっても足りん。


「おっ?ゼロとリンは無事だったんだね!安心安心!」


「女神さまの方こそっ」


「マスター会いたかったのー!」


「そ、そうか。分かったから早く俺から降りてくれ」


「やっ!」


「いやって言われてもなぁ」


 女神とリンが楽しそうに談笑しているというのに俺はゼロをどうにかしようともがいている。なぜにここまでの落差があるのか……。


「マスター!おんぶしてー!」


「おんぶ?なぜまたそんな事を」


「マスターとくっつきたいからー?」


「俺に聞くなよ……。まぁいい。おんぶだな。ほらやってやるからそこをどけ」


「わーい!」


 普通こんなので喜ぶとは思わないよな。でもうちのゼロはそんなことないんだなこれが。何が嬉しいのやら。


「さて、これからどうすればいいんだ?」


 俺がゼロをおんぶしながら、リンと女神に聞く。


「あるじさま……わたし今日は疲れました。もう休みたいです」


「私も賛成ー!歩き回ったりして疲れてるもんね」


「わたしはマスターといれればいいもーん!」


「なるほどな。確かに今日は動いてばかりだ。ここは休息を入れるか」


 そして、俺は土魔法で簡易住居を作った。その中に入って、皆で休息を取るためだ。


 あとは休息している間にまだ行方が分かっていないミルとフェイ、ジュリとレンに連絡をいれよう。


 こうして俺立場休息を取り始めるのであった。



◇◆◇◆◇



ーside:ジュリー


「ねぇ、レンはここはどこだと思っているの?」


「私にもよく分かりません。何せこんなあべこべな世界を見るのは始めてですから」


「やっぱりそうよね。壁が地面になり得るとかどこの世界探してもここくらいだと思うわ」


 私達が飛ばされた世界は色々とあべこべな世界だった。宇宙空間のような場所に地面が色んなところに色んな形で置かれていて、それら全てに重力が作用していた。


「こういうのミルが好きそうね」


「意外と主様とかも好きたっありするんじゃないのでしょうか」


「もしかしたらそうかもしれないわね」


 あの人って変な所で子供っぽいところがあるものね。


「しても凄いものを作るわね。普通じゃなくてあべこべってところがどれだけ力を入れたかが分かるわ」


「これ慣れればかなり楽しいですよ」


 ついさっきまで私と話していたはずのレンは、いつのまにかあべこべなこの世界で遊んでいた。


 レンは色んな角度で、壁から壁を飛び回る。


「ほんとに楽しいそうね」


「あたしもやる」


「レン楽しそう。ミルがやりたがるのもうなずけるわ」


「そうね……って、ミルとフェイじゃないの!」


 私がぼーっとしている間にミルとフェイが私の隣に来ていた。


 という事はミルもフェイも今までの仕掛けとかは全てこなしてきたのね。まああれくらい突破できないわけないわね。


「それにしても……って、ミルはもう行ったのね。まあいいわ。フェイ達はここに来るまでに何が起きたのか聞いておきたいわ」


「任せて。覚えてること全部話すから」


「じゃあ、ここらで休憩にしましょう。レンとミルが遊んでいるし丁度良いでしょう」


 私達は休憩をとった。そして、この休憩の最中に彼からの念話が届くのだった。

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