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君のいない日々はきっとつまらない  作者: 久遠知
冬の日々
43/50

Episode42 新年

 秋に行われた新人戦では坂井高校男子は、団体ベスト8(6位)、個人では長瀬・森田ペア、倉田・上原ペアがベスト32に入るなど夏の練習の成果が現れた。また女子も、団体は初戦敗退だったものの、個人では柿田・久井ペアがベスト8に入った。白城は怜人と一緒に個人戦に出場し、結果は2回戦敗退。2回戦の相手は青海学園の川迫・橋本ペアであった。白城との実力差は大きく、ストレート負け。悔しさをバネに一層練習に励むようになった白城。そして時は流れ、新しい年を迎えた。激動の半年の始まりである。

 年が明け、もう1週間が過ぎた。今日は坂井高校ソフトテニス部の新年初練習。顔なじみでも約10日ぶりに会うと前より少し違って見える。雄星は顔が少し丸くなっていた。どうやら正月太りというやつらしい。他にも髪を切っていた人もいる。

 俺はと言うと、おせち料理が苦手で、お雑煮も嫌い。そういうわけで正月は普段よりも食べない。だから正月太りは心配ない。ただ体力は低下していた。いくらこの10日間で何回か走ったとしても、それだけでは体力は維持できない。体力を取り戻すのに少し時間がかかりそうだな…

 テニスの方は…10日ぶりと言うこともあり、調子が悪かった。上手くスイートスポットでボールを捉えることができない。グリップの握りを変えてみるが、あまり変化はなかった。

 それに比べて久井さんは普段通り上手であった。嫌な音が何一つとしてしない。

 (これがベスト8か…)久井さんと自分の実力差の大きさを気付かされる。俺は新人戦の個人で初戦は突破できた。だけど、2回戦の相手はあの川迫・橋本ペアだった。二人とも青井スポーツ杯の時より格段に上手くなっていた。




 俺も前衛になってからの約2か月半、一生懸命久井さんのプレーを見ては真似るを繰り返した。ラケットの入り方、グリップの握り方、足の運び方ありとあらゆる所を見てきた。もちろんただ真似をするだけでなく自分でも考えては試してを繰り返した。その甲斐あってか、新人戦の初戦では見事ボレーで2点取ることができた。

 でも川迫・橋本ペアは別格だった。全部俺の動きを分かりきっているかのように躱される。たとえ飛び出すタイミングは完璧でも常に先を通される。だからと言って少し早めに出たら思い切り逆を突かれる。俺は1球も触ることができなかった。

 試合後の挨拶の時、軽く川迫君と橋本君とは会話を交わした。


川迫 「白城さん前衛になったんですか?」


白城 「ああ…8月末ぐらいからかな?」


橋本 「そうなんすねぇ…。白城君の後衛、良かったけどなぁ。」


 怜人は橋本君にカモられたか全く川迫君たちと話そうとしなかった。俺が二人と少し話すのさえも嫌がっていた。あんなに不機嫌な怜人は初めてだった。

 石井のことはその時は聞けなかった。だけど大会の結果を後日確認したところ、個人ベスト32に入っていた。もう俺とは次元が違うのかもな…




 練習が終わり、家に帰って来た。午前練の後はシャワーを浴びて、ご飯を食べ、いつも30分ほど昼寝をする。だけど今日は1時間も寝てしまった。久々の練習で疲れていたのかな。起きてしばらくの間ベットの上でボーっとする。

 (今日あまり久井さんと話せなかったな…)話したいことはいっぱいあったのに…自分から話しかけるなんてできなかった。いっそ久井さんから話しかけてくれたらいいのに…

 

 


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